見出し画像

医師が医師の働き方を考える

背景

今日は日経新聞の記事から。
「コロナ解雇10万人超える」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA033FG0T00C21A4000000/

日本・世界どこの分野をとっても実体経済は縮小しています。
また先週から始まったまん延防止等重点措置(マンボウ)もあり、飲食業も観光業も厳しく、繁華街では軒並み静か空きビルも出てきている状況です。
おそらく想像ですが、日本独自の産業は衰退し、巨大な外資の企業が買収する時代がやってくるであろうと思われます。
そして、どんどん日本人が貧乏になって、BI(べーシックインカム)になる時代がくるし年金問題はBIによってなかったことになるのではないでしょうか??

急に話はかわり、医療業界においてもコロナで医者の働き方も変わってきていると思われます。

忘れもしない1年前、2020年4月
新型コロナが「何者で」「どんな能力」「感染経路」を持っているかわからなかった時少しずつ身近にコロナを感じ始めて、全世界が不安になっていた時大学病院でバリバリの10年目の循環器内科医の先生が僕の目の前で電話でバイト先から解雇を言われていたのだ。(違法!?)

大学病院の給料は時間外なしだと約300万程度
週1回のバイト(8万/日)で月32万×12=約400万
大学病院同世代(後期研修医)の医師の平均年収は700-1000万程度であり、バイト解雇に伴い、大学病院だけの給料になるわけである。

急に年収が50%減になればローンやら教育費やら生活費が辛い…
大体の医師が貯蓄しているわけでもないし、散財しているタイプが多い…

そんな状況下で去年1年間今後の働き方に対して熟考しました。
それまでの考え方の過程を記したいと思います。

基礎知識

①給料の固定
日本の医者は大病院・総合病院では保険診療内では各科に偏りは全くなくほぼ同じ給料で働かされる。インセンティブ制はない。
当直加算・時間外労働で年収が決まる。

②保険診療内では値段は一律
簡単にいうとメニュー表の値段を全国一律に決められている。
財源は社会保険料という名の税金。
つまり医者の給料も言うなれば税金の一部。
管轄は厚生労働省で、親分がどういうふうに動くかで、医者の年収が決まってくる。

③コロナによって患者数が減る(2023年現在は解決?)
症状がないために放置する患者が増え、より重症になる。
発熱対応ができる病院の縮小、発熱したら医療機関に受診できないという謎の問題が生まれる。患者としては病院にすら受診できない状況である。

④健康・医療について考察される
人によってはコロナを契機に健康・医療・社会構造について考える。
知識に貪欲な、富裕層に多い印象だが、規則正しく、健康的な生活を心がける。偽情報も多く自身で吟味しなければならない。

⑤貧困問題
コロナにより解雇され、その日暮らしの方もおられる。
実際薬価が高くて、あのお薬を辞めてくださいと言われることも多い。
実際データとして糖尿病発症率は貧困層の方が発症している。
(炭水化物摂取量が多いため)

⑥医療=インフラ
基本的に医師は高学歴と言われ、優秀優秀と言われて育てられることが多い。自身もそうでした。笑 が、今は全く思いません。笑
だから社会保障の一部ということを忘れている人が多い。なので個人的には保険診療内において優位性はない方がいい。
(もちろん当然やばい医師もいる。)

上記を踏まえ、
前回は医者の働き方についてマインドを述べましたが、
今回は具体的なアクションプランについて考えます。

まず、
基本的に僕が1番気をつけていること
自分の市場価値はどのくらいか
=人にできないことをどれだけ結果を出せれるか

ビジネスの分野で言われていることは、「掛け合わせ」
医師の分野に置き換えると専門家を2つ以上持つこと。
(一科を極めろよという意見は受け付けません。市場価値の話をしています。)

・内分泌代謝/糖尿病
・腎臓内科

この二つでも完璧に診察できたら優秀。
基本的に開業医で透析管理+生活習慣病ができるのは優位性が強いです。
あとは透析患者は循環器+脳神経内科の知識も入れたら完璧だと思う。

そして、マイナー科も複合したら優位性はかなり高くなる。
・内分泌/糖尿病+皮膚科
全然関係ない分野でも優位性は強い。

つまりはダブルライセンス
専門医の掛け合わせもありなのかな。
専門医取る取らない論争があるために、
専門医資格に拘らず、専門医相応の知識を持つといいかもしれない。

あとは保険診療と自由診療の組み合わせ
(混合医療に注意)
・ただの美容
・ただの内科
だけでは優位性がないが、両方知っている人はかなり強い。

つまりは
これからは隙間産業ハイブリット式が主流になるのではないのか?
例えば男性不妊(ホルモン療法・泌尿器両方から)
美容内科(一般的な生活習慣病と美容医療から)
整形外科(自費でのGH補充・PRP)
おそらく各領域に必ずエビデンスがある自由診療の治療法があるはずです。

個人的にはダブルライセンスは敷居が高く、
・保険診療+自由診療 が流行すると考えている。

自由診療の認識も考え直さなければならない。
よくいうのが
自由診療=美容外科は違う。

自由診療は保険診療外という定義
つまり
・美容医療
・最先端医療
(高額で保健適応できない、米国では承認されているが、日本では未承認)
・民間療法
・サプリ販売

EBMの精神から下二つ(民間療法・サプリ)は手を出してはいけない。
個人的には美容医療においてもエビデンスを作り出す努力をして欲しい。

また、エビデンスがないということにも注意が必要で
①本当にその治療は意味がない
②諸外国ではデータがあるが、日本ではデータがない
③そもそもその研究がされていないからデータがない
このような認識があり、
1番狙い目は②の海外でデータがあるが、日本ではデータがないものである。
エビデンス、エビデンスという人はぜひこれを発言する時に言って欲しい。
(どこまで分かってて、どこからが不明なのか)
各領域においてあるはずです。

働き方について
自由診療+保険診療の場合
当然働く場所が2個必要となってくる。
スポットバイトで働くもよし、非常勤週1-2勤務でもよし。
平日は保険診療、週末は自由診療がこれから一般的になるかと。
できれば週末定期的に休める病院を探しましょう。
公務員は基本的に副業NGであるが、一般的な病院であれば副業はできる。
就労規則か何かで副業NGが決まっていることが多いが、無視しましょう。
そして、辞めさせられたら不当解雇で訴えましょう。

上記を踏まえると
働き方分散として、
平日保険診療、休日自由診療
その間に自分の価値を高めて自分で開業・ビジネスを作るのが答え。

最後によく医者は替えが効かないと言われますが、
基本的にそんなことはないかと思います。
多忙から、思考停止、上司からの洗脳を受けている医者が多く
自分しかできない仕事だと考えている場合が多いです。

基本的に前述しましたがインフラの一部であることを忘れてはいけません。
厚生労働省が長です。
もちろん仁義もあるし、社会貢献も大切ですし、
感謝を相手に伝えることはもっと大切だと思います。

潰れないように、自分で自分を守る時代です。
ともにがんばりましょう!!!!

いいなと思ったら応援しよう!

なんにもな医
質問があれば気軽に聞いてください!