意志決定のシステムそのものを議論する〜社会的決定理論、二冊
積ん読状態になりそうな本について、あとで読むときのためのメモに・・・。
「「きめ方」の論理 ─社会的決定理論への招待」佐伯胖 著(ちくま学芸文庫)入手。社会的決定理論の概説書。社会的決定における「公正さ」「倫理性」について検討するというテーマ。ざっと見るとアマルティア・センなどにも言及。
http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480098764/
「多数決を疑う――社会的選択理論とは何か 」(岩波新書) 読みかけで放置してあるあいだに著者の坂井氏が学問に関係ない部分でTwitterで炎上してしまったりしたが、おそらく同じ問題を扱っている。
https://www.iwanami.co.jp/book/b226328.html
社会的選択理論(坂井)、と、社会的決定理論(佐伯) 用語のブレがあるが、前者は Social choice theory 後者は Decision theory から来ているようでもある。違いがあるのか、定訳があるのか、要確認。
多数決、選挙、選挙区制など、社会的な意志決定のシステムそのものを議論する、という姿勢はメタ的であり、わりといまの日本では歓迎されないテーマのように感じる。既得権保有者側にしてみれば、議論されないほうがよい類のオルタナティブであろう。せめて社会テーマSFのマナーに則って思考実験を楽しむよすがになるまいか。