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『レンタル二郎食べる人』を少食アラサーが借りたら驚きの連続だった話

「ラーメン二郎に興味はあるけど、なんか怖いんだよなぁ」
「他のラーメン屋と注文の仕方違うらしいし、早く食べないと追い出されるって聞くし……」

「あーあ、誰かラーメン二郎に詳しい人が一緒についてきてくれたらなぁ〜!」

そんな悩める子羊に朗報です。というか、少なくとも私には朗報でした。

このツイートが瞬く間に拡散されて話題になった「レンタル二郎食べる人」こと清水くんをご存知でしょうか?

なんでも、依頼すれば全国どこでも二郎系ラーメンに同行してくれるというのです。

「レンタル◯◯」系サービスはさまざまありますが、まさかここまでピンポイントな需要に応えてもらえるサービスがあるとは驚きでした。
Twitterアカウント名「@hakumaimosukiyo」のお茶目ぶりも相まってぐんと好感度アップ。

何を隠そう、私は胃袋が大きくないうえに食べるのが遅いので、二郎は遠い憧れの存在でした。

どれくらい量を食べるのが苦手かというと、社会人になって初めて回らないお寿司を食べにいったとき、序盤で苦しむ私に気づいた大将がこちらから何もお願いしてないのにお気遣いでシャリを半分に減らしてくれたほど。(少食アピではないので悪しからず)

もしかしたら、私でも二郎をちゃんと食べにいけるチャンスかも!
そして何より、この珍サービスの生みの親と会ってみたい!

そんな好奇心に駆られながら、TwitterのDMからラーメン二郎への同行を依頼したのです。
場所は、せっかくなので私1人だと足が向かなさそうな三田本店を指定しました。

三田本店経験済みの友人から脅されて、
やや緊張しながら当日を迎えました……

ちなみに私の二郎戦歴は1度、目黒店で小ラーメンを食べたことがあります。

味は美味しかったのですが、案の定胃袋がギブアップ寸前だったのと、「二郎」のマナーや場の空気に慣れず落ち着かなかったのが正直なところ。

★前回の記事もお読みいただけると嬉しいです!

8:30 初めまして、清水くん

三田駅の前で待ち合わせしました。初めまして、今日はよろしくお願いします!
Twitterでお見かけした通りの印象で、内心ほっとしました……!

カメラを向けるとピースを返してくれる優男さん…!
(帰り際に撮らせてもらいました)


早速お店に向かいながら、本日の対戦相手(注文内容)を決めるべく「目黒店に行ったときは麺の量どうでしたか?」「食べてみて余裕ありましたか?」と二郎戦歴をヒアリングしてくれました。

「量を食べるのが苦手で。三田本店は麺の量を3分の1にできると聞いたのですが、それがいいですかね?」と聞いてみると、予想外の回答が。

「二郎では、麺を正確に計量していないので、スタッフによってグラム数が変わることがあります。なので、麺の量は、今日のスタッフさんが誰か見てから決めましょう!」なんじゃそりゃ!

新しい知見を得た私は「さすが大先生……!」と妙に感心してしまいました。

さて駅から10分程歩いた頃、「僕にはもう行列が見えてます」とほくそ笑む清水くん。
ジロリアンしか見えない世界があるの?とはてなを浮かべながらさらに進むと…… あ、遠くのほうに見えてきました。一般アラサーの私にも、人だかりが。

あれが聖地、三田本店!

……ん?えっ?まさか、あっちも二郎の列!?

ビルの死角になっていて遠目では気づかなかったのですが、建物の影には2回折り返す長蛇の列が出来ていたのです。
二郎の人気ぶりを目の当たりにした瞬間でした。

「あー、これは…… 今日はアタリですね(笑)」と清水くん。アタリとかあるの。

並びますよ!並びますとも!これでも日本人、行列は長ければ長いほど燃えるもんだ。

意を決して最後尾に立ちました。

8:45〜 待機&雑談

とまいえ、まさか初対面の人と数時間を共にするとは思っていなかったので若干不安になりましたが、さすが清水くん、いろんな話を教えてくれて楽しく過ごすことができました ……!

「レンタル二郎食べる人」のこと

ツイートの反響を聞いてみると、2020年1月に例のツイートをした当時、まさかここまで拡散されサービス化することになるとは思っていなかったそうです。

あれから2年経った今も予約は途切れることなく、私のように「二郎に興味がある人」や「ただただ清水くんとお話ししてみたい人」など、さまざまな人から週1回はレンタルされているんだとか。

「有難いことに、遠方までの交通費を出してまでレンタルしてもらったこともあります。二郎を求めてお客さんと長旅に出たこともありました」

今後について、清水くんなりのやりがいや面白さを見出しながら「需要がある限り続けていきたい」と教えてくれました。

ちなみに、印象深かったお客さんがいたか聞くと「幸い、いまのところコワい人には会ってないですね」とのこと。
それはまぁ、柔道部のコーチを務めるような体格の清水くんに勝てっこないの、ひと目でわかりますからね……!

二郎のこと

わからないことだらけなので、二郎の初歩的なことをたくさん教えてもらいました。

二郎って怖い?(怖くないです)
天地返しってやったほうがいいの?
乳化・非乳化って何?どっちが美味しいの?
おすすめの店舗は?など……

特に驚きだったのは、二郎の味は変数(!)が多く、同じ店舗でも時間帯によって違う味を楽しめるということでした。

このあとも書きますが、この前情報のおかげで、実食タイムを通常の100倍楽しめたと思います!

10:30 コールのレクチャー

いよいよ食券購入の順番がまわってきました。

店内の券売機で食券を選びながら「都内のラーメン屋が600円って安いな…!?」と驚きました。

食券購入後、清水くんが二郎特有の文化「コール」について教えてくれました。

「麺は3分の1でいきましょう。"ニンニクいれますか?"と聞かれたら、"ニンニク、野菜少なめ、アブラ"と答えてください」

ん?ニンニク以外もここで言うの?

「いいですか、"ニンニクいれますか"というのはニンニクを入れるかどうか問われてるんじゃなくて、"トッピングどうしますか"と聞かれてるんです。初心者の人が間違えやすいポイントですね」

な、なんだと……!

目黒店でうまく注文できなかったとき「はい」と答えてしまってた…… この日一番の衝撃でした。
言葉の真意を知るって大切ですね!

10:35 いざ店内へ……!

食券を買ってからはあっという間でした。

店内に通してもらい、カウンターに座って食券を渡すと、早速スタッフさんから麺の量と「ニンニクどうしますか?」と聞かれます。

うわ、きた……!「麺は3分の1で!に、ニンニク、野菜少なめ、アブラ!」合ってる?合ってる!?

そう唱えて出てきたものがこちらになります。美味しそう……!!!!

ちらっと隣の清水くんの器を覗くと、あきらかに私の分はボリューム感少ない!注文、ちゃんと伝わったっぽい!というか、清水くんそんなに食べるんですか!?

喜びやら謎やらの感情がマックスになったところで、いざ実食!いただきます!……うわ、うま!

スープのかえしが利いていて、好みの味でした!お肉の肉感もたまらないです。
清水くんから教えてもらったように、最初にニンニクをスープに混ぜたので、香りも良い感じ。
前情報のおかげで楽しむポイントがわかったし、心の余裕もありました。

最後まで美味しく食べ切ったところで、ごちそうさまでした!

ちなみに私が二郎と真っ向勝負している隣で清水くんは、私の食べるスピードに合わせながらゆっくり食べつつ、最後は圧巻の食べっぷりでフィニッシュしていました…… お見事です。

後から聞いた話、彼は何やら一部のジロリアンのみ知る裏技(?)を楽しんでいたようです。
気になる人は清水くんと二郎に行ったときに聞いてみるといいかもしれません!

11:00過ぎ 解散

貴重な体験をありがとうございました!

お店を後にし、駅に向かいながら「長い時間お付き合いありがとうございました」とお礼を伝えると「二郎を食べるためなら当然です!」とのこと。心構え、さすがです……!

「今日は楽しんでもらえて良かったです!もし、これで明日くらいに"二郎食べたい"と思ったら、いろいろと始まりますよ(笑)」と笑う清水くん。

いやいや、もうお腹いっぱいだし、しばらく二郎はいいかな(笑)

とはいえ、今日は彼のおかげでとても貴重な経験ができました。
「もし自分で食べきれなくても大丈夫」という安心感も心強かったです。

振り返り

1番心配していたのは量でしたが、意外とあっさり食べ切ることができました!

……なんて余裕顔をしていたら、清水くんいわく「麺の量が注文通り3分の1で出てくるところ、初めて見ました」とのこと。……え?

こちらの記事でも紹介されているように、麺の量は作るスタッフさんや注文する人の雰囲気によって決まるとか決まらないとか。

何はともあれ最後まで美味しく食べきれた私は運が良かったのかもしれません。

また、三田本店の店内にはティッシュの類がないので、持参するのが良さそうです。
このときは清水くんが持参したものを「よかったら」と差し出してくれました。

おかげでラーメン二郎に持っていきたい"三種の神器"、覚えました。
ティッシュ、ウェットティッシュ、ブレスケア。

ラーメン二郎は単なる「大食いエンターテインメント」じゃなかった

店内に貼られていたスーパーソウスイシール(!)
総帥の築いた歴史がたくさんの人に愛されてるんだなぁ

二郎をよく知らなかった頃は「二郎系=量との戦い」という大食いエンタメの印象がありました。

ですが、実際に食べたり清水くんと話したりするなかで、ラーメン二郎は作る人、店舗、環境、時間帯、トッピングなどのさまざまな要因から出来上がった完成品を味わうアングラ的な側面を楽しめる世界なんだなぁと、僭越ながら学ばせていただきました。

もっといろんな二郎の味を知りたいので、近いうち、清水くんに教えてもらったひばりヶ丘店にも行ってみたいと思います。

……ん?すでに二郎行きたくなってるけど、もしかして何か始まった……!?

#やってみた大賞


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