誰だって好きになれるわけじゃない
「全員から好かれるのは不可能」
そんなことは分かりきっていても嫌われることを怖がった私に必要だった言葉は、
「誰だって好きになれるわけじゃない」
こっちだと思う。
私は人が好き、大好きだ。
日々周りの色んな人間に心を動かされ、自分とを見つめ直す。
でも、それでも人間だから自分と合わない人は当たり前にいて、人が好きなのに全員を好きになれない自分がそれはそれは私には醜くて。
人を嫌に思ってしまった時、人のことが好きだという理想の私とのギャップに、向き合うことが出来ない私は、誰かを嫌っている自分の姿が許せなかった。
みんなとみんな気が合うわけじゃないことは誰より分かっているつもりだったけど、それを受け入れられるくらい私の心は大きくなくって。
そんな私に必要だったのは何も嫌われる勇気なんかじゃない。
それにようやく気づいた今日だ。
「誰だって好きになれるわけじゃない」
これは私に必要な諦めで、けじめなんだと思う。
理想ばかりを呟く私が、もっと現実を目にしなきゃいけないことを、優しく背中を押して気づかせてくれる言葉だ。
多くの人を好きでいたい私は、好きな人に嫌われたくないのと同じで、多くの人から嫌われることを避けた。そんな私は多分欲張りすぎたんだと思う。
私と同じような悩みを持った哀れな理想家が、幸せになるために諦めるその一歩を踏み出せるように、今日のところは自分にこの言葉を投げかけてみる。