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荒れるレースと堅いレース
荒れるか堅いかを予想する
南関分析ではいくつかの荒れ予想指標を提供しています。堅いのか荒れるのかで馬券の買い方は大きく違ってくると思います。回収率に深くかかわるだけにどの馬が強いかの予想も重要ですが、こちらの予想も同じくらい大切だと言えそうです。先日の帝王賞の前3レースが割と荒れ続いたので、それについて解説します。
アラート
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まず簡単に要素別になにがどうなっているのか、2022/06/29 大井競馬 第8レースのアラートを例に解説します。
[1] それぞれ違った切り口で競合性を解析した四つのデータをグラフ化したもので、左上935はそれぞれ合計した値です。高い値ほど堅いレースが見込まれます。
[2]走破時計の競合性を表したものです。距離による補正係数を乗じて、レースごとの距離によるばらつきを抑えています。低い値ほど荒れるレースが予想されます。
0.7未満,0.6以上>>>>薄いオレンジ
0.6未満,0.5以上>>>>黄色
0.5未満 >>>>>>>>>赤色
[3]粘り強さの競合性を測った数値です。値が低いほど荒れることが多いです。また少頭数の場合には値が低くなりがちです。
[4]fxxx..,A52…,A52…,とある下の部分の数値は、右から先行性能の競合性、先行性能+追い差し性能の競合性、さらにそれに3種類の指数を加えたもの、の3種類です。数値が低いほど荒れが予想されます。
[5]潜在的競合性、特に左の数値が低い場合はほかのアラートが良好を示していても、思いもよらない馬が上位に並んだりすることがあります。
[6]二つの解析データの尖度と標準偏差の値です。左ふたつと右ふたつのセットになっています。両方とも赤の場合は要注意です。
[7]これは[4]と深くかかわっている値でです。今後煮詰めていく項目で今のところ色によるアラートは出していません。低い値ほど荒れるようです。
[8][9]は何年か前に、いくつものパラメータ(距離,走破タイム,グレード・クラスなどなど)から競合性を一発で表現できないかと思ってつくったロジックによる指標です。二次元分布図のようなイメージでしょうか。[8]の背景色が黄色やオレンジ、文字色が赤だと荒れることが多くなります。[9]は青文字が多いほど堅いレースになります。この図で95と赤文字になっているところが500とか1000を超えると1,2番人気が勝つようなレースが多くなります。逆にこの95は荒れるレースが予想されます。
[10]逃げ先行馬の多い場合に黄色や赤が多くなります。4個のセルが全部赤の場合は前崩れ必至と考えられそうです。ただし短距離に関してはこの限りではありません。
2022/06/29 大井競馬 第8レース
さて2022/06/29 大井競馬 第8レースですが荒れる主な要因は[2]の値が軒並み低かったことの一言に尽きるでしょう。なかなか6個とも赤が並ぶことは少ないです。こんなときは上位人気の逃げ馬は避けたほうがいいかもしれません。
2022/06/29 大井競馬 第9レース
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この日一番荒れたレースでしょうか?[8]のアラートもそうですが[4]が全部赤で、[7]に至っては50を下回る低さ。これだけ荒れてこの低さはこのツールを作った本人としては嬉しい限りです。今後この指標をもとに荒れ予想を作れればと思います。このようなレースは薄く流すか一発穴狙いしかなさそう。穴師の出番ですね。私はトリガミを避けたいタイプだし、穴馬に張れるほど経験がないのでこのレースはやりませんでした。
2022/06/29 大井競馬 第10レース
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第8レース同様[2]の走破時計に関する部分が低い値でなおかつ[1]も黄色アラートとなっています。[8]も芳しくないことからこのレースも荒れる予想がつきます。自信をもって軸馬を見つけられなかったのでこのレースも見送りました。こんな状況では2番シャークウォーニンを推せるロジックにしなければいけませんね。精進します。
いずれの3レースもアラート情報を見てリスク回避は可能かと思いますが、この後は不意を突かれるような荒れたレースの例もご紹介します。
続きは後ほど