真樹ちゃん
真樹ちゃんと出会ったのは高校一年生の時
コンビニとスタンドで掛け持ちバイトしてた私が、コンビニ勤務の時に
「スタンドの子だよね?」
って声かけてくれたのが最初
当時真樹ちゃんは向かいのダイクマのたこ焼き屋の店長だった
話してるうちに3つ上であること
真樹ちゃんのおじさんとうちのお母さんが友達であること
バイト先の先輩のノリオさんの同級生であること
中3の時に好きだったヤスのお兄ちゃんとも同級生だってこと
真樹ちゃんの店に出入りしてる私の先輩が私のことを好きだってこと
色んな共通点があってすぐに仲良くなった
私の友達のMちゃんがバイトを探してるから真樹ちゃんのとこ紹介した
それからは芋づる式にたくさんの友達と仲良くなって少人数だったり大勢だったりとにかくいっぱい遊んだ
真樹ちゃんは私以外の女の子と遊ぶ時
「ナンパされ子ちゃんしに行く」ってよく言ってた
なぜか私とは行かなかった
当時、私は男が切れることはなくて色んな噂がたってた
それでも真樹ちゃんは
「この子は誰とでも遊ぶけど、本当に好きな男としかやらない」
って言ってくれてた
お正月、みんなで族しに行くって特攻服きてサラシ巻いてた時、私だけが絣の着物着て行った時も笑ってた
真樹ちゃんのおじさんはそんな私を褒めてくれて私にだけお年玉くれた
まだ携帯がない時代、原チャリで真樹ちゃんのアパートに行くといつもシチューをご馳走してくれた
私の友達のAちゃんと一緒に住んでた時も、真樹ちゃんとAちゃんがスーパーマリオするのをつまんない気持ちで見てた
私はゲームよりカラオケに行きたかった
真樹ちゃんの愛車は見るからに族車だったけど、その助手席は私の指定席だった
私が22歳の時、真樹ちゃんが結婚した
背の低い気の強そうなネズミみたいな人だった
正直、その人のことは好きじゃなかった
でも真樹ちゃんが選んだ人だったから一緒に遊んだ
そいつが元カノと浮気した時、元カノと私と真樹ちゃんの3人で修羅場になりそうだったのに、なぜか近くの焼き鳥屋で呑んで、その後カラオケでオールした
竹内まりやの元気を出してを何回も歌った
それから数年して私が転勤になった時、真樹ちゃんから初めて手紙を貰った
普通の事が書いてあった
でもすごい嬉しかった
私が結婚した時、遠いのにわざわざ新幹線できてくれた
里帰り出産した時も来てくれた
そんな真樹ちゃんが亡くなった
もう20年以上会ってない
でも震災の時もメールくれた
コロナ前に入院したって聞いてメールした時も返事くれた
なんで亡くなったのかはわからない
会えばよかった
もっと連絡すれば良かった
もしかしたらあのころみたいに話せないかもしれない
それでも、もう一回部屋でダラダラ喋ってカラオケ行って、湘南にドライブしに行って朝方寝るっていうお気に入りの遊びかしたかった
話したいこといっぱいあるのに
聞きたいこともいっぱいあるのに
私が誰に何を言われても気にしないのは、真樹ちゃんがいてくれたから
どんなに友達がいなくなっても、真樹ちゃんは絶対友達でいてくれると思うから
それは今でも変わらない
真樹ちゃん、なんで先に逝ってんのよ
言ってよ!
そしたら年末年始に会いに行ったじゃん
会えなくても電話くらいしたじゃん
人生のどのタイミングで出会っても絶対仲良くなれた自信があるよ
またどっかで会ったら仲良くなろうね