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死んでたまるか

寝惚け眼で迎えた正午、目を疑うようなニュースがTwitterのタイムラインに流れてきた。今年の4月から食道がんで無期限療養していたThe Birthdayのチバユウスケが亡くなったと。正直めちゃくちゃファンだったわけではないのだけれど、ミッシェルもThe Birthdayも聴いてはいた身なので、こうして誰もが認めるロック界のスーパースターが若くして亡くなってしまったことは、どうしても心に穴が空いてしまう。

今年はKANさんも亡くなったり、アーティストの訃報が多い1年だったが、仮に自分が最も愛していて、最も尊敬しているアーティストが亡くなってしまったら、きっと数年は立ち直れないと思う。僕の場合はそれが、RADWIMPSのボーカル、野田洋次郎だ。



小学校か中学校の時に、友人の薦めで「おしゃかしゃま」のMVに出会った。まだ10代前半だったが、頭に閃光が走ったかのような衝撃を受けて、そこからYouTubeにあるRADWIMPSの他の曲をほぼ全て見漁った。「いいんですか」「俺色スカイ」のような優しいキャッチーな曲から、「揶揄」や「五月の蝿」のような棘棘しいダークな曲まで、こんなにも多種多様な音楽を、全て同じバンドが創り上げているという事実に度肝を抜かれた。そこからRADWIMPSの虜になった。しばらくRADWIMPS以外のバンドを聴かなくなった。というか聴けなくなった。今思えば幼い考えだが、他のバンドは全ての曲が似ていてつまらないとまで思ってしまっていた。そこから大学に入るまで約10年近く、RADWIMPS、及び野田洋次郎への"崇拝"に近いような愛を持つことになる。当時はサブスクという便利な物が無かったので、その段階でリリースされているほぼ全てのシングル、アルバムを近所のGEOにレンタルしに行ったのを覚えている。

それだけ僕のRADWIMPSへの愛は相当深い。一時期ギターの桑原の不倫騒動やらなんやらでRADWIMPSが二人になってしまった時はかなり焦ったが、今もずっと応援している。FOREVER DAZEのツアー時は、北海道公演が無かったため、神戸2Daysと名古屋公演に参加するため1ヶ月で2度北海道から遠征した(名古屋公演時はチケットは取っていたもののまん延防止措置が出てしまい直前で断念)。

なんだかんだ1番ライブに行ったのはRADWIMPSだと思う。最初はRADWIMPSの胎盤(対バン)ツアーで2015年のZepp Sapporo w/ ゲスの極み乙女。の時。そこからアルバムやシングルが出る度のツアーに毎回参戦し、北海道公演が無ければ道外に飛んでいた。

でも、今年のBACK TO THE LIVE HOUSE TOUR 2023には参戦出来なかった。シンプルに今のRADWIMPSがZepp規模のライブハウスでやれば、そりゃチケットはなかなか取れない。しかも当時はかなりの金欠で、北海道公演が無かったこともあり行けず終いだった。トレードも応募したが全部外れた。そして一通りの公演が終わってセットリストを見た時顎外れるかと思った。昔の曲やりすぎ。2曲目にヒキコモリロリンて何?何年前のセトリ?え?俺色スカイもやってる。つかハイパーベンチレイション?!?!...泣くかと思った。マジで行きたかった。チケット取らなかった(取れなかった)自分をマジで数日恨んだ。こんなセトリでやってくれるRADWIMPSのライブ、しかもZepp。もう二度とないかもしれない。次は絶対に行く。そう決めた。



でも、その"次"が必ず来るものなのだろうか。今回のチバユウスケの死は、ずっと戻ってくるのを待っていたファンからすれば絶望でしかない。戻ってきてまたあの声を、歌を、音楽を浴びることが出来ると勝手に確信してしまっていた事、"次"が必ずあるだろうと思っていた事。それが訃報という1番最悪で悲しい事実で消されてしまった。

実際、今回のチバユウスケの死を受けて、おれが「じゃあRADWIMPSもいつ終わるか分からないから行ける時必ず行こう」と思ってしまうのは多少失礼であるかもしれないが、きっとどんなアーティストでも死なれちゃ終わる。悲しすぎる。アーティストに関わらず大事な友人や家族もそう。いつその別れが来るか分からない。"次"必ず会えるなんて、誰にも分からない。だから、後悔のないように、好きなアーティストやバンド、アイドルでもいい、推しでもいい、YouTuberでもなんでもいい。自分が好きで、尊敬して、愛してやまない人の事を、後悔のないように毎日愛してあげて欲しい。自分もそうしたい。愛し方は様々だが、グッズを買うでも、ライブに行くでも、握手会に応募するでも、何でもいい。事前報告のある"解散"とかならまだマシかもしれない(それでもしんどいけど)。「さよなら」「ありがとう」を最後に伝えられるから。でもそれが当たり前ではない。だからおれは、絶対に次のRADWIMPSのライブはどこであろうと応募するし、絶対に行く。いつ死んでしまうか、いつ解散してしまうかなんて分からないけれど、洋次郎はいつかのライブで「俺たちは死ぬまでRADWIMPSをやる」と言ってくれたのを忘れてはいない。だから、野田洋次郎が歌えなくなるまで、RADWIMPSがくたばるまで、おれは毎日必死に想いを伝えていきたいと思う。


「さよなら」を伝えられる別れは、突然消えてしまう別れよりも絶対に何倍も幸せだから。



P.S. RADWIMPS最近札幌来てないのなんで?待ってるよ?

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