崩れるのは一瞬。立て直すのは長期勝負。
一瞬だった。
私が積み上げてきた努力が崩れていくのも、会社への信用も、仕事仲間への信頼も。
たった数ヶ月程の出来事で4年間の全てが崩れた。全てが信じられなくなった。
私が正社員として初めて入社したのは、4年間アルバイトとして働いていた慣れ親しんだ会社だった。
そこでの仕事は私にとって苦痛ではなかったし、仲間との関係も良好だった。
上からの圧力は多少あったけど耐えられる程度のものだったし、
「4年もいれば任されることもあるだろうな」
みたいな仕事ばかりだった。
正社員として入社後、すぐに昇格の話が舞い込んだ。正直少し嬉しかった。
だけどそれ以上に拒絶の気持ちが大きかった。
私はすぐに上がるつもりはなかったし、そもそも上がるつもりなんて一切なかった。
勤務時間の違いに慣れるのに精一杯だったし、自分にそれだけの能力があるかと聞かれたら私は即答で「ありません」と答えれるレベルに無能だった。
そう、残念な事に私は無能だったのだ。
無能じゃなければリクルートスーツを着て何社か面接に挑んだだろう。
自分みたいなやつが自分の上司だったら最悪すぎて速攻仕事やめるレベルに無能なのだ。
無能な上に怠け者なのだ。
なお、怠け者だから無能なのでは?という疑問はここでは追求しない事にする。
とにかくそんな無能の私は昇格の話を速攻で蹴ったし、私の上司はそんな無能をしつこく昇格させようとした。今考えればきっと誰でも良かったのだ。知らんけど。
そんな中、私は本来仲間である人とのいざこさにも足を突っ込んでしまう。
理不尽に自分のせいにされるミスの数々に精神がやられた。
「いくら無能な私でもこんなミス……最近してないのに」
いや、前はしてたんかーーーい。というところは一度置いといてもらって、とにかく理不尽な扱いを受けた。それはもう信じられないほどに。
そんな日々が続き、家で新生児並みに泣いて会社で元気に頑張っていた私が会社でも新生児になってしまう。オンギャァ。
とにかく辛すぎて泣いてしまう日々。
理不尽に対して泣くのはもう当たり前。
残業しながら「なんでこんなことを」と号泣。意味わからんよな。私もそう思う。
そして寝たくらいじゃ再起不能までぶち壊されたのが入社からわずか4ヶ月だった。
壊れ始めたのが2ヶ月。きっとここで休んでれば再起不能まではいかなかったんだろうなぁなんかぼんやり考えてみるけどもうそれは後の祭り。
そうして4ヶ月でぶち壊されたものを1年半という期限付きの猶予を与えられて再起しようと頑張っているのだ……。