進化か懐古か、いや、両方だ
ロードバイクに乗るようになって、本当に初めて乗ったのは社会人になって間もない頃なのでもう30年はたつが、100キロ以上のロングライドや、集団走行についていけないがレースにも出るようになったのは13年ほど前である。チューブラータイヤに初めて出会ったのは最初のロードバイクである、パナソニックのタンゲ・プレステージクロモリフレームのバイク。まだ変速装置はダウンチューブのところにダブルレバーがある、今ではクラシックと言われるような装置。8速スプロケット、でも、デュラエースコンポで、リムはカンニョーロ。それで片道15キロ通勤していた。
時が流れて、40歳を過ぎた頃、物置から引っ張り出して一漕ぎして見ると、加速感がなんとも言えない心地よさ。で、突如ロードバイク生活が復活した。今度はウェアも揃えてサイクリングイベントにも参加することにした。が、長距離など乗ったことがないので、最初は20キロのコースを2〜3回走って、少しずつ距離を伸ばし、50キロ、60キロ、で2ヶ月ほどした頃に100キロに挑んだ。
岡山という割と平坦な土地柄、激坂はそうそう出会わないが、100キロを走るのはなかなかの挑戦だった。が、まもなく足を攣らせることもなく帰ってこられるようになった。
しばらくして、最先端のカーボンフレームの自転車にも乗りたくなって、思い切ってカーボンに乗り換えてみた。走り出しの軽さ、登り坂の軽快さは異次元だった。休日には4時間は乗っているので、起きてる時間の大きな部分を自転車の上で過ごしていることになる。鈴鹿ロード、鈴鹿耐久レースも出たし、淡路島一周と距離が偶然にもほぼ同じ、琵琶湖一周も何回も完走できた。
少し遠い場所で開かれるサイクリングに参加するようになると、まだ子供が小学生だと、ちょっとした家族旅行になる。おかげで、鈴鹿サーキットホテルに泊まって、レストランのビュッフェで、食い倒れ状態になるのが我が家の恒例になっていた。
あちこちのロングライドに参加するたびに、地元の特産品がエイドステーションで振る舞われ、都市から離れるほどよく整備されて、交通量の少ないコースがとても走りやすい。中でも素晴らしい食事が楽しめたのは、和歌山は周参見町がスタートゴールのライド・オン・すさみだ。コースは山岳地帯がほとんどで140キロの距離以上に走りごたえがある。最後の20キロは海岸沿いでアップダウンが10数回繰り返され前半飛ばしすぎるとこれがきつくて大変になる。
淡路島も距離は150キロと同じぐらいだが、最初の50キロはかすかに下っていると思われる平坦路。みんな驚くほどのハイペースで飛ばしていく。「今日はえらいメンバーが集まっているな」と驚くが、島南部の山岳地帯に入るといきなり、ほとんどの人がペースダウン。坂が苦手な人が思ったよりはるかに多いのに驚かされた。
とか富山に行ったり、長野に行ったりしていたが、2020年にコロナ禍であらゆるサイクリングイベントが中止になり、練習のロングライドを続けていたが、モチベーションが下がり、2021年11月から9ヶ月バイクに乗るのをやめてしまっていた。22年秋から少しずつイベントに復帰して、2023年。周りを見渡すと、バイクの様子がすっかり変わっていた。
ブレーキは・・・ディスクになり、スプロケットがなんだか二回りぐらい大きい。12速が標準になっているようだ。しかしまあ、みんな新しいバイクよく買えるなあ。自分はリムブレーキで10枚のスプロケットで一番大きいギアが23T。これでも、8速デュラエース(フロント52/45、リア12−21T)からしたらえらく軽いギア比になったと思っていたのだが。
タイヤもすっかりチューブレス(レディ)が半分ぐらいになっているともいう。だが、ロシアが戦争仕掛けたり、円安がさらに進んで、自転車の値段が跳ね上がっている。デュラエースコンポで組むと200万近くなるバイクが続出。さらに値上げするというではないか。とても新しいカーボンバイクなど買えない、と思っていた。
クラシックバイクブームが来ているとも聞く中、パナソニックのクロモリフレームのオーダーを調べてみたりもした。
頃合いよく、ジャイアントストアがハイエンドモデルの試乗会を開いた。しかも有料なので、割とたっぷり時間をとって、コースも8キロ、山岳もある。でエンデュランス、軽量、エアロそれぞれ乗ってみた。当然どれも、ディスクブレーキ、チューブレス、12速。
最大34Tのスプロケットのおかげで、チェーンリングが52Tでも上りはかなりアウターでいける。インナーに切り替えてかなりの坂でもシッティングで軽く登れる。下は、ディスクブレーキのおかげで、雨が降っていても心配なし。タイヤもグリップが良いので制動力をかけられる。フレームの剛性が高くて、どんどん進んでいくのはいうまでもない。新しいバイクっていいな。
スマホでも車でも、新しいものを毛嫌いせずに使ってみる、というのはやっぱり大事な気がする。
ついに、新しいバイク買うことにした。GIANTも調べていたが、結局、ULTEGRAコンポ搭載のTREK EMONDA。最上級SLRカーボンにすると高すぎると感じるので、SLフレームを選ぶ。そしたら、背伸びしてない、感じで乗れると思った。
2024シーズンはチューブレス、ディスクブレーキ、12速でヒルクライムも新しい領域に入っていく。もちろん、クロモリフレームも乗る。