ワンダーディケイド(オリジナル脚本)
監督 ワンダーただゆき
脚本 にしだ
◆本編◆
○プロジェクターパート(無くてもいいかもなので有無はただゆきさんに任せます)
回想シーン、人物の台詞のみで、映像としては風景が流れる(勇者ライダーGODラストシーンの感じで、浜辺の波とかが流れているイメージです)
地球「この力は、今はどうしようもなくちっぽけな力だ、だけど、いつかこの力が幾つもの世界を救う為に必要になる時がくる、だからこれを君に託す、その時が来たら、また俺に返して欲しい、そうすればもう一度……世界を救う事ができるはずだから」
わんもん「わんわん」
フェードアウト
◻︎シーン1
▷ワンワンライブ会場
ただゆき、わんもんin
ただゆき「みんなー! 今日はワンワンライブに来てくれてありがとうわん! まずは自己紹介するわんよー! ぼくはワンダーただゆき! こっちのはわんもん!」
わんもん「わん」
ただゆき「僕たち! ワンダーブラザーズ!!」
はくしゅ〜〜〜〜
ただゆき「今回のワンワンライブは記念すべき十回目のライブなんだわん! だからみんなにはこれまでの十倍楽しんでいって欲しいんだわん! それじゃあ早速、一曲目わんよ〜〜!」
ゲイト「そこまでだ! ワンダーブラザーズ!」
ゲイトin
ゲイト「勇者ライダーゲイト、推参」
ただゆき「出てきたわんなーゲイト! いつもただゆき達の邪魔ばかり!」
ゲイト「ワンダーただゆき……今日こそお前の命を貰うぞ!」
ただゆき「その言葉、そっくりそのままお返しするわん! わんもん! 行くわん!」
わんもん「わんわん」
○ただゆき歌タイム
電人ザボーガー冒頭のような感じで、プロジェクターにスタッフクレジットが流れる
その間わんもんvsゲイト(大雑把な戦い、もしくはゆるいいつものアニメ表現でプロジェクター投影の中で戦う感じでもいいかもしれません)
歌終わり、ゲイト、わんもんにボコボコにやられる
ゲイト「ぐわああああ!」
ゲイト倒れる
ただゆき「いいぞわんもん! 流石はただゆきの相棒だわん!」
わんもん「わんわん」
ゲイト「くぅっ……何故だ……何故いつまで経ってもワンダーただゆきに勝てない!? 俺は最強の勇者ライダーのはずだぞ……!」
ただゆき「これに懲りたらいい加減諦めてライブの邪魔をするのをやめるんだわんな!」
ゲイト「ぐぬぬ……ぬおおおぉぉぉぉ!」(悔しがる)
ゴリラ男(声)「力が……欲しいか…………」
ゲイト「……? なんの声だ……?」
ゴリラ男(声)「ワンダーただゆきを殺したいのだろう、ならば……力を貸してやろう、フンッ!」
ただゆきとわんもんの動きが止まる
ただゆき「な! なんだわん!? 身体が全然動かないわん!」
わんもん「わんわん」
ゲイト「これは……!」
ゴリラ男(声)「私が動きを止めたのだ…………さぁ、ワンダーただゆきを始末しろ、勇者ライダーゲイト!」
ゲイト「ふ、ふふふ……ふふははは! まさかこんなところで勝機を獲るとはな、誰だかわからんが有り難く利用させてもらうぞ、終わりだ! ワンダーただゆきぃ!」
ただゆき「ま、まずいわん……!」
ゲイト「(必殺技)!」
ふみふみ(声)「危ない!」
ふみふみin、間一髪でただゆきを助ける
ただゆき「助かったわん! 君は……?」
ふみふみ「話は後だ! とにかく、今は俺と一緒に来てくれ! ……世界が滅びる未来を変えられるのは君だけなんだ!」
ただゆき「わ、わかったわん!」
ただゆき、わんもん、ふみふみハケ
ゲイト「邪魔が入ったか! クッ……」
ゴリラ男(声)「……まぁいい、奴の始末などいつでもできる」
ゲイト「それよりお前、一体何者だ、どうして俺に力を貸した?」
ゴリラ男(声)「疑問か……? ふふふ……ならば我が元に来たまえ、私は全てを知っている……」
ゲイト「全てを?」
ゴリラ男(声)「そうだ、この宇宙の始まりも、そして貴様の“設定”の事もな……」
ゲイト「なん……だと!?」
プロジェクター投影:ゴリラ男の霊体が浮かび上がる
ゴリラ男「私はゴリラ男! 大ダークマフィアーの王にして、やがて全ての世界を統治する男!」
プロジェクター投影:ゴリラの背後にダークマフィアー戦闘員沢山登場(ペイントの絵みたいのでも大丈夫です)
戦闘員達「「「「イィーーーーッ!」」」」
ゲイト「大ダークマフィアー……だと! ダークマフィアーがまだ存在していたとは……」
ゴリラ男「さあ……どうする、勇者ライダーゲイト、私に従えばこの世界の半分を貴様にやろう……ふはははは!」
フェードアウト
◻︎シーン2
▷レジスタンスアジト
ただゆき、わんもん、ふみふみin
ただゆき「はあ……なんとか逃げ切れたわん、けど……ここは一体……それに、さっきのはなんだったんだわん?」
ふみふみ「ここはレジスタンスのアジトだ、大ダークマフィアーに対抗するための……」
ただゆき「大ダークマフィアー!? ……って、なんなんだわん?」
ふみふみ「やはりこのただゆきも違ったか……」
ただゆき「え、どういう事だわん」
いーんin
いーん「大ダークマフィアー、奴らは異世界を渡航する力を持ち、全ての世界の支配を狙う悪の組織だ、かつて俺たち勇者ライダーが葬ったと思っていたんだが、まさか復活しやがったとはな」
ふみふみ「……九つの世界に九人のただゆきがいた、ただゆき同士がそれぞれが反発し合う事で、九つの世界は均衡を保ち、別々の世界として成り立っていたんだ、でも、大ダークマフィアーはそれぞれの世界のただゆきを殺し、全ての世界の衝突を企んでいる!」
(※この辺り可能ならプロジェクター投影でイメージ映像お願いします、ディケイド1話の渡みたいな九つの世界のやつ)
ただゆき「つまり敵の狙いはただゆきって事わんね!」
いーん「その通りだ、既にいくつかの世界のただゆきが死に、恐らくその影響で俺たち勇者ライダーの力も無くなってしまった」
ふみふみ「それぞれの世界は相互に作用している、どこかの世界が奴らの手に落ちれば別の世界と衝突、融合が進み、別の世界に影響を及ぼすんだ」
いーん「だが、俺たちレジスタンスが奴らに対抗する手立てを握るのもただゆきって所でな」
ふみふみ「そう! 俺たちは今、俺たちを勇者ライダーにしてくれたただゆき……田中地球(あーす)を探しているんだ、彼の力があれば、大ダークマフィアーに対抗できる……それは残念ながら君じゃなかったようだけど」
ただゆき「そういう事だったのかわんわ、それはなんかすまんわん」
いーん「別に謝る事はねえよ、安心しな。 ただゆきを失えば世界の壁が消えてしまう、お前の事も俺たちが守るからよ」
ただゆき「ありがとうわん! ええと……」
いーん「おっと、そういえば自己紹介がまだだったか、俺はいーん、かつては勇者ライダー忍として戦っていた」
ふみふみ「俺はふみふみ! 勇者ライダークロスだ」
ただゆき「ワンダーただゆきだわん、そしてこいつはわんもん!」
わんもん「わんわん」
ただゆき「これからよろしくわん、ふみふみ、いーん!」
いーん「おう!」
ふみふみ「ああ!」
アナザーナイスマン「こんなところに隠れていたか、ただゆきと勇者ライダー共……!」
アナザーナイスマンin
ただゆき「何者わん!?」
アナザーナイスマン「俺はアナザーナイスマン! 大ダークマフィアーに生まれし暗黒の使い……」
いーん「アナザーナイスマンだと!?」
ふみふみ「そうか……! 以前現れたアナザースカイアンも!」
アナザーナイスマン「そう、アナザー達は大ダークマフィアーのテクノロジーによって生み出したのだ、ローカルヒーローの存在を新しい世界に向けて塗り替える為にな」
ゲイトin
ゲイト「九つの世界を衝突させ破壊し、新しい世界を始める……それがあのお方の考えってわけ、どうだ、シビれるだろう!」
ただゆき「ゲイト……! お前!」
いーん「勇者ライダーのくせにダークマフィアーに寝返ったのか……勇者失格だな!」
ゲイト「なんとでも言え! そもそも勇者なんか初めからなるつもりなかったんだよ!」
ふみふみ「……ただゆき、君は先に行ってくれ、ここは俺たちに任せて!」
ただゆき「でも二人とも……! 大丈夫なのかわん!?」
いーん「こいつの根性、叩き直さねえと気が済まねえ!」
ふみふみ「行くんだ! ワンダーただゆき! 別の世界に僕らの仲間がいる、彼と合流するんだ!」
ただゆき「わ……わかったわん!」
ただゆき、わんもんハケ
いーん「さあ、かかってきな……!」
いーん、ふみふみvsアナザーナイスマン、ゲイト(5手ほどの軽い殺陣)
決着はつかず、お互いにハケる
フェードアウト
◻︎シーン3
▷レジスタンス本拠地
藤原in
○藤原歌タイム(一曲)
歌終わりとともにただゆき、わんもんin
ただゆき「酷い目に遭ったわん……ここがふみふみの言っていた仲間のいるところわんか?」
藤原「君は! 違う世界のただゆき……という事は、君が田中地球か!」
ただゆき「違うわん、僕はスーパーアイドルワンダーただゆき! こっちはわんもんだわん」
わんもん「わん」
藤原「ワンダーただゆき、そうか……僕は藤原、レジスタンスの一員だ。 ……じゃあ田中地球はまだ見つかっていないんだね」
ただゆき「ふみふみも言ってたわんね、その……田中地球ってただゆきは、どんなただゆきなんだわん?」
藤原「僕も直接彼を知っているわけじゃない、でも、いーんやふみふみから話は聞いているよ」
プロジェクター投影:勇者ライダーGODの回想
藤原「かつて、たった一人でダークマフィアーと戦った……きっと、彼らにとっては本物の勇者みたいな人だったんだろうね、誰かに笑われようと、馬鹿にされようと、真直ぐで…………二人はそんな彼に憧れて同じ勇者ライダーを志したんだ」
ただゆき「同じただゆきだったら、ただゆきもその田中さんみたいに強くなれないわんかな」
藤原「それは難しいんじゃないかな、それぞれの世界のただゆきはそれぞれ違うただゆきだ……でも、それぞれの世界のただゆきには、それぞれのただゆきにしかできない事があった、役割があるって事さ」
ただゆき「役割……そうかもしれないわんね、ただゆきにしかできない役割……か」
わんもん「わん」
ただゆき「わんもん? ……そうわんな、ただゆきにできる事って、きっとこういう事だわん! 藤原さん、一緒に歌うわん!」
○ただゆき、藤原歌タイム(一曲)
歌終わり
宇田川(声)「歌なんかやめちまえ!」
宇田川in
藤原「宇田川……」
ただゆき「君は……」
宇田川「こんな時に歌なんてやめてくれよ! そんな気分じゃねえ」
ただゆき「ただゆきはただ、みんなを元気付けたかっただけだわん!」
宇田川「うるせえんだよ! 守られるだけの雑魚が空気読んだフリなんてしやがって!」
藤原、ただゆきと宇田川の間に入る
藤原「すまない宇田川! ……配慮が足りなかったよ」
宇田川「……チッ、ただゆきだか粉雪だか知らねえが、そんな奴守ったって世界なんか救えやしねえってのに」
宇田川ハケ
藤原「……悪いね、せっかくみんなを元気付けようとしてくれているのに、アイツも、宇田川も悪い奴じゃないんだ。 けれど、皆故郷を失くして不安なのさ、理解してやって欲しい」
ただゆき「わんわ……」
フェードアウト
◻︎シーン4
▷大ダークマフィアー本拠地
いーん、ふみふみ、ゲイト、アナザーナイスマンin、いーんとふみふみ捕らえられている
アナザーナイスマン「ゴリラ男様、レジスタンスのいーんとふみふみを捕らえました」
ふみふみ「な、ゴリラ男だと!?」
プロジェクター投影:ゴリラ男の霊体
ゴリラ男「よくやった、アナザーナイスマン、勇者ライダーゲイトよ……」
いーん「まさかまだ生きてやがったとはなゴリラ野郎! 大ダークマフィアーなんてふざけた名前で復活したのもテメェが裏で手を引いてたってわけか!」
ゴリラ男「その通りだ、だがそれがわかったところでどうにもならない、忌々しい勇者ライダー共は皆、我が大ダークマフィアー栄光の礎となるのだ!」
ふみふみ「今にみてろ! レジスタンスとただゆきが必ずお前らをブッ潰す!」
ゴリラ男「これを見てもそんな口が叩けるかな」
プロジェクター投影:各世界に介入したダークマフィアー戦闘員がただゆきを殺害している画像がいくつか流れる
ふみふみ「別の世界のただゆき達が……!」
ゴリラ男「全てのただゆきを葬るのは時間の問題だ、我ら大ダークマフィアー勝利の時は近い……! 新たな仲間を紹介しよう」
ブラスタージョーin
ブラスタージョー「(名乗り)」
ゴリラ男「アナザーナイスマンよ、ブラスタージョーと共に残ったただゆきとレジスタンスを根絶やしにしろ」
アナザーナイスマン「御意!」
アナザーナイスマン、ブラスタージョーハケ
フェードアウト
○プロジェクターパート
大ダークマフィアーの艦隊が各世界を蹂躙し始める(ワンダーネーター冒頭のようなアニメが可能なら入れて欲しいです)
ゴリラ男(声)「ダークマフィアーがここまで、ここまで大きな組織になった、初めは公園を乗っ取るだけで精一杯だったが……今では世界をも手中に収めている……! だが、まだだ、まだ足りないのだ、我が願いの成就の為には、まだまだ……まだまだなのだ! ……行け! 我に仕えし大ダークマフィアーの戦士達よ! 世界を、全てを! 破壊するのだ!! グハハハハハハ!」
プロジェクターパート終わり
◻︎シーン5
▷レジスタンス本拠地
藤原、宇田川in
宇田川「大ダークマフィアーによる侵攻が本格的に始まったか……! くっ……どうすれば!」
プロジェクター投影:本拠地内にダークマフィアーの戦闘員達が侵入してくる
戦闘員達「「「「イィーーーーッ」」」」
宇田川「まずい! ここも奴らに知られたか!」
藤原「基地の防衛システムを作動! 奴らを足止めするんだ!」
防衛システム作動、プロジェクター映像内にロボット兵団(ワンダーネーターの時のような)が登場、ダークマフィアー戦闘員を足止めする
藤原「この隙に脱出しよう!」
藤原、宇田川逃げようとするが、それを阻むようにアナザーナイスマン、ブラスタージョーin
アナザーナイスマン「残念だったな、お前らはここで終わりだ!」
藤原「くっ! 戦闘員達は囮か!」
アナザーナイスマン「そういう事だ、お前らに逆転の道はない、諦めて……死ね」
宇田川「もう……だめなのか……! 俺たちはここで終わりなのかよ……!!」
藤原「まだ諦めるような時じゃないさ! 希望はまだある!」
アナザーナイスマン「希望なんてもの信じてるのか、この期に及んでめでたいやつ!!」
アナザーナイスマン、宇田川達に殴りかかる、そこへただゆきin、宇田川達を庇う
ただゆき「うああっ!」
藤原「ただゆき!!」
宇田川「な、どうして……!」
ただゆき「……守られているだけじゃ格好がつかないわん、ワンダーただゆきはスーパーアイドルなんだわん、みんなの夢や希望を守るのはアイドルの務め! ……お前ら! こいつらを襲う前に、ただゆきを襲えわん!!」
藤原「ま、待つんだ! ……残念だけど君の力じゃ彼には勝てない!」
ただゆき「そんなのやってみなくちゃわからないわん! とにかく今はやるしかないんだわん! 戦うしかないのなら……ただゆきは覚悟を決めるわん!!」
○ただゆき歌タイム
歌終わり
ただゆき「(必殺技)」
ただゆきの必殺技がアナザーナイスマンに命中……しかし!
アナザーナイスマン「ふっ、そんなものか、そんな力で我々に立て付くなど……片腹痛いぞ!」
アナザーナイスマン、ただゆきを吹き飛ばす
ただゆき「うあああーーーーっ!!」
ただゆき、倒れる(気絶)
藤原「ああ! 言わんこっちゃない!」
宇田川「やっぱり……力のないやつには世界を救えやしないんだ……!」
アナザーナイスマン「お前らがいくら力を尽くそうと、世界の衝突は防げない! 旧世界の遺物よ、ここで消え去るがいい!! くらえ! アナザーどんどこどーーーーん!!」
アナザーナイスマン、アナザーどんどこどんをただゆき達に放つ、大爆発!
だが、それをブラスタージョーが防ぐ
アナザーナイスマン「な、ブラスタージョー! どういうつもりだ!」
ブラスタージョー「悪いが弱いものをいたぶるのは俺の趣味じゃない、この辺りで抜けさせて貰うぜ」
ブラスタージョー、アナザーナイスマンに反撃
藤原「ありがとう! でも、どうして……」
ブラスタージョー「俺の目的は初めから強いやつと戦う事だけだ、別世界の強いやつと戦えると思っていたが、お前達のやる事は弱者を虐げるだけでつまらない」
アナザーナイスマン「それが強者の特権というものだ! お前には我が大ダークマフィアーの崇高な思想が理解できなかったのだな」
ブラスタージョー「フッ、そんなものこちらから願い下げだ」
アナザーナイスマン「九つの世界を手中に収めたとて、その世界の住人が皆我々に従ってくれるわけではない、か……ならば来い! ブラスタージョー!!」
ブラスタージョー、アナザーナイスマン、戦う感じでハケ
藤原「ただゆき! ただゆき、しっかりしろ! ワンダーただゆき!!」
宇田川「藤原、今のを見ただろ! ……俺たちに必要なのはこんな男じゃない、戦う為の力なんだよ! 弱い奴がいくら集まったってどうしようもないんだ」
藤原「本当にそう思うのか、宇田川」
宇田川「ああ、そうに決まってるだろ!」
藤原「あの時! ……ただゆきがお前を庇わなければ、お前は本来あの時あそこで死んでいたはずなんだ」
宇田川「……!!」
藤原「たとえ弱くても、誰かを助けたり、支え合う事で、希望は繋がれていく、ただゆきは俺たちを守って、希望を繋いだんだよ」
宇田川「希望を繋いだ……?」
藤原「力ってのは、何かを壊したり、変えたりするような、それだけの物だと思うかい? それは違う、誰かの心を温める、それだけでも十分素晴らしい力なんだ。 ……俺たちにはただゆきが繋いだ希望がある、だから諦めるな! 世界を……救うんだよ」
藤原、ただゆきを抱えてハケ
宇田川「……こんなところで立ち止まってる場合かよ……俺は……!」
宇田川、追うようにしてハケ
◻︎シーン6
▷大ダークマフィアー本拠地
ふみふみ、いーん、ゲイトin、ふみふみといーんは縛られている
ゲイト「……さて、そろそろ教えてくれたっていいんじゃねえのか、俺の設定の事を」
ふみふみ「設定……?」
プロジェクター投影:ゴリラ男の霊体
ゴリラ男「そういえばそんな話だったな……」
ゲイト「俺にある設定は未来から来たって事と、名前、勇者ライダーって肩書き、あとはワンダーただゆきに勝ちたいという目的だけだ……それだけしか俺の中にはない、ならば俺は、俺は一体何者なんだ……?」
ゴリラ男「フフフフ……フハハハハハハ!! お前は……何者でもない。 空のような存在……お前に求められていたのはただ、未知であるという事実だけだった、それだけでこの世界に入門する価値があった、ただそれだけの事だ」
ゲイト「あぁ……? どういう事だ」
ゴリラ男「お前は空っぽの存在、つまり器だ、今ある世界を破壊し新しい世界を作るための、我が新たな肉体のな!」
ゲイト「何……!?」
ゴリラ男「お前を作ったのはこの私だ! 初めからお前には何も与えてなどいなかった、必要がなかったからだ、お前を勇者ライダーに仕立て上げたのは勇者ライダーの力をお前に集中させる為……他の勇者ライダーが変身できなくなったのは世界の衝突が原因ではない、お前が彼らの勇者ライダーの力を奪ったのだ! 自分では気付かぬうちにな……」
いーん「なるほどな、そういう事だったのか、通りで俺たちが変身できなくなるわけだ」
ゲイト「そんな! だとすれば俺のこれまでは……何のためにあったんだ!!」
ゴリラ男「何のためでもない…………。 さあ、儀式を始めよう……ゲイト、即ち門、新たな世界の門を開くのは私……全ての勇者ライダーの力とお前の肉体をもって私は復活する! 最強の戦士、アナザーGODとしてな!!」
ゴリラ男から眩い光が放たれる
いーん、ふみふみ、ゲイト「うあああぁぁぁぁーーーーっ!!!!」
いーん、ふみふみ、ゲイトハケ
ゴリラ男「ウオオオオォォォォーーーーッ!!!! ゴッドォォォォ……チェンジィィイイ!!!!」
ゴリラ男、いーん、ふみふみ、ゲイトと融合し、アナザーGODに変身
フェードアウト
○プロジェクターパート
巨大なアナザーGODとして復活を遂げたゴリラ男、街を破壊し始める
アナザーGOD「ハハハハハハ!! 私は今、自分の目で惨状を見ている! 私は今、自分の手で街を破壊している! 私は今、自分の力で世界を変えている!! フハハハハハハハハ!!」
破壊を繰り広げるアナザーGOD
▷地獄
目を覚ますただゆき
ただゆき「ここは……天国わんか? ただゆきは死んじゃったわん……?」
ゲイキング(声)「おう、お前は死んだ、だが残念だったな! お前は天国に行けなかったんだ! ここは地獄だよバカヤロ〜〜!」
ゲイキング登場
ただゆき「地獄!? お前は……って、ただゆきと同じ顔……? という事はあんた、ただゆき!」
ゲイキング「他人の空似だ! ……と言いたいところだが、そうだ、俺もただゆきの一人だ」
ただゆき「まさか地獄の世界にもただゆきがいるわんとはね〜〜!」
ゲイキング「当たり前だ! ただゆきが天国になんか行けてたまるか!」
ただゆき「……でも、死んじゃったら何もできないわんね、ただゆきは結局、何もできなかったわん……何もできずに、世界も、みんなも、何もかも……終わっちゃうんだわんね」
ゲイキング「何言ってやがる! 何もできなかっただと? そんな事、他のただゆきが聞いたら笑うぜ! お前にはお前にしかできなかった何かがあんだよ!」
ただゆき「何か……って、何だわん」
ゲイキング「何かって、そりゃあ、あのあれだよ、なんかそれっぽいなんかだよ!」
ただゆき「なんだよそれ……」
ゲイキング「とにかく! お前もただゆきの端くれだろうが、だったらまだ諦める時じゃねえ、いいから見てな、残された奴らがここからどうするかをな」
フェードアウト
◻︎シーン7
▷アナザーGODが街を破壊している
藤原、宇田川、ただゆき(気絶)in
宇田川「なんだありゃあ!!」
藤原「あの姿……まさか、アナザーGOD!? 大ダークマフィアーの真の狙いはGODの力だったのか!」
アナザーナイスマンin
アナザーナイスマン「その通りだ! 破壊だけならば容易い、だが新しく作り出すには創造の力、神の力が無くてはな……! 美しい、素晴らしい! ゴリラ男様の復活だ!!」
ブラスタージョーin
ブラスタージョー「最後に見たいものが見れてよかったな、これで決める!」
ブラスタージョー、必殺技をアナザーナイスマンに放つ
アナザーナイスマン「ナイスバイバイィィーーーー!!!!」
アナザーナイスマン爆死ハケ
ブラスタージョー「こっちは片付いたが、問題はあのデカブツだな、ゴリラ男のやつ、勇者ライダーの力を取り込んだってわけか!」
宇田川「なんだと……! あんなでかい奴相手に……どうすればいいんだよ!!」
わんもん(声)「わんわん」
わんもんin
藤原「わんもん! 無事だったのか! 今までどこに行ってたんだい!」
わんもん「わん」
わんもん、ただゆき(気絶中)に寄り添う
宇田川「わんもん、すまねえ……君のご主人様、なかなか目覚めねえんだ、俺達を守ってくれたばかりに……」
わんもん「ええ、わかっていますわん、ご心配なく、わん」
しばらく沈黙が流れる
藤原、宇田川「「わんもんが喋ったァ!?」」
わんもん「……わんもんはずっとわんもんとして、幾つもの世界のただゆきを見ていたわん、けれど知っての通り、ただゆき達は皆、大ダークマフィアーにやられたわん…………でも、希望はまだ残っているわん」
わんもん、ディケ○ドライバーを取り出す
宇田川「これは! ディ○イドライバー!!」
わんもん「勇者ライダーGODの旧型のドライバーですわん! わんもんが行動を共にしていたワンダーただゆき、彼こそが貴方方の探していた田中地球本人だったのですわん、やがてダークマフィアーが復活し、自分や、別世界の自分に至るまでが狙われる事に気付いた彼はこのドライバーに田中地球としての自分の力や記憶を封じたのですわん、ダークマフィアーに対抗できるのは勇者ライダーの力ですわんから!」
藤原「だが、これがあっても肝心のただゆきが目覚めないと……」
わんもん「それぞれの世界のただゆきにはそれぞれの世界のただゆきの役割があった、藤原さんはそう仰っていましたわんよね、それはただゆきだけじゃなく、この世界に生きる全ての人々がそうなんだわん」
藤原「僕たちは……僕たちが果たすべき役割を果たす……と」
宇田川「…………このドライバーがあって、まだ俺たちがここにいる、なら……ただゆきがいない世界で……俺たちがただゆきになればいい!」
藤原「宇田川……」
宇田川「もう、やるしかねえだろ、あいつに繋がれた希望を返す時だ」
藤原「……ああ、そうだな!」
宇田川、藤原、ただゆきのお面を被る
宇田川「俺が……いや!」
宇田川、藤原、わんもん「「「俺たちがただゆきだ!!!!」」」
○宇田川、藤原歌タイム
〜歌中(もしくは歌後半)〜
わんもん「全ての世界の人々よ!! 今、世界はただゆきを失って衝突を始めた! このままでは全ての世界が崩壊してしまう!!」
藤原「けれど、まだ諦める時じゃない! ただゆきがいないなら、一人一人がただゆきとして世界の役割を果たすんだ! そうすれば個々の世界は失われない!」
宇田川「思い出せお前ら! お前らの世界は誰か一人だけの為に成り立ってるのか? ちげえよなあ!! だったら叫びやがれ! 俺たちだってこの世界の一部であるって事をなああぁぁ!!」
藤原、宇田川、わんもん「「「うおおおおおおぉぉぉぉーーーーっ!!!!」」」」
プロジェクター投影:三人の呼びかけに呼応するように、各世界の人々(がんばれーナイスマンの時のような絵の感じで大丈夫です)が目覚め、ただゆきの顔になっていく
各世界の人々「「「「うおおおおおおぁぁぁぁーーーー!!!!」」」」
そして、やがて衝突していた世界が輝きを放つ
全世界の人々「「「「ワンダーシンドローーーーム!!!!!!」」」」
世界が元の九つの形へと戻る
歌終わり
フェードアウト(ハケなし)
○プロジェクターパート
▷地獄
ゲイキング「……お前というピースを失っても、世界はやがてそれを補って立ち上がる、人と人とが支え合って生きるようにな、これが人間の可能性ってやつだ」
ただゆき「人間の可能性……わんか」
ゲイキング「あいつらが諦めなかったんだ、だったらお前が示すべきものは……もうわかるな?」
ただゆき「わんわ……!」
ゲイキング「お前はまだ、ここに来るには早すぎるんだよ、さあ、行けるところまで行け……! 月は、いつもそこにあるぞ!」
ただゆき「それ、どっかで聞いたことあるわん!」
ホワイトアウト
プロジェクターパート終わり
フェードイン
藤原、宇田川、わんもん、ヘトヘトになっている
アナザーGOD「まさか世界の衝突を防ぐとは! おのれぇぇぇぇ……!! だが、神の力はまだ私の中に残っている!!」
アナザーGOD、猛攻撃(ビームとか)、ブラスタージョー、わんもん達を庇う
アナザーGOD「神の力の前には貴様らなど虫ケラ同然! 私が新世界の神となるのだ!! グハハハハ!!」
ただゆき「まだわかっていないみたいわんな……!」
ただゆき、ゆっくりと立ち上がる
ただゆき「新しい世界を作る事に意味なんてないんだわん、世界からただゆきを消し去ろうと、それぞれの世界に生きる人々の意志までは消せなかったように! ただゆきがいなくても、世界は滅びたりしない……みんなただゆきじゃないからこそ、みんな違って、みんなただゆきなんだわん!!」
アナザーGOD「どういう意味だ!?」
わんもん「わんわん」
わんもん、ただゆきにディケイ○ライバーを渡す
ただゆき「わんもん、預かってくれててありがとうわん。 ……みんな、見守っていてくれ……これが俺の……最後の…………ゴッド・チェンジ!!!!」
○音楽(希望曲:プライド)が流れる中、ただゆき、変身(その場で着替えるやつ)
ただゆき、コンプリートフォームに変身
ただゆき「見せてやる!! 本当の勇者の力を!!!!」
アナザーGOD「変身したくらいでこの私に勝てると思うな! くらえーーーーっ!!」
アナザーGOD、ビームを放つ、ただゆき、それを跳ね返す
アナザーGOD「ぬおおっ!! くっ……流石は全てのただゆきの始まりの力……と言ったところか、だが! ダークマフィアーの十年に渡り募った怨念の力を受け止め切れるかぁぁぁ!!」
アナザーGOD、さらに巨大なビームを放つ、ただゆき、それを防ぐ
ただゆき「ぐっ! ぐううっ!!」
アナザーGOD「いつまで防いでいられるかな小僧ォ!!」
アナザーGOD、さらにビームを強める
アナザーGOD「フハハハハハハハハ! は、ぐ、ぐうっ!! ぐあああ!?」
苦しみ出すアナザーGOD、思わずビームを止める
アナザーGODの中でいーん、ふみふみ、ゲイトが暴れている
いーん、ふみふみ、ゲイト「「「うおおおおおぉぉぉぉ!!!!」」」
アナザーGOD「よ、よせ! 貴様ら! 大人しくしていればいいものを!! ぐ、ぐううっ!!」
いーん「みんな違って、みんなただゆき、その言葉、俺たちにも届いたぜ、地球さん!」
ふみふみ「たとえ変身できなくても!! 俺たちは勇者ライダーだ!!」
いーん、ふみふみの顔がただゆきになる
ゲイト「俺はただの器でしかない空っぽの存在だった! それが嫌だったから俺はお前と戦い続けていた! ……でも、お前と戦い、共に過ごす中で、俺は俺になれた、お前が俺を勇者にしてくれた、今、その事に気付けたぜ……!」
ゲイトの顔もただゆきになる
ただゆき「いーん! ふみふみ! ゲイト!」
ゲイト「今だ!! 俺たちごとブチ抜けぇぇぇぇ!!!!」
ただゆき「みんな……いくぞ!!!! これで決める!!!!」
みんな「ワンダーブレイブシンドロォォォォーーーーム!!!!」
全員でポーズを決め、ハケ
プロジェクター投影:いつものような形でただゆき達がアナザーGODに激突する
アナザーGOD「ぬおおおおぉぉぉぉーーーーっ!! ば、馬鹿な! 我が野望はまたしても打ち砕かれるというのか!!」
別の世界のただゆき達も世界から飛び出し、アナザーGODに激突していく
アナザーGOD「ぬぐああああああ!!!!」
ただゆき「わかるだろうゴリラ男! 世界は作り直さなくても変わっていく……人々が過去を乗り越えて変わろうとする意志を無くさない限り……! それはみんな同じ……ただゆきだって、そうなんだ……!!」
アナザーGODがゴリラ男に戻る
ゴリラ男「成る……程……! みんな違って、みんなただゆき……みんなも、私も…………ただゆき……か…………」
ゴリラ男の顔もただゆきになる
ゴリラ男「大ダークマフィアー……万歳ィィィィ!!!!」
(この辺り、映像的には勇者ライダーGODのゴリラ男倒すところ流用してもいい感じかと思います)
大爆発、爆発の中にただゆきの顔が浮かび上がる
フェードアウト
◻︎シーン8
▷廃墟と化した街
ただゆき、わんもんin
ただゆき「……みんな、どこに行っちゃったんだわん……もしかして、あの爆発で!?」
ブラスタージョー(声)「勝手に殺して貰っちゃ困る」
いーん、ふみふみ、藤原、宇田川、ブラスタージョーin
ただゆき「みんな! 無事だったわんか! よかったわん!!」
いーん「当たり前だ、俺達は勇者だ、死ぬわけねえだろ」
ふみふみ「けど、勇者ライダーの力は戻ってこなかったな」
ただゆき「ただゆきも、ワンダーただゆきに戻ってるわん!」
わんもん「わんわん」
藤原「わんもんは人語を話さなくなってるし……」
宇田川「一体なんだったんだ……」
ブラスタージョー、辺りを見回す
ブラスタージョー「残ったのは……壊れた世界だけ……か、結局、何もかも無くなってしまった」
ただゆき「そんな事ないわん! 無くなってなんかない、だから、ただゆき達には最後に出来る事があるわん! みんな、信じるんだわん! 奇跡を起こす……魔法の歌を!!」
○ただゆき歌タイム
みんなでにぎやかに歌う
歌終わり
プロジェクター投影:崩壊した世界が再生していく
藤原「世界が! どんどん元に戻っていく!」
ふみふみ「これで本当に世界は救われたんだ……!!」
ブラスタージョー「世界が元に戻るって事は、俺たちは俺たちが元いた世界に帰るって事だな」
ただゆき「……そっか……みんなとはここでお別れわんね」
(別れのシーンなのですが、プロジェクター的に何か特殊効果があると嬉しいです、厳しければ無くても大丈夫かと)
藤原「なあに、暗くなる必要なんかないさ、それぞれがそれぞれの役割に戻るだけだ、君がそうしたようにね」
藤原ハケ
ブラスタージョー「戻ったらまた強い奴を探すとするか、もう会う事もないだろう、じゃあな」
ブラスタージョーハケ
宇田川「俺は俺の世界で成すべき事をするさ、お前がそうやって希望を繋いだように」
宇田川ハケ
いーん「勇気ある者、それが勇者だ、俺達は忘れねえ」
ふみふみ「それを憶えている限り、勇者ライダーは不滅だ」
いーん「じゃあな、勇者バイバイ!」
いーん、ふみふみハケ
皆、元の世界へと戻り、少ししんとする
ただゆき「…………大丈夫わん! みんなが居るから、ただゆきも居る、それがみんな違ってみんなただゆきって事だわん! さて! ワンワンライブを再開するわん! わんわんわーーーー!」
わんもん「わんわん」
光に包まれる
プロジェクター投影(可能なら):勇者ライダーGODのエンディング曲(vineまとめの時の曲)とともに、これまでのライブのダイジェスト映像が流れる
-終-
……という事で、なんとなく思い立ってワンダーディケイドのオリジナル脚本を公開してみました。
ワンダーディケイドは、かつて神戸三ノ宮KCスタジオで月一開催していた月刊ワンワンライブなるイベントの十回目記念公演用に書いたものです。
十回という事で、仮面ライダーディケイドのパロディーですね。
毎回最初にやっている恒例の茶番劇なので、ト書きもざっくりとしていて楽でいいのです。ワンワンライブはいつも書きやすくて助かりますね、最終判断委ねられるからだな。
多分、急にここに公開しても、僕の事をよく知っている人か勇者ライダーもしくはごっどちゃんねるファン、ワンダーブラザーズファンにしかわからない話になってしまっていて混乱しか産まない気がしますが、せっかくなので上げておこうかと。
筆がノリまくって長尺になってしまったので色々カットせざるを得なくて、実際に上演したものはかなり違う形になってしまいました。
まぁ……自分としてはかなり勉強になった一本でした。
しかしワンワンライブ、楽しかったし、そのうちまたやらないかな?
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