理想の自分と現実の自分の違いに気付いて心が少し軽くなった話
私は四人兄妹の二番目です。裕福とは言えない家庭で育ちました。平凡な小中高校生活を経て何だかんだありながらも20代半ばで看護師になりました。
私はB型です。マイペースな人間です。自己中心的と表現されることもありますが、そんな他人の目などはさほど気にせずに生きています。争いは好まず、柔軟に人との関係を築きます。しかし自分が正しいと思うことはそう簡単には曲げません。その力があってこそ看護師にもなれたのだと思います。
そんな風に感じていました。
看護師になって数年、ある日美容室で円形脱毛があることを教えてもらいました。ショックでした。細かいことは気にせず、ストレスなど溜めていないと思っていました。
しかしこれをきっかけにもう一度よく考えてみました。そうして見えた私は、人によい評価をされることを喜びと感じ、評価されないことを何よりも恐れていて、誉められたい、認められたい、出来ないやつだとは思われたくない、そんな気持ちを持っていました。そして、過剰に環境に適応しようとして常に神経をすり減らしていました。
その結果として円形に毛が抜けたのだな、と腑に落ちました。
私が、私はこう言う人間だから、と信じきっていたものは、よく考えると理想の姿でした。
人の目を気にせずに自分をしっかり持って進む、かっこ良い人。でも実際は人からの評価を恐れ、ビクビクおどおどと全てに必死になっている、かっこ悪い人でした。
そして、それに気付いたときに思いました。
ああ、かっこ悪い自分が愛おしいな。と。
今まで目を逸らしていた自分の一面に気付いたことで、否定し続けられていたその一面がようやく受け入れて貰えたような、自分自身に認められたような、そんな心地良さでした。
何だか上手く行かなくてもやもやして苦しんでいるときは、今一度自分の理想で自分自身を押し潰してしまってはいないか確認するようにしようと思えた出来事でした。