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West Endでミュージカルを見るということ

West End とは

West Endと聞いて、すぐにどこかわかる人はどれぐらいいるのだろうか。おそらく、イギリスに関心がある人、ミュージカルが好きな人は知らない人がいない場所かもしれない。
イギリスはロンドンの中心地に位置する、多くの劇場が集う地域、それがWest Endなのである。
アメリカのブロードウェイの方がミュージカルの本場として馴染みがある場所かもしれないが、アメリカのブロードウェイがあるならイギリスのWest Endだ。
演出や作品の成り立ちの大成場所としても、ウェストエンドバージョンやブロードウェイバージョンなどと分けられることも多い。
今回私が見てきたレ・ミゼラブルは原作こそフランスのユーゴーによって書かれたものだが、ミュージカルとして大成したのはウェストエンドである。
今回は、私が見たレ・ミゼラブルとウェストエンドでミュージカルを見ることについて少し。

レ・ミゼラブル

世界4大ミュージカルの一つレ・ミゼラブル。
(他の3つは、キャッツ、オペラ座の怪人、ミス・サイゴンである。私は来週、オペラ座の怪人も観るのだから贅沢この上ない)
私がイギリスに来る上で1番やりたかったこと、それはレ・ミゼラブルをウェストエンドで観ることである。
渡英してすぐ行くと、日本にすぐ帰りたくなりそうだし、とりあえず帰っても怒られない段階まできたら見ようなどと思って6月。どうにか期末課題をこなし、あとは修論のみの状態まできたところで、一度気持ちをリフレッシュするためについに、観ることにした。

これだけ話すと、私は帝国劇場で数年に一度行われる舞台を見たことがあるほどのレミゼファンに聞こえるが実ははじめて。
映画版は何回も見ているし歌も聴いているので話は知っている。日本語バージョンを忌避していたわけではなく、前回の2021年は、コロナ禍であり免疫抑制剤を調整していた頃であり、体調も芳しくなかったので観に行きたかったが行けなかった。2019年は、周りの人たちが行っているのは知っていたがあまりよくわかっていなかったのである。なんか難しそう。帝国劇場とか気品がないと入れなさそうという田舎から出てきて若干一年の私には気逃れする場所であった。
その一方で、多くの友人が行った様子、感想をSNSにあげていたこともあり大変興味が湧いた。
そして、映画版と音楽にどっぷりハマるというところに行き着いたわけである。

そして、イギリスの大学院を目指し始めた時、周りにはよくイギリスに行ったら何をしたい?と言われることが増えた。
当時の私はヨーロッパに行ったことがなく、無論イギリスも行ったことがない、なんなら今まで行った外国はオーストラリアだけだったのでイメージすらつかなかった。
なぜイメージもついてないところの大学院へ?と思われるかもしれないが、それは私の専攻などの兼ね合いなので今回は割愛させていただく。
そして、急に私は閃いたのである。イギリスって言ったらやっぱりレミゼ観なきゃじゃない??
本場で見るのはすごくいいと話には聞いていたし、そのようなレビューを書いたsnsなども読んだ。そうとなったら、もうやっぱりレミゼが観たい!
そうして、私はレミゼに対する期待を増大させながらイギリスに渡ってきたのである。

そこまでするなら、早く観ればいいのでは?と思わなくもないが、楽しみは後に取っておきたいタイプでして…学部時代の指導教官はイギリスやその文化に造詣が深い方で、「レミゼ観ても帰りたくはなりません、もう一度見たくなるだけです」と言われたけれど、なかなか勇気が出ず、このタイミングになったのだ。

こんだけ期待しておいて、大丈夫なの?とお思いの皆さん、
きちんと期待を超えてきてくれるのがウェストエンドのミュージカルでした。
非常によかった。一幕の終わりのOne Day Moreの迫力に圧倒され泣き、二幕の終わりのリプライズバージョンのDo you hear the people sing?に泣いた、そんな3時間でした。というか、本当に3時間あった?というぐらいあっという間。
カーテンコールはスタンディングオベーションで、もう、ここにいることが幸せ状態。
私がイギリスでミュージカルを見ることが好きな理由に、歓声があがり、大きく拍手し、時には立って盛大に激励を送るところだと思っている。
この瞬間のためにと思わずにはいられない。
やっぱりきてよかった、そう思えるレ・ミゼラブルだった。

West Endでミュージカルを見ること

おわりに、ウェストエンドでミュージカルを観ることについて少し話したい。
観劇に来られている方は老若男女、グループの方も1人の方も、おそらく日本人だと思われる方もいれば、英語圏ではない言葉を話されている方もいるし、仕事帰りだと思われる人まで様々な人を魅了する。そして、中心部にありソワレ(夜公演)の開始は7:30という何か用事の後、学校のあと、仕事の後でも来られる時間(私のようにロンドンに住んでない人間にとっては帰るのが少し大変だったけど)、生活に溶け込む観劇、それがウェストエンドでミュージカルを観ること。

そして、先ほど出てきた教官、見てきた話をすると、「もう一度見てください。何度見ても新しい発見がありますよ。」とのこと、先生、私をミュージカル破産させる気ですか?という冗談はさておき、映画のように一度見るとおしまい、日本のように一回見るために取るのがやっとではなく、本当に娯楽として成してるものなのだと。

そして、オーストラリアで滞在していた時のホストマザー、彼女はイングランドルーツを持つ人で、レミゼに行ったと投稿した私のFaceBookに、
「ロンドンに行ってウエストエンドでミュージカルを観ないと、1日が終われないもの」とのコメント、
そして、「ウィキッドとライオンキングもとても素晴らしいからぜひ見るべき」との追加まで。
これほどまでにイギリス人にとって、ウエストエンドでミュージカルを観るということは大きな意味を持っているのである。

p.s.
私はこの後、オペラ座の怪人と千と千尋の神隠しのチケットはすでに持っているのだけれど、上記のおすすめを全部コンプリートしようとしたら私はミュージカル破産まっしぐらですよ本当に笑
でも、そのぐらいイギリスにゆかりのある人たちが思い入れのある場所なのです。

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