相方のケンジという男
こいつはNSC入学前の面接の時に現れた。
時間をきっちり守る私は、一番最初にNSCのエレベーター前で待っていた。
1人で入学予定だったので1人っきりで心細かった。
すると2番目に外国人がやってきた。
小さいインド人だと思った。
話しかける話しかけないの葛藤などはなく、
気づいたら話しかけていた。
日本語がペラペラだった。
すげえと思い、ずけずけ話しかけていると、
小さいペルー人だった。
詳しく聞いていると、イタリアと日本の血も入ってると言い出した。
こいつは何だ。
面白いなと思った。
これが吉本かと思った。
後にコンビを組むことになるケンジと、
すごく仲良く話していたので、
周りはコンビ入学だと思っただろう。
後に我々桃源郷のことをすごく気にかけてくれていた、社員の谷川さんという方が、面接官だった。
集団面接だったので、ケンジはすごく目立っていて、谷川さんも食い気味に話しかけていて、千鳥さんに話しとくわって仰っていた。
直感でこいつと組んだら面白いやろなって思って、
面接が終わった後もタバコを吸いながら、
こういうネタやったら面白いやろうとか話して、
LINEを交換してその日はとりあえず帰った。
入学式も終わり、相方探しの会が始まった。
1人で入学した人の為の相方を探す会。
正直時間も短く、誰が良いとか、誰が面白いとか分からなかった。
自分は多分すごく尖っていたので、自分がネタを書く、言うことを聞く相方がいいと思っていたが、そんな奴は誰かが良いとは思ってくれるわけもなく、困っていた。
その間ケンジとはずっと連絡をとっていた。
返信が遅くても、しっかり続いていた。
私「誰かいい人おった?」
ケンジ「いや分からへんなぁ」
私「こんな感じやったら決まる気せーへんな」
ケンジ「でもおれ第一志望はたいが(わたくし、ヲトミの本名)やねんなぁ」
私「、、、」
一瞬考える
もー決めちゃおうか、でも外国人と組んで、俺が前に出れるわけもないし、どうしよう、、、
私「もーさ、組んじゃおうや!」
そこから桃源郷が生まれました。
最初らへんの現役生ライブで1位になって、そこから今に至ると言うわけです。
結果的に言うと、ネタつくりは大変。
でもこの唯一無二な感じが良いのかと。
ケンジという男は、すごく人見知りで、好き嫌いが激しく、顔にも出たりします。
同期の文太(Mrs.ミュシャというコンビ)がすごくちょっかいを出すと、露骨に嫌そうな顔をします。
楽屋ではいつも1人で携帯をいじっています。
ピンク色の画面です。
同期とはあんまり話しません。
嫌いではなく、得意ではないのです。
ペルー人の陽気な感じとは真逆だ。
ただ、先輩とは楽しそうに話す。
楽なんだろう。そっちの方が。
相方のケンジはテレビにちょこちょこ出してもらっていて、外国人っていうのが面白く、話す言葉もすごく受けていた。
見ていて面白かった。
期待されてしまうのは、仕方ないが、
じゃない方の、仕事が来ない方の私の分も、
頑張っていただきたい。
私は最近ネタに悩んでいる。
こいつは、待っていてくれている。
ええ奴だ。
最近は特に不安そうな顔をするから、早く書かなければ。
ケンジはペルー人なのに、ペルーに行ったことがない為、ペルーについて知らない。
私の方が詳しい。
一回私がケンジにラテンダンスを教えていたこともある。
たまには題材持ってきてくれ。
結論
日本で生まれた外国人は、根暗。
だそう。