特に高みは目指さないけど読みは覚えたいと思っているあなたへ①声に出して読もう
第1回は「別に公認読手にまでなりたいとは思ってないけど、とりあえず練習会で読める程度にはなっておきたいな~、でも講習会に行くのはなんかハードル高いんだよな~できれば人知れずこっそり練習してみたいな~」と思っている、ビビりな方向けの読み方講座です。
そういう方が「読みを少しくらいは覚えておきたい」と思う理由の大半は「練習会でみんなが普通に取れるような読みが出来るようになりたい」じゃないかと思いますので、最初からあまり無理をせずに「その程度に読めるようになる」という小さな目標を立てていきましょう。
それではまず「読み札」を手元に用意してください。読み札が無いと当然のことながら読めませんから、これは出来れば準備しておきたい所。
無い方は何かしらの読み札を購入する必要があるかもしれませんが、もしお家に家庭用の百人一首の札があるようなら、それに付いてる読み札でも構いません。書いてる歌は同じです。
もしそういうのも全くなくて、自分のかるたの練習のための取り札しか持ってないよ~という方が「これから読みを始めたい」ということであれば、大石天狗堂さんで販売している「読み方かるた」という読み札から始めると良いでしょう。
これには、ふりがなや伸ばすところが全部書いてあるので、初心者の方でも「とにかくこれに書いてある通りに読めば良い」というように出来ています。会に常備されてると嬉しいですし、無いので欲しいという方はこちらから→読み方かるた
「今すぐ用意できないけどまずは練習だけでもしたい」「特に買うまでするつもりはないけど、とりあえず覚えたい」という方は、このnoteで書いている通りの部分だけでもやってみてください。
それでは、ごちゃごちゃ細かいことを考える前に、まずは声に出して実際に読んでみましょう!・・・などと講習会あたりで言うと、皆さんがサーッと引いていくような空気になるんだろうなと思うのですが、今、目の前で公認読手や専任読手に睨まれてカエルのようになりながら読まされる(笑)というわけではありませんから、安心して声に出してみてください。
競技かるたは序歌と呼ばれる歌を読み上げる所から始めます。
ほとんどの場合が、王仁という歌人の「難波津の歌」を序歌としています(※一部の大会では別の和歌が読まれることもあります)ので、難波津の歌~1首目の上の句までをまずは声に出して読んでみましょう。1首目は、せっかくだから「秋の田の」にしておきましょうか。
以下、読んで頂くテキストです。()内は声に出さないでくださいね!
なにわづにーさくやこのはなーふゆごもーり‐
いまをーはるべとーさくやこのーはな―――――――――――
(少し間を置く)
いまをーはるべとーさくやこのーはな―――――――――――
(1秒)
あきのたのーかりおのいおのーとまをあらーみ‐
この太字の部分をまずは口に出してみてもらいますが、適当にやれと言われてもどう読めば良いか分からないと思いますので、頭の中で好きな読手さんの読みを想像してみてください。いつもありあけや読み上げアプリなどで聞いている読手さんでも良いですし、身近にいる読手さんでも構いません。
その読手さんがいつも読んでいる感じを思い浮かべながら、声に出して上記の太字の部分を読んでみましょう。自信なさげなか細い声でもOKです。
何となく声に出してみることが出来ましたか?
そうです、大体そんな感じです!
・・・いや、そんな適当な、と思うかもしれませんが、まずは口に出してみることが大事です。今の読みに対するツッコみはきっと多々あるだろうとは思いますが、そういう細かいことは後でゆっくりとやることにしましょう。
最初に覚えてもらいたいのは、音程です。今おそらくあなたが口に出したその読みは、きっとこんな音程を取っていたのではないかと思います。
なにわづにーさくやこのはなーふゆごもーり‐
低高高高高ー低高高高高高高ー低高高高ー高‐
お気づきでしょうか、競技かるたの読みには「低い音」と「高い音」の2つの音程しかありません。いろんな音階で歌うというワケではないんです。
この「低・高」は実際にはドレミファソラシドのどの音なの?と疑問に思われるかと思いますが、答えは「人による」
低い音はドの音でなければいけないとか、そういうわけではありません。自分が出しやすい範囲で、低い音程と高い音程を決めて、その中で読んでいけば良いのです。
実際に、ありあけなどで聞く専任読手の先生方も、人によって音程が違います。例えば男性の先生などでは、「低・高」を取っている音程が以下のように異なっています(※ありあけ音源による比較です)
(音程低)和家先生ー吉川先生・廣本先生ー楠田先生ー稲葉先生(音程高)
このように、それぞれの先生方が自分の声に合わせて出しやすい音程帯で「低・高」を出しているわけです。
自分で声に出した時に無理のない音程で読んでみることにしましょう。
さて、声に出してみる事とその音程をどうするのかについて考えてみた所で、第2回ではテンポの取り方について書いていきたいと思います。
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