31歳の呪われし女の絶唱。でも今日は寿司
呪われて20余年。
限界すぎる。
20歳のときに大学で受けた講義「保育教育学」にて、おばあさん講師の「卵子は確実に老化しますよ。あなたたちの卵子は刻一刻と老います。強いアスリートを産むためには10代で子づくりをするのはそういうことです」と、淡々とした口調で語られた呪いがジワジワと私を苦しめる。
母親の「20代で産めたあなたとはたくさん遊んであげられた。30代で産んだ妹とはあまり遊んであげられなかったねぇ」という、母からすれば何てことはない(だからこそ繰り返される)昔話もまた、夜中に一人でシャワーを浴びているときに私を呪うのだ。
31歳。
何もかも思い通りにならなかった。
「とりあえずのたれ死ぬことはないかな」と思える程度の経済力はあるし、食べたい物を作って食べられる生活力もある。
仕事で落ち込んだときに呼び出せる友達、挨拶ができる程度の飲み屋、気分転換になる男の人などはいる。つまり機嫌よく毎日を過ごせるためのほとんど全ては揃っている。ほとんどは。
でも31歳なんて当然子どもが2人いると信じて疑わず20数年生きてきた過去の自分と折り合いをつけることができないのだ。
もっと自分を苦しめる例えを錬成する
この思いを彼氏にわかってもらうために、上手い例えはないものかと考え自分を「浪人生」に例えた瞬間、しっくり感にめちゃくちゃ落ち込んだ。
「いつでも就職できるし」
「専門学校ならいつでも入れるし」
「就職した友達の愚痴を聞いてると大変そうだし」
「こんなに気楽に楽しく過ごせるのは今だけだし」
そう思いながら、どんどん自分が手遅れになっていくことを実感している。
なんでやねん。
勉強も習い事も一生懸命して親の言うこともよく聞いてとてもお利口さんだったのに、30年頑張って生きてきてなぜこうも苦しいのか。
私も男なら40歳まで結婚なんか考えたくない。
でも、今日は寿司を食べる。
1人で寿司を食べに行ける。
美味い寿司が私の幸せのレベルを瞬時に最高到達点まで持って行けるうちは、呪いとでも生きていこうか。