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わたしがいま長野県上田市にいる理由

わたしはいま、長野県上田市で一人暮らしをしながら働いています。
もともと地元は富山県で、大学から新卒4年目までを東京で過ごし、5年前に移住してきました。
これまで「なんで上田にいるの?」と聞いてもらえることが多かったので、その理由を改めてまとめてみたいと思います。

長野県上田市というところ

上田市は長野県の東部に位置する、人口約16万人の都市。山々に囲まれて自然を身近に感じられる環境でありながら、北陸新幹線の停車駅があり、東京に1時間半程度で行くことができる。地元の富山にも1時間程度で帰れるので、わたしにとっては "ちょうどいい距離感" の場所だ。
(最近は動けないけど、普段は東京⇔上田⇔富山を月に1回くらい行き来している)

個人的には、30分圏内に複数の温泉(サウナ)があったり、さくっと登山できちゃう里山があったりするところが好き。
(他にもいいところがたくさんあるので、今度おすすめ記事を書こうと思う)

地方で実現したい想いと実力のギャップ

大学生までの間に、かくかくしかじか思うところがあって、
「地方で、そこに住む人たちが誇りを持てるような場をつくりたい」という想いが芽生えた。

そして大学4年生の最後に「インターン」というかたちで、コミュニティカフェの企画・運営に携わらせてもらって、
「こんなにも"居場所"を求めている人がいるのか」と実感できた一方で、お金が循環しないと場が継続発展できないことも痛感する。

一度は新卒から地方で働くことも考えたけど、
「いまの自分では実力不足すぎる」と悟って、内定をもらっていた東京の人材会社に就職することにした。

チャレンジを重ねて、再び地方に目が向いた

新卒で入った会社では、求人広告の法人営業を担当させてもらったあと、就職 / 転職フェアの企画・運営に携わらせてもらった。

営業のときは、クライアント企業の採用成功に直接関われるのが楽しかったけど、数字のプレッシャーと上司とのコミュニケーションエラーで心がやられてしまって、わずか1年弱で離脱。

当時2人しかいなかったフェアの部署への異動を懇願して、配属後は2000人規模のイベント運営に関わる業務全般、サービス立ち上げ、システム改修など、色んなことをチャレンジさせてもらった。
(当時の自分は未熟すぎて、まっすぐぶつかっていくことも多かったけど、真剣に向き合って受け止めてくれた前職のみなさんには、本当に感謝...)

フェアという "場" を通じて、人と仕事(企業)との出会いやきっかけを作れることはとても嬉しかったし、営業担当さんから「フェアで採用できたよ!」という報告を受けると胸が熱くなって。ありがたいことにMVP賞などの表彰をいただくこともあったのだけど、次第に「もっと "密度の濃い場" をつくりたい」という気持ちが生まれていた。

「そろそろ地方に目を向けてもいいかもしれない」。ようやくそう思えるようになったのは、社会人3年目の後半頃だった。
(まだまだ未熟ではあることは承知のうえ...)

関わりたい "人" と "場" との出会い

大学生時代に石川県へのインターンの斡旋をしてくれたNPO法人ETIC.が、ちょうどその頃に、社会人向けインターン(地域イノベーター留学)の募集をはじめた。そのマッチングイベントに、石川県のインターンでお世話になっていた奈美さんも登壇するとのことで、足を運んでみた。

そこで出会ったのが、いまの会社の代表 井上さんだ。井上さんは当時、上田市でコワーキングスペースを運営していて、「移住者を増やすプロジェクト」の募集をしていた。
井上さんが「地方のコミュニティで、(綺麗事ではなくて)ちゃんとお金が循環する仕組みを作らなければいけない」的なことを話していて、とても共感した記憶がある。
(わたしがめちゃくちゃ頷いていたからか、井上さんもめちゃくちゃわたしの方を見て喋っていた...と思う)

直感的に「ここに関わってみたい」と思って、会場にいた奈美さんに話したら、
「この子よろしく~!」と井上さんのところに連れていかれて、そのまま上田市のプロジェクトへの参加が決まった。

それから3カ月間ほど、平日は仕事を続けながら、土日は上田市に行く生活を送った。途中、井上さんが「これから女性向けの託児所付コワーキングスペースをつくる」と言って、改装予定のビルに連れていってくれた。

この時点で、まだ何もカタチになっていなかったけれど、直感的・衝動的に「一緒にやりたいです!」と口走っていた。

ここから約半年の間に、井上さんは着々と資金繰りと施設づくりを進めてくれ、わたしは前職での任務をやり遂げ、上田市に移住、コワーキングスペース立ち上げにジョインした。

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【このあと2年間、コワーキングスペースとしてコミュニティや仕事づくりをしていくのですが、紆余曲折あって2017年にコワーキングスペース事業を縮小し、現在取締役COOを務める「株式会社はたらクリエイト」の立ち上げに至ります。その内容は改めて...】

点と点をつないで線にしていく

よくよく振り返ると、ほとんど「直感」で動いていて、我ながら「なかなかリスキーな決断をしたな」と思うのだけど、不思議と選択を後悔したことはない。
(「もう無理だ...」「もっとこうできればよかった...」と思うことは何度もあるけど)

なんとなく、やっているうちに点と点が線になっていく感覚があって、
幼い頃感じていた想いも、もがいていた時期も、いまでは無駄じゃなかったかなと思える。
(ちなみに、クランボルツさんが提唱した『プランド ハップンスタンス』という理論が好き)

プランド ハップンスタンス(計画的偶発性)理論
・個人のキャリアの8割は「予期せぬ偶然の出来事」で形成
・「偶然の出来事」に、本人の主体性や努力を最大限積み重ねることで、キャリア発展につながる
・ただ待つのではなく、積極的に行動することで、キャリア発展につながる「偶然の出来事」を増やすことができる

▼効果的に実践するための5つの力
好奇心・持続性・楽観性・柔軟性・冒険心


余談ですが、わたしが入社するにあたって、井上さんと交わしたやりとりは、これだけ。
(うちの会社ではもはや鉄板ネタ)

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まがりなりにも人材業界で働いてきて、採用というのは基本的に丁寧に進めるものだと思っていたので、「いいね」ボタンだけで進めちゃうかんじは衝撃的だった。
(もろもろ整えてきていますので、これから入社される方はご安心を...)

このあと井上さんを呼び出して、「本当に採用する気あります?」と確認することになるのだけど。
一応意図を確認したら、「直感で採用は決まっていたし、"いいね" 以外言いようがないよねぇ。大きいサイズの "いいね" を送ればよかったのかぁ...」と言っていた。(そういうことではない)

この先はまだ決めていない

ここまでは、5年前の話。
「ずっと上田にいるんですか?」と聞かれることもあるのですが、正直それは自分でも決めていなくて。

大前提として、いまの仲間を大事にしながらも、
世の中により誇りを持って生きる人が増えたら嬉しいし、
この先は「地方」という概念もはずして、個々の可能性が解き放たれるような、「n×n」のきっかけをつくり続けていたい。

まだまだ、「点を増やして線をつないでいきたい」。そんな気持ちです。

▼Special Thanks !
・色んなチャレンジをさせてくれ、真剣に向き合ってくれた前職のみなさん
・上田に踏み入れるきっかけくれた、ETIC.と石川県の恩師 奈美さん
・関わりたい "場" をつくってくれた井上さん
・「なんで上田に?」という問いをくれたみなさん
・最後まで読んでくださったみなさん

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