かけがわ里山栗焼酎『自ら』のストーリー
栗の銘産地、掛川
静岡県掛川の里山には栗畑が点在しています。あまり知られていませんが、国内で著名な栗羊羹、栗鹿ノ子、栗落雁などの和菓子には、掛川産の栗も多く使われています。
掛川では、茶葉の産地には栗も植えられてきていました。しかし、農家の後継者不足などの状況から、近年は栗畑の荒廃も進んでいます。栗はイノシシの大好物でもあります。栗畑が放置されると里山でのイノシシの被害も広がってしまうという連鎖があります。
そこで酒好きの有志から、掛川産の「地栗」で「焼酎」を造ったらどうか、というアイデアが生まれました。お客様には栗の新しい楽しみ方を広げ、里山の栗畑には人の手が入って維持・再生され、地産食材と商品によって地域経済にも貢献できます。
商品名にこめられた想い
日本では「おのずから」展開していく四季と自然があります。そしてそこには、春になったら田畑を耕し、秋になったら収穫をしていく、農業に従事していく人たちの「みずから」生きていく世界が重なっています。
「おのずから」に逆らって「みずから」生きるということではありません。人間が一方的に「みずから」の世界をつくるものでもありません。何が人間の一生にとっての「おのずから」の生き方なのかを自分なりに見つけ出し、それに逆らわずに「みずから」生きていくという生き方です。この有り様が、日本語の「じねん」という言葉の意味であり、日本人の自然観が込められています。
近年顕著になってきた掛川の里山における栗のイノシシ被害、農家における後継者不足と栗畑の放置、特産でありながら栗が素材の域を出ないこと、などの状況を理解し(おのずから)、新たな次元で作物と鳥獣と営みの関係をつくりたい(みずから)という考えを、栗焼酎の名前に託しました。日本人の優れた自然観と人生観の融合感覚を表現しています。
かけがわ栗焼酎「自ら」(みずから・おのずから)
かけがわ栗焼酎プロジェクトは2009年に始まり、2011年に「これっしか処」と「ローカルライフスタイル研究会」が中心となって市販化を実現しました。
2021年には藤枝市の杉井酒造が蔵元となり、リニューアルを目指しました。杉井酒造では、蒸留の方法を替えるとともに一年間は寝かせることとし、2022年にまさに高品位な味わいをもった、新しい「自ら」(みずから・おのずから)が生まれたのです。
お客様のお好みの飲み方でお楽しみいただき、掛川の里山に想いを馳せていただけると嬉しいです
企画
ローカルライフスタイル研究会(コンセプト株式会社内)
これっしか処
合同会社 互産互消機構
製造
杉井酒造 杉井均乃介
静岡県藤枝市小石川町4-6-4