自らの経験から思う他者とのコンフリクト解消のコツ
仕事の中で人を説得する時に必ずと言っていいほど立ちはだかる壁が、タイトルにも記載している「他者とのコンフリクト(衝突)」で、各ステークホルダ(利害関係者)との間に立つ役割にある方は、この壁にしばしば頭を悩ませてしまうことが多いかなと思います。
私自身もプロダクトを司る会社のプロダクトマネージャーという役割を1年半経験する中で営業側・マーケサイドや開発サイドとのコミュニケーションをとることが多いですが、コンフリクトした際は、本当に骨が折れるほど苦労しておりました。
仕事の悩みは人それぞれあると思いますが、なんだかんだ私の場合は毎回、人間関係に帰結しますね。。。
一方、私のマネージャーであり執行役員の方は、言葉巧みにこの壁を乗り越えて行くので、彼から1on1などで教えていただいているエッセンスと自分の経験とを合わせて、以下にコンフリクト解消のコツをまとめてみることにしました。
コンフリクトとは、
そもそもの「コンフリクト」という言葉の意味なのですが、相手を説得する際にお互いの主張がぶつかり合い、どうやっても折り合わない状態となってしまい話が前に進まないことを指すと理解しております。
※リポジトリ(Githubなど)にモジュールをマージする際に発生するConflict(コンフリクト)とは、少しニュアンスが異なるのでご注意ください。
自分が思うコンフリクト解消のコツ
人を説得してコンフリクトを解消し物事を前に進めることができる人というのは、本当にすごいですし仕事のできる人だと思います。正直、私自身も頭で理解はできていても完璧に実践できてはいないですが、このプロセスを踏むことで、今までよりは話を前に進めやすくなったので、その内容をまとめようと思います。
相手が言っていることの背景を理解する
前提の話に立ち戻るのですが、まず相手とコンフリクトした際に考えて欲しいのが、自らが見えている世界と相手が見えている世界が違うということです。要は、話が衝突した相手の世界で「自分が見えていないものがある」ということです。
ちなみに、各々の見えている世界(解釈の枠組み)のことを「ナラティブ」と言うそうです。
この視点を意識しないで、自分の見えている世界だけで話を進めてしまうと平行線のまま話がまとまらないでしょう。(おそらく、こうなったら誰かに間に入ってもらうしか解決の方法がないかと思います。)
自分の見えていない世界があるということを念頭に置いた上で、相手の見えている世界が何なのか(相手がこのように反発する背景は何なのか)を知ることが必要になります。
相手の視点から自分がどう見えているのかを考える
これを実践するかは時と場合によるのですが、相手から自分がどう見えているのかも併せて考えるようにすると良いと思います。
例えば、エンジニアとコンフリクトした場合は、エンジニアの目線から私は実装の細かい部分を把握していないので難易度が高い実装であることを知らずに簡単なことのように顧客と話を進めようとするのでアラートをあげなければと思うはずです。
視座、視点を変えて相手を説得する
ここが一番のポイントになるのですが、相手の言っていることの背景を理解した上で、どうしても自分が主張する方向性で話を進めなければいけないとなった場合は、「相手が言っていることの背景をしっかり理解していることを伝えた上で、相手とは異なる視座・視点で相手を説得すること」が重要になります。
例えば、営業担当の方がお客様から「どうしてもこの機能を追加して欲しい」と言われて、営業担当からプロダクトマネージャーである私にこの機能を早急に作って欲しいと言ってきたとします。
この場合、要求された機能がプロダクトが目指す世界感(プロダクトビジョン)と異なり、かつ開発工数もそれなりに掛かる内容でとても検討に値する内容ではなかった場合は、プロダクトビジョンを改めて認識してもらった上で、営業サイドが見えていない開発工数の視点を伝えて、「この機能を早急に実現するためには他で要望されているあの機能のリリースを遅らせるしかない」と言ったように説得すれば、ある程度は理解してくれると思います。
営業サイドからは開発の視点は全く見えていないので、開発の視点で説得をします。逆に開発サイドからはビジネス・マーケ側の視点が見えていないのでその視点で説得を試みます。
関わる立場の人の業務を知る
仕事の中で関わるステークホルダーの業務は、人に説得できるレベルで把握しておくことが必要になると思います。ただし、自分の専門分野ではない領域の専門知識を得ることはそれなりに労力がいるし時間の掛かることだと思います。
自分ではどうしても説得が難しいコンフリクトが発生した場合は、その分野に詳しい人に相談することも一つ手段であると思います。
私自身もビジネス視点、マーケット視点がまだまだ弱い方なので、その分野に詳しいマネージャーの力を借りることがあります。
まとめ
今回、自分の経験を通してコンフリクトが発生した際の解消のコツを拙文ながら、お伝えさせていただきました。コツを理解できるのと実践できるのとではかなり隔たりがあると思いますが、エッセンスを頭の片隅置いておくだけでも言動に変化が現れるかと思いますので、少しでも足しになれば幸いです。
また、最近読んだ宇多川元一さんの「他者と働く」にも同じような内容が掲載されており大変参考になります。
興味ある方は、ぜひチェックしてみてください。
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