P03 マテリアル五度圏-Circle of 5th
2023.5.11 追記
こんにちは nanookです
ご訪問ありがとうございます
Twinmotionシリーズでマテリアルを使う話の流れができたので
書こうか迷っていたことを
ここに書いていこうと思います
結論から言うと
デザインをする際に
マテリアルの組合せの方向性・骨子を自動的に決めるものです
マテリアル五度圏という言葉は
私が調べた限り世の中にありません
なのでこの言葉はあくまでも私が勝手に付けた名前です
これを使うために
少し五度圏という説明をしなければいけません
その概念を理解しないと(納得しないと)腑に落ちないので
基本的な五度圏の考え方を書いていこうと思います
もちろん役にたつかどうかは
みなさんでご判断ください
1 五度圏-Circle of 5th とは
おそらく、デザイン業界の方は
五度圏という言葉を知らないと思います
これは音楽業界の方、作曲する人が使うツールです
音楽は、直感的に気持ちにアクセスします
昔聞いた曲から、その時の記憶が甦ってきて
感情を思い出すこともあります
メロディに誘われて
いろんな感情が溢れてきたりもします
一方 立体デザインは
ポストモダン以降、人の感情を焦点にして
建築内装デザインも人の気持ちに
アクセスする境地に辿り着こうとしています
しかし、音楽はずっと前からその領域を
軽々と横断しているので
どこか私は憧れを持ってしまいます
音楽を作る、作曲をすることは
建築内装デザインよりもクリエイティブで
センスを必要とされるような気もします
しかし作曲家の方が
毎回、神が降りてきて作曲しているようにも思えません
仕事である以上、〆切はあり
なんらかのセオリーみたいなものがある気がしました
感覚や気持ちにダイレクトに響いてくる曲を
どうやって作り始めるのか
当たりをつけているのか
デザインも気持ちにダイレクトに響く方法はないのか
と思って調べ始めたのが
五度圏の始まりです
2 音階と音の名前
紀元前の時代から音階の研究は始まりました
ざくーーーーーとかいつまんで説明していきます
私は音楽の門外漢なので
多少の歴史誤認などはご容赦頂きたいです
ピタゴラス音律(ピタゴラスおんりつ)は
初期ルネサンスまでの西洋音楽の標準的な音律であり
また中国や日本の伝統音楽の音律も同様の原理に基づくとされています
しかし、ピタゴラス音律では
重なった複数の音が不協和音になることがある
これを緩和するために作られたのが純正律
その後
ピタゴラス音律 →純正律 →現代の平均律(等分平均律)
と発展してきました
音律の歴史は、人間の音に対する
心地よさ=「協和度」の追求を模索した歴史という人もいます
※弦楽器の純正律が正確には正しい和音を作れ
ピアノなどの平均律は厳密には正確な和音ではない
のですが、話が脱線してしまうので割愛します
興味があれば、調べてみてください
また音といえば、ドレミファソラシド です
この由来はイタリア語で
日本では ハニホヘトイロハ
英語では CDEFGABC
となります
「ドレミ」=階名の元となった曲は
グレゴリオ聖歌の中の「ヨハネ賛歌」だと言われています
ラテン語による6節の原文と日本語訳をご紹介します
Ut queant laxis
resonare fibris,
Mira gestorum
famuli tuorum,
Solve polluti
labii reatum,
Sancte Ioannes.
≪汝のしもべが
弦をかきなでて
汝の妙なるわざをたたえ得るように
このけがれある唇の罪をのぞかせたまえ
聖ヨハネよ≫
1024年イタリアの修道士グイード・ダレッツォと言う人が
カトリック教会での「聖ヨハネの生誕」の祝日に歌われる
『聖ヨハネ讃歌』の歌詞の各節の歌い出しの音が
順々に一音ずつ上がっているので
それぞれの音の名前として
各節の歌い出しの歌詞である
「Ut・Re・Mi・Fa・Sol・La」をつけたのがはじまりだそうです
後世に「シ」に相当する音階音として
「Sancte Ioannes」の頭文字「Si」を追加し
発音しやすさのために「Ut」が「Do」に変更されて
7音の音階と階名「ドレミファソラシ」が完成したと言われています
グレゴリオ聖歌より前
全ての聖歌や賛美歌は口伝で伝えられてきました
つまり耳コピです
そのため書かれた音符に触れることは無く
音の名前すら必要なかったのですが
正確な伝承が極めて難しかったようです
3 12平均律
そのような状況から
音・音律を科学的に定義することが行われました
現在、最も多く用いられているのが平均律です
平均律とは、音程を等しい周波数比で分割した音律です
平均律にはいくつかの種類がありますが
一般的には12平均律という音律のことを言います
12平均律とは、1オクターブの音程を12等分した音律です
ドから1オクターブ上のドは
261.6Hz から 523.3Hz で 2倍 になっています
これが1オクターブの定義です
もう一つ上のドは
523.3Hzの倍 1046.5Hz となります
現在の音の基準は
ラの音
国際式表記 A4
周波数 440Hz(周波数とは音の波が1秒間に振動する回数です)
と世界的に定められ、国際標準音と呼ばれます
これを基準に、オクターブの周波数を12個に均等な比に分けています
だから国際表記 A = ラ がスタートでドレミのABCが始まります
4 和音
1オクターブの音は12音あり
7つの白鍵と、5つの黒鍵
隣に移るごとに半音づつ音程が上がっていくのは
(ご存知ですね、、、)
(和音の細かい説明は端折って)
例えばC・E・G(ドミソ)の主要三和音は
周波数比が4:5:6となり
C4 ド 264Hz
E4 ミ 330Hz
G4 ソ 396Hz
それぞれを15、12、10倍すると
最小公倍数 3960Hzとなり
音の波が周期が重なりあう和音が作られます
(ドミソは純正律の周波数が綺麗に揃うのでここで使いました
平均律の方が揃えられる和音の数が多いようです
詳しく知りたい方は調べてみてください)
5 五度圏
五度圏は、その12音を時計のように円状に並べた図です
ABCという順に並ばず、不思議な組み合わせで並びます
これは、和音の親和性がある組み合わせが
隣り合うように並べられています
たとえば、曲作りの時のキー(調)をCメジャーキーにした場合
( C=ド を主音として構成された スケール=音階)
その基調和音は以下の組み合わせになります
この6つの親和性のある和音をもとにコード進行を進めて
作曲を行うという音楽理論です
例えばCメジャーを使った曲は
など、基調和音をもとにコード進行を進めることが
作曲の骨子になるという概念です
この基調和音の組み合わせを
パッと視覚的にまとめているのが五度圏です
先ほどの図では、Cメジャーキーを中心に
両隣と、マイナーコードが基調和音の組み合わせになります
同じように、Aをメジャーキーにした場合は
下の組み合わせになります
五度圏というのは
親和性の高い和音の組み合わせ=和音のメンバーを決める役割を持っています
このメンバーをダイアトニックコードと言います
さらにこのメンバーにもそれぞれの役割があります
メジャーキーが変わっても
扇の中の役割の位置は変わりません
音の中に、主役や敵対、中立など
キャラクターがいることが非常に面白いです
この概念を、マテリアルで置き換えたら
ちょっと面白いと思いませんか?
なんとなく、感性だけに頼っている
マテリアルの決め方を
理論と感性の両面から
アクセスできたらいいな
この周波数を
マテリアル特有の何かに置き換えれたら
面白いなと思い
調べ始めました
(今日はここまで。
大した結論にならない気がするなあ。。)