なにものゼミ第一回講義概要
テレビ制作現場の『理不尽』と戦う!!
テレビマンユニオンの津田環さん
なにものゼミの初回講義を11月22日に行いました!
初回のゲストはテレビマンユニオン津田環さんをお呼びしました。
これまでに担当された番組は、「世界ウルルン紀行」「オオカミくんには騙されない」そして現在も放送中「Wの悲喜劇」だ。プロデューサーとして成功を収めている彼女も女性であるという理由で働きづらさを感じることがあるという。
セクハラが多いテレビ・映画業界
テレビ業界。みなさんはどんなイメージを持つだろうか。
津田さんは制作現場の現状をお話ししてくださった後に過去も今も男性社会であるということを教えてくださった。役員クラスの立場が強い人たちは皆男性。当たり前に女性の意思決定が反映されていない。今後の経営がどこに向かうのかに女性の意思や常識が反映されていないのが現状だという。また、仕事上の立場が向上していかないことが多いため、女性が働いても給料が上がらず生活が困窮していくことが多いのも問題だという。細かな問題を女性が担い続ける体制にも陥りがちだ。津田さんは大切なのは女性同士で結託し自分達の主張を曲げないこと、諦めないこと、嫌なことは嫌だと伝えることであると、強い口調でおしゃっていた。
ジェンダーを意識し始めたメディア。実際どのくらい向き合っているの?
SDGs。国連が2030年の持続可能な社会を構築する為に17の目標を掲げている。SDGsの中には「男女平等」も掲げられており、日本メディアもとうとうジェンダー問題に直面し始めた。つまり、なんとなくジェンダー問題をやらなければならないという雰囲気は業界内にも漂っている。根本的に変化させようと考え取り組んでいる番組もあるそうだが全てがそうではないというのが現状だそうだ。だが、メディアも世の中の声を無視することが出来ない。ジェンダーにまつわる炎上は度々起こる。徐々にジェンダー問題を意識し番組制作が行われているとおしゃっていた。
表現の自由とジェンダー
だが、ジェンダーを意識しすぎることで表現方法が狭まっているのも事実だという。SNS上には多様な意見があり、ジェンダー描写ひとつとっても快・不快の区別は非常に難しい。それ故にジェンダーに関わる表現が段々と萎縮してしまうのではないかという事も同時に危惧していらっしゃるそうだ。
働きやすい環境を作りたい!
コロナ禍でリモートワークが進んだのはメディア業界も同じだ。それぞれの自宅にて編集ソフトを利用し仕事をする事が出来るようになった。津田さんは女性だけでなくてみんなが働きやすい環境を作りたいとおしゃっていた。時間や場所を強制せず、みんながそれぞれ働きやすい場所や時間で仕事を続けていけるよう、責任を持ちたいとおっしゃっていた。そして、困っている人がいたら助けの手を差し伸べることも意識しているそう。お互いに助け合って働きやすい環境を作っていきたいそうだ。
Q.あなたはなにもの?ーA.プロデューサーです
このゼミの定番の質問。うわーそうだよね…絶対聞かれるよね…うわー忘れた…とおっしゃった後、悩みに悩んで出てきた一言。
「プロデューサーです。仕事に生きている人間です」
自分のためだけはなく、視聴者のため、出演者のため、同僚のため、みんなにとってハッピーな環境を拡げていけるよう120%の力を尽くしていらっしゃる津田環さん。
なにものゼミ初回にまさにうってつけな、エネルギッシュな講義をありがとうございました。