いくつになってもくじ引き




くじ引き


それは誰しもがワクワクする1つの文化。


箱の中から一枚の紙を取り出し、その番号に応じた景品をもらえる。


僕はくじ引きが昔から大好きだった。

祭り事があれば必ずと言って良いほどくじを引いていた。


このくじ引き、経験した人なら誰しもが分かってもらえる筈だ。


きっと同じ目にあっている人も少なくないだろう。


大体、しょーもないものしか当たらないのである。


店頭に、任天堂の看板商品やPlayStation本体を置くことによってどうもつられてしまうのである。

たったこれだけのお金で、あの景品が当たるかもしれない!

子供からしたら一発逆転スーパードリーム!


だがよく考えて欲しい

今までお祭りでPlayStationを持ち歩いてる人はいただろうか?

本体を重たそうに肩に担いでる人を見たことあるだろうか?


そう、あれはただのディスプレイに過ぎない。


あの目玉商品は景品ではないのだ。


しかし、子供は目の前のディスプレイに惹かれてしまう。

一種の催眠商法である。



だから敵屋のくじ引き屋台は


「この人いい人そうだなぁ」


って見た目の店主は中々いない。


くじ引きとは、子供の心を惹かせるという意味では打ちやすい商売の1つなのである。



そんなくじ引き


23にもなった今でも僕の好奇心をくすぐってくる。


流石にお祭りやイベント事のくじを引くことは無くなった。


しかし、ついつい引いてしまうのが「一番くじ」


一番くじとは、コンビニや本屋などでみなさんも見たことがあるのではないだろうか?500円から700円ほどのお金を払って、A賞B賞C賞の豪華景品を当てるくじのことである。


よくワンピースやディズニーが景品になっているのを見かける。


この一番くじに関しては、祭りの屋台と違って必ず当たる可能性があるのだ。


だからこそタチが悪い。


欲しい商品が当たるかも、そう思ってついつい引いてしまう。


言わば、大人のくじ引きのようなものだ。


子供と違ってお金に多少余裕がある。


それに、僕は極めてくじ運が悪い。


大概1番下ランクの景品しか当たったことがない。


だから次こそは、次こそはと沼にハマっていってしまうのである。
 

ギャンブルと同じだ。


以前、本屋さんでサンリオの一番くじを見つけた。


けろけろけろっぴや、バツ丸くん、タキシードサムなど可愛いキャラたちが勢揃い。


僕はこういった緩い見た目のキャラクターに目がない。


かわいいものが大好きなのだ。


そのサンリオのくじ引きは僕を一目で魅了させて、自身のくじ引き好奇心に再び火をつけたのだ。


どうしても引きたい。


かわいい景品ばっかりある。


クッション、ポーチ、サコッシュ、おべんと箱、マフラータオル


クッションが一番の当たりか。


いや、サコッシュかポーチでも良いな。


まあでもやっぱクッションか。


あれを抱いて布団に入りたい。


けろっぴやはんぎょどんと一緒に布団に入りたい!


もうこの誘惑に勝てない!



そんな思いで僕は、気づいたらレジのお兄さんに
 

すみません、サンリオくじ1回!


と伝えていた。



700円というまあまあのお金を払い、お兄さんが差し出す箱の中から一枚のくじを取り出す。


それでは、めくっていただいて…


その合図で僕はくじをめくった。



32番「メラミンプレート」



メラミンプレート?


なんだそりゃ?


その単語だけではどんな景品かが全く想像がつかなかった。

プレートってことはおそらくプラスチック製の何かが出てくるのだろう。


恐る恐る景品との対面を待つ。


そして、店の奥にはご本人がいる。


店員さんに連れられて出てきたその正体、それは "お皿" だった。



お皿かあー


いらんなぁー


ちょうどいらんラインのやつやなー


もしかして1番のハズレ?


他の景品を見たところ、おそらくベベはお茶碗だった。


欲しいものは当たらなかった。


やっぱりくじ運がない。


まあええか、かわいいし。


6人のキャラクター達が楽しそうに並んでこっちを見てるし。


お前らが楽しいんやったら俺はそれでええよ。


せっかく当たったメラミンプレート


使わないのは勿体無いので、仕方なしそれに野菜炒めを盛って食べている。


こうしていつまでも続く、くじ引きループ


また、僕の心を射止める一番くじがあればおそらく引いてしまうのだろう。


果たして、抜け出せる日は来るのだろうか?

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