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人のつながりに立ちはだかる壁

 大阪市統国寺に移設されているベルリンの壁を見に行った。
 世界大戦後、長らく東西ドイツの人のつながりを遮断していたベルリンの壁。
 テレビに映る
〝壁に登り歓喜の中で引き倒される様子〟
に圧倒されながらも、その真意を考えることもなかった。
 統合後も経済格差など様々な問題に直面しながらも少しずつ変わってゆくドイツの様子に時代の変化を感じていたが、どこか遠い出来事のように感じていた。
 就職し、朝鮮半島との課題と向き合うようになって、はじめてその意味を考えるようになった。
 時代が移り変わり、人とのつながり方も多様になってきた。それに伴い、物理的な壁よりも、目に見えない人のつながりに立ちはだかる壁が多くなっているように感じる。
 民族、宗教、性別…。様々な見えない壁。
 今、ベルリンの壁を置くことで、祖国統一に想いを馳せる統国寺。直ぐ側には〝済州4.3事件の慰霊碑などもあった。人とのつながりに立ちはだかる壁の犠牲への追悼の念とそういった壁をつくる人の心への警鐘。
 人とのつながりを妨げる壁は政治や社会のせいか…
 はじまりはそうだとしても、壁を作るのはやはり〝ひとのこころ〟。
 作るのが〝ひとのこころ〟なら、きっと壊すのも〝ひとのこころ〟
 〝ベルリンの壁〟に触れながら、人のつながりに壁を作るのはのではなく、人のつながりを紡ぎ合う。そんな〝ひとのこころ〟を育んでいきたいと改めて感じた。



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