【MySQL × Django】MySQLの照合順序を変更する ~Djangoのマイグレーションで運用環境を整える~
はじめに
MySQLには「照合順序(Collation)」という設定があり、データベースの文字列比較やソート順を決定する重要な要素です。
業務で照合順序について触れる機会があり、その重要性を実感しました。
そこで今回は、照合順序の調べ方と、Djangoを使って照合順序を変更する手順を備忘録としてまとめます。
1. 現状の照合順序を確認する
データベース全体、テーブル単位、カラム単位など、照合順序は異なる範囲で設定できます。
現在の照合順序を確認するには、以下のSQLを実行します。
2. Djangoのマイグレーションを使って照合順序を変更する
2-1. マイグレーションファイルの準備
以下のコマンドを実行し、マイグレーションファイルを作成します。
作成されたマイグレーションファイルを編集し、照合順序を変更する処理を追加します。
2-2. 照合順序を変更するマイグレーションを作成
照合順序を変更する範囲(データベース全体、特定のテーブルやカラム)に応じて、適切なマイグレーションを作成します。
2-3. マイグレーションを適用
編集が完了したら、以下のコマンドを実行し、変更を適用します。
これでDjangoを通じて照合順序の変更が完了します。
3. MySQL環境以外で照合順序変更をスキップする
運用環境はMySQLだが、開発環境ではSQLiteを使用しているケースなど、異なるデータベース環境がある場合、MySQLを使用している環境でのみ照合順序の変更を適用する必要があります。
以下のようにデータベースエンジンを判別し、条件分岐を行うことで対応できます。
4. 変更が反映されたことを確認する
マイグレーション適用後、照合順序が正しく変更されたかを確認します。
「1. 現在の照合順序を確認する」と同じ方法で、再度SQLを実行してください。
おわりに
照合順序は文字列データの比較や検索性能に大きな影響を与えるため、適切に設定することが重要です。
SQLを直接実行できる環境でも、Djangoのマイグレーションを利用することで変更履歴を明確にし、運用環境全体で整合性を保つことができます。
また、開発環境ではSQLiteを利用することが多いですが、条件分岐を使えば環境ごとに適切な処理を適用できます。
運用中の環境で安全に変更するために、事前にテスト環境で確認し、バックアップを取ることを忘れないようにしましょう。