【小説沙門清正_宗像周遊編③】沙門清正かくかたりき あるいは悪魔崇拝の話について

「ゲイが多重人格障害と悪魔崇拝であるとはおだやかではない言い方ですね」宗像の後輩である筑後が言った。「少し突飛なような話に聞こえます」
「悪魔崇拝をしている人間がいる、というのは、日本以外の国ではわりと当たり前の話ではあります」清正が筑後の方に目をやりながら答えた。「日本人にはなじみがないのは分かりますがね。日本では狐につかれる、という言い方が好まれますがね。西洋的な言い方をすれば、笹井のバカは代々悪魔崇拝をする家柄の人間ということです」

「その悪魔崇拝が笹井という君らの同僚であるゲイの漢文講師とどういう関係があるんだい」宗像の父の惟門が言った。

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