合宿免許で出会った女性と公園でデートしていたら、目の前を白い影が横切った話
怖さ:★☆☆
会社の同僚が、車の免許を取るために合宿に行ったときに体験した話をしてくれました。
彼は、今から8年くらい前、20歳になったかならないかくらいの時に、免許を取りに合宿で山形県に行きました。そこで一人の女性と知り合いました。
彼女は地元の人で、やはり免許を取りにその教習所に通っていました。
彼女に声をかけて、いい感じになって、夜、公園でおしゃべりをしていた時のことです。
その公園は、野球場の近くにありました。公園の周囲は木が茂っていて、林のようでした。
実はその前に、彼はやはり免許合宿で一緒になった男性の友人に「あそこの球場の近くで昔、事件があって、若い女性が殺害されたらしいよ」という話を聞いていました。しかし、その時は特に何とも思わなかったようです。
さて、夜の公園のブランコに彼女と2人、並んで腰を下ろして話をしていた時のことです。彼女は道路側を向いていて、彼は茂みの方を向いていました。
彼女と楽しく話をしているうちに、少し離れたところに立っている木の陰に、白いモヤみたいなものが見える気がしてきました。
夜ですが天気はよく、別に霧が出てるというわけではありません。
昼間、教習所で運転の練習もして目が疲れているのだろうとか、この公園の近くで殺人事件があったといった話を聞いたからだろとか、とにかく気のせいだろうと思うようにしていました。
そのうちまた、彼女との話に夢中になって、意識がその白いモヤから離れました。
しばらく彼女の方を向いて話しているうちに、突然目の間を白い影がスーッと横切りました。
「まさに“THE 幽霊”って感じでした」というその白い影が、女の人だというのはわかりました。
シルエットというか、女の人の姿をした白い影みたいなものが、目の前を横切って、林の中に消えていくのがはっきりと見えたそうです。
その瞬間に、「やばい、もう見ちゃった。やばいやばい、やばいの見た!」とびっくりしてしまいました。
彼は、本当は怖くて仕方がなかったのですが、一緒にいた彼女を怖がらせてはいけないと、余計なことは言わずにただ「帰ろう」と言って、公園を出ました。彼女の方は、白い女性に気づいた様子は全くありませんでした。
その後、彼女とは無事にお付き合いができたそうですが、しばらくすると免許合宿も終わり、家に帰って、遠距離恋愛が始まりました。
彼は漫画を読むのが好きだったので、遠距離の彼女から「今何やってるの?」という連絡があっても、そっけなく「漫画読んでる」と報告していました。
そのうち喧嘩になってしまって、お別れしたそうです。
「別れた理由は、幽霊とは全然関係ないですね」と言っていました。
話し手:20代 男性
採取時期:2024年
採取場所:東京都内