300字小説『2962: A Space Journey』
二九六二年、空の果てから飛来した宇宙人達(宇宙人と形容しているものの元来地球にいた生命体なのかもしれない)によって、私達は唇をいとも簡単に奪われてしまった。
宇宙人は人間と殆ど変わらない見た目だが、皆整った顔立ちで美しい男の姿をしており生殖器官が存在しない、ファッションセンスは宇宙的だが、それもある意味彼らの可愛さだと思う。
だが、優しいキスをくれただけで地球の五割を侵略した彼らも別の上位異星人に搾取されていた存在と判明し、参照できる対象になり得なくなった時、彼らとの関係は崩壊……地球人男性による猛烈なバッシングが発生した。
──だけど私はもっとキスが欲しい。どうか私達から彼らを奪わないで。