ジャパンスタンダードカップ 『ダスクモーン:戦慄の館』 Top8 大会レポート ~ディミーアミッドレンジ~
はじめに
こんにちは。佐藤啓輔です。
今回は10/12 静岡で行われたジャパンスタンダードカップ 『ダスクモーン:戦慄の館』に参加しTop8入賞することが出来ました。
大会での様子と使用したデッキの簡単な解説を大会レポートという形で書きます。
事前準備 デッキ選択まで
ダスクモーン:戦慄の館 発売後のスタンダード環境について
大会のフォーマットはスタンダードで、新セット 『ダスクモーン:戦慄の館』 発売後の環境となります。
発売から2週間程度経った後になりますので、マークするべきデッキをある程度把握出来ている状態での準備となります。
新セットは強力なカードが多く、最初に注目を浴びたのは残響の力線を使用した赤アグロデッキでしょう。
赤の優秀なアグロクリーチャーを残響の力線の恩恵を受けて強化しながら攻めるデッキになります。今のスタンダードでは相方の強化スペルは揃っており、新カードである裏の裏までは、強化先のクリーチャーを継続して供給してくれることもある噛み合ったスペルとなっており非常に相性の良い一枚となっています。
力線というカードの性質上、初手に依存する形となりますが、嵌った時の爆発力は凄まじく序盤2,3ターンで勝負が決まることもありました。
その他には、忌まわしき眼魔を採用したアゾリウスアグロ、永劫の無垢を採用した白単トークンコントロール、ホーントウッドの大主を採用した版図ランプなど新カードの恩恵を受けたデッキの活躍が目立ち始めてました。また、新土地サイクルである境界土地も様々デッキで採用されてました。
新カードの影響力は大きいですね。。。
色々デッキを試してみる
自分にしっくりするデッキを見つけるために時間がある限り色々デッキを試しました。試したデッキの一例を紹介します。
力線グルールアグロ
最大勢力であろう力線グルールアグロは勿論試しました。
力線を置けたときの強さは想定通り凄まじかったのでですが、中々安定しないなーというのが率直な感想でした。
力線が置けてもクリーチャーと強化スペルをバランスよく引けずにもじもじする場合も多かったです。
長期戦を戦うには自分では厳しいと考え候補から外れました。
ボロスオーラ
力線グルールアグロには強そうということでボロスオーラを試しました。
除去の薄い力線グルールに幽霊による庇護が強いだろうということで試したところ想定通りの強さを発揮してくれました。
力線グルール同様に嵌った時の爆発力は魅力で使用するか悩みましたが、試している最中に黒系の除去コントロールや、版図ランプの全体除去に苦戦し、思うように勝てなかったので諦めました。時間があればもっと構築を突き詰めたかったです。
今回使用したデッキ ディミーアミッドレンジ
色々試した結果、今回使用したデッキはディミーアミッドレンジです。
デッキリストは以下。
何故ディミーアミッドレンジ?
折角なら新セットであるダスクモーンのカードが活躍できるかつ、使っててしっくりくるデッキが無いかを探していました。
探している中であるカードを採用しているディミーアを見つけました。
あるカードとは永劫の好奇心です。
永劫の好奇心はダスクモーンで登場した死亡した際にエンチャントとして戦場に戻る永劫サイクルの青にあたるカードです。
アドバンテージ獲得能力に長けていながら、瞬速持ちのため隙が少なく着地できるのが強みです。構えたい場面も多いディミーアにもピッタリ。
実際に試したところ、想像以上に強力でカードをこれでもかというくらい供給してくれました。
この性能に惹かれ、このカードをうまく使えるデッキを使ってみようというのがディミーアミッドレンジを弄り始めたきっかけです。
自分の得意なミッドレンジデッキであるのと、多いであろうアグロデッキや版図ランプにも十分戦えるのもgoodでした。
ディミーアミッドレンジの調整点
自分なりに調整した点を書いていきます。
全体的に力線グルールを睨んだ調整をしています。
・遠眼鏡のセイレーンの不採用
従来のディミーアミッドレンジでよく採用されていたカードですが今回は不採用に。
個人的な好みも入りますが、ミッドレンジであるのにデッキが細くなるのが気になりました。力線グルールアグロが流行っている中では1t目に出せても全く壁にならないため嬉しくなく、中盤以降引いてもインパクトが薄く嬉しくないです。
カウンターと除去によるバックアップでクロックパーミするにも打点は小さく心もとない。デルバーくらい打点があればな・・(望み過ぎ)
不採用の分は他のカードを採用してデッキを太くすることを目指しました。
・3マナ域を太く
遠眼鏡のセイレーンは採用せず、それと相性のいい良いヨーグモスの法務官、ギックスも今回は不採用です。
代わり3マナ域に採用したカードは分派の説教者と、新カードである止められぬ斬鬼を採用しました。それぞれの特徴を改めて確認します。
分派の説教者
以前より黒系のデッキで採用されていたカード。打点はありませんがアドバンテージ獲得能力があり、接死持ちであることから簡単には打ち取れず自分より高マナ域のカードと交換もできる時があります。
毎ターンカードを引きながらダメージを与えられるならいううことないですね。
ライフが対戦相手と同じだと攻撃時の誘発が両方(1ドローとトークン生成)誘発するので時にはダメージランドを活用してライフを調整することも覚えてくとよいと思います。
止められぬ斬鬼
ダスクモーンからの新カード。
自身の能力も含めた非常に高い打点と除去耐性が魅力です。
攻撃が通ると残りライフの半分のライフを失わせる(切り上げ)という恐ろしい能力を持ち、ライフ20から3回攻撃を通すとゲームに勝利します。
誰が呼んだか除去耐性のある朽ちゆくレギサウルス
こちらも分派の説教者同様に接死を持ち名前負けしない性能を持っています。
ライフ20からの推移 1回:20→18→9 2回:9→7→3 3回:3→1→0
凄まじい打点だ・・
これらのカードを3マナ域のカードとして採用することでデッキを太くすることを試みました。中盤以降に出ても無視することはできません。
最大勢力であるだろう力線グルールアグロに対しても接死が頼もしく、相手からしたら被害無しに突破するのは容易ではありません。
その他の調整点
メインボード
スペルの選択は除去とカウンターをバランスよく採用したつもりです。
サイドボード後に相手によって配分を偏らせるイメージ。
冒頭触れたとおり、除去呪文を散らして採用しており、苦痛ある選定や見栄え損ないは力線グルール睨みの採用です。
力線グルールで採用されている死亡時に誘発する能力を無視して除去することができます。(見栄え損ないはパワーが0以下になった時のみ)
その他はお馴染みの呪文が並んでいますが、洪水の大口へが特徴的でしょうか。
青黒というカラーの性質上、エンチャントなどの置物に触り辛く、場に出た後でも干渉手段が欲しいということで採用しました。
パーマネントバウンスとしては、許可なき脱出も採用候補でしたが魚トークンを与えるデメリットがあるものの1マナという軽さを重視し洪水の大口へを今回採用しました。普通にクリーチャーバウンスしてもテンポが良いので活躍した場面は多かったです。
サイドボード
サイドボードは手札破壊、追加の除去、追加のカウンター、全体除去などを幅広く採用しています。
そこまで珍しいカードと無いかと思いますが、今回採用した除霊用掃除機は今後さらなる需要が見込まれそうです。
これから勢力を伸ばすであろうアゾリウスアグロに有効なカードとなります。
また、永劫サイクルが今後幅広く使用されるようなら、置物として戦場に戻ることを防げるため重宝されることがあるかもしれません。
リアニメイト系デッキはスタンダードで他にも存在するためどの色でも採用できるこのカードは今後ともサイドボードでお世話になりそうです。
使い倒した後に6マナ起動でアドバンテージを得れるのも見逃せません。
簡単にですがデッキリストの解説は以上となります。
余談ですが、ミッドレンジデッキが好きなため、ゴルガリミッドレンジやオルゾフミッドレンジなども試しました。
ディミーアミッドレンジに今回決めたのは、青永劫が強いのはもちろんですが、カウンター呪文を取れることでそれぞれのデッキで撃たれると困る太陽降下に抗えるのが一つポイントでした。
ランプ系デッキはいつでもミッドレンジデッキの天敵ですね・・
ランプ系デッキに対しカウンターやティシャーナの潮縛りで戦い易くしています。
また、白単トークンコントロールで採用されている着地したらアドバンテージほぼ確定の世話人の才能も着地前に打ち消せばいいじゃないという安直な発想でした。
それらが可能なため今回はディミーアミッドレンジを選択。
非青のミッドレンジで抗うのも嫌いでは無いんですけどね。。
大会レポート
ここから大会レポートになります。
メタゲームブレイクダウン
今回は参加者242人の大会となりました。
最大勢力は予想通りグルール。
他使用者数二桁のデッキは概ね想定通りでした。
ただ、今回自分も選択したディミーアミッドレンジが2番手なのは意外でした。
同じミッドレンジのゴルガリミッドレンジのほうが多いかなと思っていたからです。
とりあえずは最大勢力のグルールを睨んだ調整は成功と言えそうです。
対戦結果 スイスラウンド
スイスラウンドは9回戦で行われました。
対戦結果は以下。
R1 力線グルールアグロ 2-0
R2 ジャンドミッド 1-2 (フィーチャー卓)
R3 アブザンランプ 2-1
R4 力線グルールアグロ 2-1
R5 アゾリウスアグロ 2-1
R6 アゾリウスアグロ 2-1
R7 力線グルールアグロ 2-0
R8 白単トークン 2-1
R9 アゾリウスアグロ 2-1 (フィーチャー卓)
スイスラウンドは8-1で1位抜けッ
R8終了時点でR9をIDできれば抜けれると思ってましたが、standing見るとIDできず対戦することになりしょんぼり・・(早めに負けてたので止む無し)
何とか勝つことができてのスイスラウンド突破でした。
対戦結果 決勝ラウンド
今回もその日のうちに準決勝までやることに。
疲労困憊ながら準々決勝に臨む。
準々決勝 力線グルールアグロ 1-2
残念ながら1-2で敗北し1没 (´;ω;`)
スイスラウンド1位の強みを活かし駆け上がろうという所でしたが無念・・
g1で手札を勘違いするミスがあり落としたのが響き、g2は取るもののg3を落とすという結果となりました。。
また次回ー
おわりに
今回のジャパンスタンダードカップでは優勝こそ逃したものの、Top8入賞という成績を残すことができました。
新カードが飛び交う楽しいゲームを沢山することができました。
次回千葉で行われるチャンピオンズカップファイナルの権利を獲得できましたので頑張っていこうと思います!
今回使用したデッキには概ね満足しています。
ほぼ1人で調整してまいたが、twitchでの配信をしつつ、楽しみながらできたのがよかったですね。
今後も不定期ながら配信はしていくので遊びに来てもらえると喜びます。(大体深夜にやります。。)
https://www.twitch.tv/nano_mtg
デッキについてメインボードの止められぬ斬鬼の最適な枚数やサイドのギックスの命令の2枚目は不要だったりと調整の余地はまだまだあるのかなと思います。時間があればその辺を改良していきたいと思います。
デッキについて今回プレイ指針だったりそこまで深く触れてないので聞きたいことがあれば遠慮なく聞いてください!
今後のスタンダードについては世界選手権が控えています。
ここから環境理解がどこまで進んで、どのようなデッキが出てくるか楽しみですね。
優勝のゴルガリミッドレンジはもちろん、その他アゾリウスアグロの活躍が目立っていたので今後数が増えることが予想されます。
個人的に注目なのは黒単デーモンです。
パイオニアでも優勝しており、ダスクモーンの強力カードはそのまま使用できます。
他の細かいカードはもちろんパイオニアと違いますが、スタンダード用に最適化した黒単デーモンが拝めるかもしれません。
力線を使用したデッキが暴れるかも注目です。
それでは今回の大会レポートは以上となります!
最後におまけで主要デッキへのサイドボードinoutを参考程度に載せておきます。
次回のPCは2月で千葉となります。
そちらはチャンピオンズカップファイナルの方に参加予定ですのでまだ先ですが頑張っていこうと思います!(モダンかな?)
それではまた!
サイドボーディング例
メインボード
対 力線グルールアグロ
除去、手札破壊、赤系用クリーチャーをin
重いカウンターはout
潮縛りは溶鉱炉用
対アゾリウスアグロ
墓地対策、手札破壊をin
当たらない除去をout
後手は積極的に行き辛くメインで動きたく無いのでで3マナ生物を潮縛りに変えたり、三歩先にかえてもいいかも
僧院の導師入れてきたら全体除去採用も視野
対版図ランプ
カウンター、手札破壊、潮縛りをin
除去をout