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自撮りアーティストnanoについて

はじめましての方もそうでない方もこんにちは。
自撮りアーティストのnanoと申します。
2017年から自分のバストをひたすら撮り続けており、それを生業としています。

nanoは2017年から活動していますが、2021年からNFTアーティストとしても活動を始めました。
そこから応援してくれる方が入れ替わったり、それまでお話ししていなかったことを公にしたりということがあったので、改めてnoteに自己紹介記事を書くことにしました。
nanoについて知ってもらえたら幸いです。

■「リストラおっぱい」としてのnano

nanoの自撮り作品が生まれたのは、2017年に会社からリストラにあったことがきっかけです。
会社の経営が傾いてしまい、人員削減のためのリストラでした。
定年まで勤めると決めていた会社だったので、宣告された時はその場で号泣してしまって、上長の厚意でその日は帰らされたのですが、駅のホームでベンチに座り込みながら線路へ飛び込んでしまおうか考えるほどの絶望でした。

結局また新しく就職活動を始めましたが、きっと皆さんも経験のある通り、求職活動中って返事待ちなどの空白の時間が生まれてしまうんですよね。
わたしはその時間に鬱々としてしまったり焦る気持ちでつらかったので、なにか自己発信しないとしんでしまいそう…となっていました。

そしてちょうどその頃にたまたまTwitterで「巨乳界隈」みたいなものを目にしました。
バストが大きめの女の子が自撮りをして写真をアップしていて、そういう女性たちの交流みたいなものがあるのだと。
自分を撮るだけで手軽だし、好奇心や冒険心みたいなものを感じたため、なんとなく試しにやってみることにしました。
そうするといとも簡単にいいねがたくさんついたのです。
これが現在の着衣のバストアップ自撮りの発祥です。

最初はこんな風にスマホを片手に、ベッド上で正座して撮影していました。
今は一眼レフカメラを三脚で立てて、背景布や照明を設置しています。

わたしはそれまでずっとクリエイティブ職に就いていて、他にも映像やイラストや文筆など色んな作品を個人でも発信していたのですが、発信したものに対してこんなに良い反応がついたのは初めてでした。
面白いなぁと感じ、そして暇だったので毎日たくさん自撮りを更新するようになりました。
数日後には自撮りをアップしてから出かけて帰宅したところ、それがバズっていたようで通知が数千件という表示になっていました。

浅はかかもしれませんが、それまでずっと売れないクリエイターだった自分には『切り口を変えるだけでこんなに反応が増えることがあるのか』と体感する一件になりました。

そのあとは写真がすぐに溜まったのでクラウドファンディングで「リストラおっぱい」という肩書きで写真集を企画したところ、一晩で目標額の30万円を達成。
ニュースサイトでも取り上げられ、フォロワーの数が2ヵ月で2万人増と爆発的な話題を生みました。
クラウドファンディングは約200万円を集め、支援者約200人に写真集を送ることに。
制作や発送作業を1人で全部やるために会社へ勤める時間がなくなり、こうしてわたしはnanoという専業作家となり独立しました。

最初に挑戦したクラウドファンディング

■「リストラおっぱい」以前のnanoと活動を始めてから

nanoとしての実績はその後、ヴィレッジヴァンガードさんからお声がけいただいて日めくりカレンダーを作って販売したり、2度目のクラウドファンディングでまた写真集を作ったり、ファンクラブサイトで動画を発信したりと2年間くらいは順調満帆でした。

ヴィレッジヴァンガードコラボ日めくりカレンダー
2回目のクラウドファンディング

雑誌や新聞から取材を受けたりもしましたが、わたしはずっとクリエイターをしてきたということを隠していました。
理由としては勤めていた会社の人への身バレ防止や、なんとなくプロのクリエイターと言わないで素人が作ってると思われた方がいいのかなと思っていたからです。

ただ、自分がクリエイターとしての自撮り作品を出しているつもりでも、求められているのは素人女性の生々しいポルノ的な自撮りであることのギャップに苦しむようになりました。

作品に対価を払って応援してくれる方々がいるので活動が続けられているわけですが、
「気軽にバストトップを見せているだけ裏垢女子(性的な写真を趣味で載せている素人女性のアカウント)の方が良いので無価値」
ということを時々言われて格安で過激なものを求めてくる人達に対し、そもそもそういうものじゃないんだ…と、自分がやりたいことと、仕事としてやっていく需要に応えることのバランスが難しいとずっと感じていました。

凝った構成で自撮り動画を作ってみたり、自撮りを挿絵的に入れた小説の記事など工夫してみても反応は芳しくなく、エロを求められているので応えなければ生活ができない…とそっちに振ったものを出し、
そうすると「リストラおっぱいの人がエロに走って悲しい」「エロをやっているのにアーティストってなんなんだ」と書かれているのを見て(自分もやりたいことはそっちではないんだよ…)と、やりたいことだけで生活できない実力不足にも悲しくなっていました。

苦しくて、nanoのアカウントをどこかに売って辞めたいと思い、そういうデータ売買のサイトを探していた時期もあります。
「nano」は売れなかった長い長い時期を経てやっと独立できた誇りでもあったので、辞めたい気持ちと続けたい気持ちで揺れ動きました。
悩み続けながらも幸か不幸か辞めるには至らず、作品のクオリティだけは高みを目指し、常に自分の納得のいくベストを出してきました。
でもほとんどのファンはそんなこと求めていないという反比例…
もがいては絶望する数年間を過ごしていました。

■NFTに出会ってから

2021年春に数人のフォロワーからNFTをすすめられました。
とは言えニュースで見たという理由で誰も詳しくはなかったので、ルーティンのファンクラブ運営と並行し、仮想通貨について調べつつウォレットを作ったり、英語を翻訳サイトにかけながらOpenSeaにアカウントを作ったりしました。
最初にOpenSeaへ作品を出すまで半年近くかかりました。

誰も見ないまま1ヵ月くらい経ちましたが、miinさんがツイートで紹介してくれた日があり、NFTをやっている人たちに少し認知が広がって、初めていくつか作品をお迎えしてもらえました。

購入してくれた方は「照明なども使っていてクオリティの高い作品だし、NFTのために付け焼き刃でやっているのではなく長年活動してきていることも購入の動機になった」と言ってくれました。
この絶望の数年間が報われたという気持ちになり涙が出たのを覚えています。

NFTでも最初はイロモノ認知だったらしいのですが、スペースで話すことに挑戦してみたら、
「触れちゃいけないようなやばい人かと思っていたけど、話してみたらちゃんとしたクリエイターさんだったんですね!」と言われることがとても多かったです。
nanoになる以前からずっとクリエイターをしてきたことを隠さないようになったのはこのことからです。
それまでのクリエイティブ職、個人で映画制作やイラストレーターや文筆業をしてきたことを説明するようになりました。
NFTでは自分で連作企画をしてみたりと、ずっとやりたかったエロではない展開にまた挑戦しました。
女性でも作品を素敵だと言ってくれた方がいて、だんだんと女性のホルダーさんが増えました。
エロしか需要はないのかと悩んでいたのが数年越しに軌道修正できたのを感じました。
NFTアート自体はとても難しいもので、今のところ自分の作品や活動と完全にマッチしているとは思っていません。
でもわたしがずっと抱えていた悲しい気持ちを前向きに変えてくれたのはNFTでした。
なのでこれからも自分なりに続けていきたいと思っています。

■外見コンプレックスについて

最後にnanoの作品を見てよく言われるイメージとのギャップについて説明したいと思います。
作品を見て女性にも男性にも「スタイルが良くて素晴らしい」「自分のスタイルを魅せられる自信に溢れていて羨ましい」と言われることが多いです。
しかしそれらのイメージと実際は真逆です。

わたしは子供の頃から太っていて外見に関してはコンプレックスの塊です。
ひどく運動オンチのため体育の授業を嫌悪してきて、大人になってからは解放されたことが何よりうれしいというほど運動嫌いなので、ストイックに筋トレに励んでもいません。(やらねばという気持ちだけある)

nanoの作品は積み重ねてきた研究により美しい商品に見えるよう制作されています。
研究とはポージング、カメラ位置、ヌーブラやコルセットによる撮影のためのボディメイクなどを常に試行錯誤しています。
綺麗に写るために1着の撮影に50~200枚ほどを撮っており、そこから厳選した数カットを採用しています。

nanoは自撮りですがフィクションの存在だと捉えています。
わたしは学生時代から映画を作っていたのですが、それと同じ感覚で制作していて、良いシーンだけ切り取っていると言えます。
詐欺と思う人もいるかもしれませんが、映画に対して「作り物だ!詐欺!」と言う人はいないでしょう。nanoも映画のワンカットみたいなものです。
あと漫画が好きなので、『セクシーなお姉さんキャラの登場する1コマ』みたいな作品を目指しています。
映画を撮っていたときも「漫画みたいな映画」を目指していたので、自分のやりたかったことは地続きになっていると感じています。

また、わたしはもし自分の容姿に自信のある人間だったら、普通にコスプレイヤーとして活動してみたかったなとも思っています。
強いコンプレックス故に全身を写したくなくて、身体の一部分の切り取りで表現する世界観を生みました。
でもきっとコスプレイヤーとして活動できていたら、今のように作品を生業とするまではできなかっただろうとも思います。
欠陥と思っていることが今の作風を生み、それが他のものとは違う切り口となり、唯一無二のnanoの作品が出来上がっていると自負しています。
nanoの作品の中ではわたしはわたしのことが好きでいられます。

■まとめ

nanoとしてやりたいことはまだたくさんありますが、長いのでいったん今回はここまでにしたいと思います。
今後の展望を少しだけ簡単に書くと、自撮りとイラストと動画でキャラクターとストーリーを展開することにも挑戦していきたいです。
えるるという牛ガールのキャラクターを出したので、えるると周りの子たちのことを描いていきたいと思います。
えるるについては↓のTwitterアカウントをフォローしてみてくださいね。

それではnanoについて紹介と説明する記事、とても長くなりましたがここまで読んでくださってありがとうございました。

いつも応援してくれる方へ感謝しています。これからもよろしくお願いします。

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