私のせいで不幸にならないでね
今日はこんな夜に市内のバス停へ車で向かった。
車から出ると雪が降ってた。上を見あげたらもっと降ってた。正直この寒さは舐めてたよ。
都会の街灯は丸かった。
初めは提灯か何かかと思ったのだが、ただの可愛い街灯だった。どうしてかな、丸いってだけでその明かりが浮いているように見えた。
私が住んでる場所は都会と田舎の真ん中って思ってたけど、その差がこんなに大きいなんて。夜はそれが得に目立つのかも。
東京行きの夜行バスに乗る兄を見送って、それにカメラを向ける母が、なぜかその時だけは誰か違う母に見えた。
そのバスには私より年下なんじゃないかと思う女の子達も並んでいて、私はとことん世間知らずな子供だなと思った。
(世間なんて知りたくもないけど)
唐突にある人のことを思い出しながら、その人との将来を少しだけ妄想していた。
そしたら不思議なことにちょうどそれと同じような内容のメッセージが届いた。
私の心の声が聞こえていたのかと少し笑ってしまった。でもその内容はなんだか私には笑っていいのかは分からないもののような気もした。
私みたいなタイプの人は他にもいると思うんだけど、将来に対するなんとなくの理想が私には存在して。
その理想はあくまで理想であって、目標では決してないんだけど。私は誰かと関係を築く時、その理想を無視せずには付き合いきれない。これは意識的に行ってる訳じゃないからどうしようもない。
彼からのメッセージはね、もう確信みたいなものだった。でもなんだろう、あなたの思いが明確になればなるほど、私の心は曖昧になっていく。不安になるんだよね。
だって私の理想はいつだって私一人だったから。私の理想に登場してきた人物はこの私一人しかいない。だから怖いんだ。
私はあなたまで幸せにできる自信はないよ。
ごめんね。でも私はまたいつものように、優しい人として接することしか出来なかった。
いつだって私は、私じゃない。
あなたが見てる私は、私じゃないんだよ。でももう手遅れだよね。信じるしかないんだよね。
君に私を託すしかないんだよね。どうか恨まないでね。嫌わないでね。泣かないでね。
私のせいで不幸にならないで。