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2月になると思い出す、PTA役員決めのお手紙

2月になると思い出すこと。
この時期に配られていた、小学校のPTAの役員決めについてのお手紙のこと。

毎年同じ文章で、役員立候補者募集の案内のあとにこんな文面がついていた。

「立候補者がいない場合は他薦になります。役員ができない人は年度当初の保護者会に必ず出席し、できない理由をご説明ください。クラスの同意が得られた場合のみ免除します」

この手紙をもらうたび、心臓のあたりがぐぐぐ、と締め付けられるような気がした。実際はそんな会が実現することはなかったのだけれど、クラスの保護者会で、「うちは不登校なので…」なんて説明させられることになったら最悪だなあ、と想像してしまっていたからだ。

言葉ってチカラを持っている。
だからね、こんな言い方しちゃいけないと思う。怖いから。
このシステムがまず怖いのだけれど。選択の自由とか権利とかプライバシーとか色々考えてしまう。免除という言葉の意味とか。

実際のところ、我が子の学年は何故か毎年役員に立候補する人が沢山いて、やりたい人達の中でじゃんけんに勝った人が就任していたから、このお手紙と現実とのギャップも感じていた。

想像でしかないけれど、きっとこの文章を最初にゼロから作った人は怒っていたのだと思う。そのとき役員をやって大変な思いをした人が、次年度の役員が決まらなさそうで…っていう状況で書いたのではないかなあ。
「自分はこんなに頑張ったのにどうして次に引き受けてくれる人がいないのか!」とか「自分だってやりたくなかったのに!みんな逃げやがって!」とか、そんな怒りのエネルギーでお手紙を書いたのではなかろうか。

それでうまくいったかはわからないけれど、とにかくそんな激おこな文章が引継ぎ資料に残ってしまって、前年踏襲で毎年毎年日付だけ変えて印刷していたんじゃないかと想像している。

PTAの是非については私自身まだ意見がまとまらないのだけれど、「人を怖がらせないようにする」というのは最低限のラインだと思うのだけどなあ、と毎年あのお手紙を受け取るたびにため息をついていた。

ちなみに、このお手紙が配られていたのは数年前までで、ここ最近は配られていない。

もう誰も怒っていないといいな、と思っている。


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