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同じ時間を共有できるラジオ

皆さんが小さい頃、ご家庭ではどんな音楽が流れてましたか?
両親が好きだった音楽って影響力がかなりあるのではないかなと最近考えています。

私の父はスピッツとミスチルが大好きで車内はいつもどちらかのアルバムがかかっていた。(たまにジャミロクワイ、オアシス、ユニコーンとかも)

小学生の頃に東京から大阪に引っ越したことがあって、その時の車内はずっとこのアルバムが繰り返し流れていた。リピートしすぎて15年くらい前に聞いてたのに歌詞もしっかりと頭に染み付いているくらい。
今でも無性にスピッツが聞きたくなるのはきっとこの思い出があるからなのかな。

そして関西に引っ越してから母がふいにチャンネルを合わせて流れてきたラジオに家族でどハマり。
それがFM802。

両親が聞いてきた音楽に影響を受けまくった私は中学生でウォークマンを手に入れてヘビーリスナーとなった。
周りではラジオを聴いている人は全然いなくてラジオを聴くことが好きだっと言っても友人の反応はふ~ん、そうなんだぁ。ばかり。
ラジオにリクエストしている人はたくさんいるのに、なんで周りにはリスナーがいないんだとちょっぴし悲しかったのを覚えている。

毎日聴くだけでリクエストを送ることはなかったけど、夜に聴いていた番組ではリクエストのメッセージに学校名を書くと同じ学校のリスナーと知り合えるきっかけになっていた。

中学2年の冬にお年玉で初めて好きなバンドのアルバムを買い(しかも人生初のCDだった)、その嬉しさを誰かに報告したくて親のスマホを借り、思い切ってそのバンドの曲を初めてリクエストして、メッセージには高校名とCDのことを書いた。
(これが初めて買ったアルバム、活動終了辛かったなぁ)

まず悩んだのがラジオネーム。
よく耳にするラジオネームは特徴的で一発で覚えられるものばかりだった。
すぐにいい名前を思いつける才能もないので、ひねり出したのが部活の先輩にミニゲームで名付けてもらったあだ名。(ここでは明かさないけど、そのあだ名は部活で使われることは1度もなかった(笑))
まさかこの思い付きでかれこれ10年近くの付き合いになるとは感慨深いものがある。

話は戻るが、初めてのメッセージがいつ読まれるのか、読まれないかどうかは分からないのでずっと緊張しながら他のことに手がつかないまま聞きかじっていた。
すると、番組の中盤でラジオネームが読まれてメッセージまで読んでもらえ、体温が急上昇して顔まであっつくなった。
興奮が冷めやらないまま朝を迎えて母親に報告をしてから、登校するとさらに嬉しいことに他のクラスの子が訪ねてきてくれ、夢のラジオを聴いている友達ができた。

このことがきっかけにますますラジオへの熱が高まってほぼ毎日リクエストを送るという生活が始まった。ハマりすぎて大学受験に真剣に取り組めなかったくらい(笑)
ネット上で友達が欲しくてTwitterを始めて、さらにラジオをきっかけに知り合いが増えて世界が大きく広がった。


個人的な経験はこれぐらいにしておいて、本当に書きたかったことはここから。

今はラジオ以外にもテレビ、YouTube、サブスクなどなど様々な媒体が存在する。
なぜこんなにも少数派(なのか?)のラジオに惹かれるのかを最近ゆっくりできる時にふと考えていた。

ラジオが他の媒体と大きく違うこと、それがリアルタイムであるということだった。
テレビでは歌番組やスポーツ中継で生放送はあるけれどほとんどの番組は収録済みだし、YouTubeも同じように基本は編集済みの動画が配信されている。
ラジオでも事前に収録することはあるが、ほとんどが生放送である。
今聴いている人たちへの放送っていう感じがあって、安心感がすごい。

もちろん編集することで生まれる面白さもあるし、それにこれまで幾度となく笑ったり、泣いたり、感動したりしてきた。
それでも私は一番助けられてきたのがラジオだった。

普段はあまり気分が浮き沈みすることがないが、これまでに2回ほど大きく沈んだ時期があった。
1度目は中学の時に周りと比べすぎてダメになり、2度目は去年のこの時期にいわゆる五月病になった。2度目は特に酷くて2週間ほどスマホの電源を切り、連絡を絶って死んだのかもと言われたくらい(笑)
人といつでもネットを通じて繋がれる便利さに疲れてしまって、唯一聴けたのがラジオ。
オンラインでの課題以外の時間は専ら読書とラジオに浸りきって、本の世界や全然顔も分からないリスナーのメッセージを聞いてひたすら想像する生活を送っていた。

自分が沈んでいた話は誰も楽しくないし、ほどほどにしておいて。
ラジオって不思議なもので、これは読まれるだろうと自信満々で送ったメッセージは読まれる確率は低いのに、とりあえずでその日の報告程度のメッセージが読まれることがある。
そして、自分がとても嬉しかったこと、沈んだ時期にどうしようもなくて相談したいことを書いたメッセージは必ず拾い上げてくれる。
おかげで嬉しさにさらに思い出が加わったり、少し沈んだ気分を上向きに方向転換してもらった。
思い出補正がかかっているのかもしれないけど、これまで何度もラジオという媒体に助けてもらえた。

オフラインで話しているわけではないから、メッセージには直接話すことをためらう内容や打ち明けられなくてため込んでいる悩み、思いを書きやすかった。
さらに同じような思いを抱えている人のメッセージを聞くと、どこかにも今この時間に自分と同じような人がいるんだと共感して心を落ち着けることができた。

今は自分が小さい頃に比べてますます便利になって、便利すぎる生活に追いつけないかもしれないと思うことがたまにある。
見逃し配信があったり、電子化が進んだり、同じ時間を共有するということが減ってきた気がする。
ラジオも見逃し配信に似たサービスがあるけれど、どうしても私は苦手で活用しきれない。
ラジオって深夜は深夜、早朝は早朝でDJさんがその時間にリアルタイムで聴いているリスナーに呼び掛けていて、時間がずれている時に聴くと違和感がある。
頭が固いのかなと思うことはあるけれど、こればかりは譲れないのでこれからもリアルタイムに固執すると思う。

春から一人暮らしを始めてまず最初に買ったのが卓上ラジオで最近は家にいる間はテレビもないので、ずっとラジオを聴いている。
料理をしたり掃除をしたりと自分で家事をする様になって、家事をしている母がラジオが聞こえないとぼやいていたのがよく分かるようになった。
目に見えるわけではないけど、今一緒に起きている人がいるんだなと思うと孤独感も薄れる。

生活の一部になりすぎて切っても切れない関係になったラジオを聴きながらこの記事を書き終えようと思います。

皆さんは皆さんの好きな音を楽しみながら元気に上を向ける生活を送れますように。

ラジオが気になった方はぜひ周波数を合わせて地元のラジオ番組を聞いてみてください。
地域の給食の献立コーナーはめちゃくちゃ懐かしい思い出に浸れるのでオススメですよー!(笑)

寝る時はラジオを切ってスピッツでも流そうかな。





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