世の中に必要なのはオラフだった
最初にアナ雪を見たとき作品の良さが何なのかわかりませんでした。
もちろん面白かったし何度も観たいと思って何度も観ました。でもどうしてあんなに人気があったのか、どこが優れているのか、なぜ流行ったのか。説明することができなかったんです。
アナとエルサ、クリストフのキャラクター、そして関係性。味方と見せかけて最後の方で正体を現わすハンス王子。もちろんこの話で重要だったのはこのあたりのキャラクターですし、エルサはキャラクターとして子どもたちに人気だったと聞きます。
でもたぶん世の中の大人に響いたのは、ちょっとおとぼけなオラフだったんじゃないかなと。
見た目は決してかわいいわけではないんですよね。少なくとも日本人には最初の感想は「???」だと思います。
でもオラフの魅力はそこじゃなかった。
いつの間にか傍にいて、周りを気にすることなくアナに対し良いと思ったことをやってくれる。そして人を傷つけず、ちょっとズレた口調と感想でその場を癒してくれる。
別に癒そうと思っているわけではないということがオラフの魅力で。
アナが凍えて震えているとき、暖炉に火をくべてアナに寄り添ったオラフはちょっと融けかかりますよね。オラフは雪ですから。でも「アナのためなら融けてもいいよ」と言ってくれる。
この時思いました。
世の中のすべての人にオラフは必要なんだって。一人にひとつ?一人?一体?オラフを付けてほしい。
いつでも寄り添って味方になって、君のためならと言ってくれる。別に犠牲になってほしいわけじゃなくて。心からそう言ってくれる『何か』が私たちには必要で。
それがいないから心が壊れているのかなと。
でも「オラフのような人間」が欲しいんじゃないんですよ。その人にもその人の重要な「人生」があって、何かを成し遂げるために生まれてきているわけなので、人のためのオラフにはなれないと思うんですよね。
だから「あのオラフ」が必要。そして『雪』であることが重要なんです。
というか、オラフはあの姿だから魅力なのかなとも思うし。かわいいと思えなかった姿も段々かわいく思えてくるから不思議(笑)
それにオラフの様な人間だったらちょっとイラつく人もいるかもしれない?ですよね。どうしても人間らしい思考や行動を求めてしまうから。
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本当は人間同士でそういう関係を作れればいいんですけどね。誰かのために、私のために、人のために、何かをする。
私自身『アナ雪』を観て誰かのオラフになりたいなぁと思うけれどもその覚悟がない自分に落ち込んで。そしてオラフが欲しいなぁと思ってしまう。