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諸行無常spring。

中2、中3の時に担任だった男の先生が

「俺も中学生の時、新学期が苦痛だった」とホームルームの時かなんかに話していた。

「クラス替えがマジで苦痛だった」

「なんとか学校に通うためのモチベーションを作らなければと思って、新しいクラスの中から片思いする女子をひとり決めて、」

「そのコの顔を見るために学校に行く、という生活をしばらく続けて、どうにかこうにか頑張って学校に通っていた」と当時を振り返って語っていた。

そんな事を思い出していた3月4月。

出会いと別れの季節であります。3月4月。

私の身の回りでもいくつか別れがあった。

そのひとつに。これまで同人サークルを組んでいた編集さんがサークルを離脱する事になり、

今後は実質、私一人でサークルを持つという形になった事が挙げられる。

編集さんが離脱したというべきか、私が独立したと言うべきか、解散する事になったと言うべきかはわからないけど

ここに至るまでに私自身、段階的にいくつか心境の変化があった。

①多少知識がついたお陰で、サークル運営自体はどうやら自力でも出来そうだと思えるようになった事。(実際に上手くできるかどうかは別として。)

②編集さんが本業の都合で超多忙だという事。

③上記2つの理由から、独立心が静かにつもり続け、いつ独立しても良いように心では準備していた事。

他にもまだいくつかあるんだけど、
大きいところではこの3つ。

そんな感じで、今年の3月後半に編集さんから

「今、Wワークをしているうちの片方の出版社に、本格的に就くことになりそう」

「そこの業務の拘束時間もかなり長く、正直、名仁川さんひとりでもサークル運営は可能だと思うので、この辺りでサークルアカウントを名仁川さんの名義に移行するのもひとつだと思う」

と提案され、

その提案に私が乗った形で、独立する事となった。

この編集さんには、かれこれ8年程お世話になった。

当時パニック発作持ちの無職だった私を成人向け雑誌でデビューさせてくれた人であり、既刊単行本3冊を出版できたのも、この人がいたお陰だと思っている。

一人で新幹線に乗れるようになったのも、じゃらんでビジホを予約する方法を覚えられたのも編集さんがきっかけだった。(重度のインドア故に外出スキルが皆無)

つまり私にとっては社会的命の恩人であり、1年くらい前までは縁が切れる事なんて怖くて考えられなかった。

でもここに来てすんなり「じゃあ独立ってことか…」と受け入れたのには、正直自分でも驚いた。

この決定によって、編集さんとの関わりはほぼ無くなると言っていい。

それでもなんとなく、

今が適時だと直感的に思った。

ただ、

すんなり受け入れたからと言って、全く不安がないというワケではなかった。

私は同人活動のノウハウが全くなかったので、FANZAに登録している同人サークルは編集さんが管理していた。

このサークルのアカウント情報を私のアカウントに移行する手続きを行なってもらい、

この度、私が同人サークルの管理者となった。

一通りアカウント内をチェックして

とりあえずしばらくの間は、1から10まで自分でやってみようと決意した。

今までやったことのなかった写植作業、タイトルロゴ、サンプル画像の作成、諸々のアカウント上での手続き、

それらを当分はすべて自分でやることにした。

最初は時間がかかるだろうし、うろたえる事も多いだろうし。

というか現在進行形でうろたえていたし、単純に怖い。

バケツの水から川に放たれた稚魚になった気分。

漠然とした不安が重なって何日か心ここにあらずな状態になり、道で人と上手くすれ違えず何度かぶつかりそうになった。

このまま溜め込むとまた電化製品が故障ラッシュを起こすかもしれないと思って、何人か身近な人に現在の心境を話す事にした。

昨年お世話になった占い師さんにも会ってきた。

当たるとか当たらないとか以上に、この占い師さんは話しやすい。

(でも前提としてこの人に言われた未来はやたら当たる)

占い師さんからは

「最高のタイミングで独立したね」

「向こうから切り出して貰えてラッキーだったと思うよ」と言われた。

占「るいさん、独立心が芽生えても自分から『じゃあ私、今から独立します!』って切り出せないでしょ」

私「無理ですね」

占「あとねるいさん、仕事してる部屋に植物置いてる?」

私「ありますよ。ゴムの木の鉢植えが1つ」

占「葉っぱに溜まったホコリ拭いてくれって、訴えてるわよゴムの木が」

私「どうもすみませんでした」

そんな感じで色々と駄弁りながらも、たくさんお話してアドバイスをもらったら、ちょっとだけ心がスッとした。

なんにせよ、物が壊れる(⇐これは昨年散々味わった)、人が離れる、これまでいた場所から立ち位置が変わる、ってのは新しいフェーズにすすむ証だということで、もう腹を括るしかないようだった。

自分で言うのもなんだけど、ビビりのくせによくこんな不安定な生活続けていると思う。本当に。

体調も精神も不安定なのによくやってるよ我ながら。

そんなこんなで、必要な知識を集めて液晶タブレットとにらめっこしながら試行錯誤していたんだけれど、

どうにかなりそうだ、というところまで来れたから今休憩しつつ、この記事を作っている。

でも、何だろう。

変な言い方に聞こえるかもしれないけど、基本的に神様は私にやさしいと思う。

私は複数のタスクをこなさなければいけない状況だったり、変化変容がズドンと起こってしまうような状況にめっぽう弱くて、すぐ精神的に参るんだけど

『私が耐えられるレベルの出来事だけが、私の元に投げ込まれている』という謎の信頼がある。

逆に言えば、『私が耐えられないレベルの変化変容は、私の元では起こらない』という信頼がいつも地味に存在している。

そして実際耐えられている。

もし耐えられない事がおきているとすれば、それは私が私に重圧をかけて逃げ道を塞いでいる時だけだ。

ちなみに。

占い師さんから「編集さんが離脱して空いたスペースに、いずれ新しい『知恵者』が入ってくるから楽しみにしているといいよ」とさらっと言われた。

占「今までのものとは違う、新しい知識を授けてくれる人に出会う事になるから」

外見の特徴も教えてもらったが、現時点で出会っている人ではなさそうだった。

その人が今後、何らかの形で私のサポートに入るらしい。

これまでもそうだったけど、腹を括ると必ずサポートが入ってくる人生なので、非常に助かる。

もっともっと、

だから周りには感謝しないといけない。

今までお世話になった人にも、
これからお世話になる人にも。

ここのところずっと自分の事ばかりで、周りに感謝が足りてなかった気がする。

よくないね。

うん、ほんとよくない。

気を付けましょうね、本当に。



ところで、幼い頃通っていた駄菓子屋の跡地は、いつの間にか綺麗な更地になっていて売り看板が出ていた。

その売り看板も先日外れていたので、どうやら新しく家が建つらしい。

ところで、小さい頃からよく通っていた書店さんも、もう少しで無くなる事が決定しているようで、最近少し色々さみしい。

でも、どれもこれも仕方がない事なんだろうな、と思いつつ、

明日からこの辺りでは雨が降るそうなので、その前にお花見に行っておこうと思った。




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名仁川るい(ナニガワルイ:成人向け漫画家)
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