4. 新型コロナウイルスに感染した人が自宅で亡くなる理由とは
(前回の記事を書き直して投稿しています)
最近、コロナに感染して、自宅で亡くなる方が増えていますね。心配です。
コロナそのものは軽く済んでも、いろいろな後遺症が残る可能性が指摘されています。
今回は、コロナにかかった後に、心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まるかもしれない、という論文を紹介します(ランセット2021年7月29日公開)。
Risk of acute myocardial infarction and ischaemic stroke following COVID-19 in Sweden: a self-controlled case series and matched cohort study
スウェーデンで2020年2月1日から9月14日にコロナと診断された全員の86,742人と、性別・年齢・居住地をそろえた348,481人を比べました。
すると、です。
コロナと診断された当日も合わせると、その後2週間の発生率は、心筋梗塞が6.61倍、脳梗塞が6.74倍でした。
ただし。
コロナと診断された当日は、もともとコロナではなく、心筋梗塞や脳梗塞で病院にかかり、検査をしたらたまたまコロナも陽性だった可能性があります。
そこで、です。
コロナと診断された当日を除いて、その翌日から2週間の発生率をみると、心筋梗塞が3.41倍、脳梗塞が3.63倍でした。やはりリスクは高いという結果です。
研究グループによると、今回のデータはこれまでで最大規模とのことです。ある期間のスウェーデンの感染者の全員を調べたところが、すごいです。
自宅療養の途中で亡くなる方の一部は、肺炎の悪化ではなく、心筋梗塞や脳梗塞を起こした可能性をうかがわせるデータです。そちらの注意も大切といえそうです。
さいごまでご覧いただき、ありがとうございました!