じわじわくる話#99 【路上の大道芸人は大体早口】
夜の駅前広場。路上では弾き語りをするミュージシャンやパントマイムをする人、そして大道芸をする人がいた。音響機材が整備されたその場所にはちらほら観衆が集まっていた。
「パイプに乗ったところで拍手貰えると思ったんですけど何故か拍手があがりませんでした。これって皆さん何か期待してましたよね。もしかしてもう一つ上に登るんじゃないかとか、もう一個パイプが出てくるんじゃないかとか、そういうのを期待して拍手があがらなかったんですよね。僕はこのパイプに乗ったところで拍手が貰えるものだと思っていました。でも皆さんはもっと別のものを期待して拍手をしなかった。では僕は今から皆さんの期待に応えたいと思います。成功したら今度こそ拍手があがると信じています。写真や動画を撮りたい方はどんどん撮ってください。SNSへの投稿も大歓迎です。Xやインスタグラムもやっているのでそちらも良ければ覗いてみてください。それではお待たせしました。3カウントで参ります。成功したら拍手をください。行きます。スリー、トゥー、ワン!」
失敗した。悲しい。