曲中で人を殺しすぎ問題【自作曲解説】
恋愛ソングが作れないんだったら
人の死について歌うしかないじゃない!!!!!!!!!!
どうもエクレアPです。
基本的に、私は曲の設定についてはあんまり語らないです。
というのは私の脳から出てネットに上った時点で、
その曲は私のモノではなくなるので、聞いた人が好きなように解釈して聞けばいいと思っているからです。
私のボカロ曲を、あなたのオリキャラのキャラソンとして捉えてもらっても一向にかまいません。好きなように聞いてください。
(フォローワー5000万人ぐらいの人がビックボイスで公言されるとちょっと困るかも……)
でもまあ、私の曲はと言うと、解釈を自由にゆだねる以前に、
なんていうかまず聞かれてないので、作品解説とかをしてもいい気がするので、します。
今回解説するのは
「人間のお寿司はいかがですか?」
「幸せになんかなれない夜に」
「消火された死」
の3曲です。
すでにタイトルが不穏ですね。
私の「人が死ぬシリーズ」の曲は、各曲に類似性があったり関連性があって興味深いと思ったので、作った当時の時のことを振り替えりつつ解説してみます。
※注意※
けっこうグロく人が死んでおります。
苦手な方はご注意ください。
1.人間のお寿司はいかがですか?
このまえ投稿した新曲ですが、
思ったよりいい感じにできたので解説。
そもそも、今回、note記事を作ったのは、この曲が原因です。
この曲、「すごくえっちな曲を作ろう!!」と意気込んで作ったはずなんですが、
出来上がったのが、風呂で孤独死して腐ってる人間の歌という、
なんかもうマジで本当にどうしようもないなと思って解説します。
一応私の名誉のためにフォローしておくと、腐ってる系R-18Gはたぶん範囲外です。
一応は音楽的にえっちだな!!!と思う曲を作ろうとしただけです。
音楽が「えっち」と語られるときって、大体コード進行なんですが、(例:この変態コード進行は大変えっちだ!!)
正直私は、コード進行よくわからんから興奮しないということがわかり、
また、直球で喘ぎ声入れるのはなんか嫌なので、別のところで勝負することにしました。
今回の一番のポイントは、ピアノの低い「どーん!」って和音ですね。
THE・絶望!!!!って感じがして、すごくえっちだとおもいます。
思いつくのはBotWのハイラル城とか、シルドラカンパニーさんのmidnight hightwayのサビとか。あとラフマニノフ、ショパンとか。
じゃあ、音楽的な解説はこの位にして、歌詞の解説。
よく小さいころから妄想するのは、
魚の生け作りとか、捌く動画ってすげえグロよな、人間でやったらどうなんだろう、っていうことでした。youtubeで魚の解体動画とかみながら歌詞書いてました。
サビは最初は「よっといで よっといで 人間のお寿司屋さんですよ」
みたいな感じでした。最悪です。
で、そんな感じで作ってたんですが、人間のお寿司屋さんをやっていても話が展開しないというか、モチーフが足りないので、
前々から気になってた「浴室で孤独死」モチーフを入れることに。
正確に言うと、
「知人の検死の立ち合いから帰って来た主人公が、夕飯を作ろうとして魚を捌く、そこに知人を重ね合わせて見ている」
という曲の作りになってます。
魚と人間のダブルミーニングです。
水槽の魚と、浴槽の中の人間。たぶん湯舟が冷えたんでしょうね。
また、主人公自身も一人暮らししているため、自分もいつかああなるのではないかと恐怖している描写でもあります。
台の上っていうモチーフは後半にも出てきますが、検死台か遺体置き場の台のことじゃないですかね。
今まな板の上に載っている死にたてホヤホヤの魚と、さっき検死で見てきた友人の遺体を同一視しています。
骨とワタ(内臓)が抜かれるって言うのは、魚を捌くのもそうなんですけど、たぶん検死で知人も捌かれたんじゃないかな。
この辺の以下の描写は遺体発見時の現場描写ですね。
入浴中の遺体はマジでヤバいらしいです。
まあ正直気持ちのいい話ではないので、小説やゲームだったら絶対ここまで細かく書かないんですが、
まぁボカロ曲の歌詞なのでやりたいようにやってます(最高の免罪符を手に入れている)
わかりにくいですが、ここだけBGMの鐘の音を鳴らしています。
りごーん。りごーん。
そんで、ひとしきり捲し立てた後に間奏。ここすき。
以下は主人公の後悔。知人ですからね。
この直後に
会いに行っていたら。連絡が取れないことを不審に思っていたら。
あの時電話すれば。あのときもっと引き留めていたら……。
気づかなかった私が悪いんだ。
あの人は、私が殺しちゃったようなものだろう?
でも、救えたかも、なんて自惚れないほうがいいかも。
2.幸せになんてなれない夜に
あえて明言避けてた気がするんだけど、
早期流産を経験したお母さんの話な気がします。
(失恋の曲としても聞けるように作っているはず)
キミが(私のお腹の中から)いなくなってから
トツキトウカの日が過ぎた。本当だったら子供が産まれていたはずの日なんだ。
あまりにも長い月日だった。
いまさら泣くべき理由はどこにもにないだろう。
だって早期流産だから、子供としての概念はかなり薄いし、
法的にも死産と言う扱いにはならない。
だから未だに泣きながら暮らしているのはおかしいし、
周りからも変な目で見られる。
だから最近は平気なふりをしている。
父親(旦那)は、早く二人目を作ろうと言ってくるが、
正直そんな気分にはなれない。
だけど私は女性だから、年齢制限がある。
飯は喉を通らない、だけど食べないと、
夜はよく眠れない、だけど眠らないと、
早く授からないと、早く産まないと、
あの子の分まで幸せにならないと……。
と言う曲ですね。
結構主人公の立ち位置と設定がハッキリしているのは、
私がこういう小説を書いて、一時期はこのお母さんを主人公のゲームを作ろうとしていたからですね。
あんまりにも暗くて救いがないのでやめましたけど・・・。
でもいつか作りたいなー。
3.消化された死
隣の家のサッチャンが電車に轢かれてランデブー。
ミンチになったサッチャンは色も豊かな断片集。
飛び込み自殺だって。
(ちなみに歌詞中では自殺と言う単語を出していないのが味噌です)
知り合いであるサッチャンと、
それがニュースとして消費、消化されていく無念さ。
まるで人のミンチ肉で出来た料理を、
嬉々として食べている人間のようじゃないか。
愚かで、空しくて、無念で、怒りが沸いてきて、何もできない自分。
マスコミに怒り、ニュースとして消化され、そして忘れ去られていく無力感。
ところが自分だって、今までセンセーショナルな可哀そうな話をたくさん見聞きしてきた。
著名人の死や、目を覆いたくなるような事故、悲惨な事件。
あれだって、人肉で出来た料理だったのだ。
そんな料理を、私だってたくさん食べて来たじゃないか。
あの時食べた料理ってまさか・・・オロロロロロロロロr
と言う話です。
「人間のお寿司はいかがですか?」とかなり近いモチーフで、
しかも意図したわけではないのに、かなり曲調が似ていたので、なんとなく懐かしくなりました。
あと、2つの曲が、なんちゃって「涙のモチーフ」の連打が使われているのが興味深いです。
1音ずつ音が下がるフレーズですね。ダウランドの「涙のパヴァーヌ」とかの時代で流行ってたらしいです。(歌詞で言うとFlow, my tears…のところ)
消化された死だと「マイクカメラ興味視線むけられ……」のところ
人間のお寿司だと「家に帰り飯を作り魚えらに……」のところとか。
閑話休題。
この曲は、主人公とサッチャンはあまり親しい関係にはないので、
と言うかただの隣人なので面識がほとんどなく、
「どうして自殺するまでほおっておいたんだろう」と主人公が自責の念に駆られることがないのが、興味深いなと思っています。人間のお寿司とはそこが違う所ですね。
無念さが無念であり、ただ死と言う事実がずっとそこにあるという恐ろしさ。
しかしそれも消化され、自分の血肉となり、消え去っていく。
4.まとめ
という3曲について解説してみました。
でも、これ以外に人が死んでる曲もあるんですよね。
夏は轢かれたその雨にとかも、たぶん『彼』が交通事故で死んでる気がする。
特に設定してないんですけど、なんとなく聞いてると、
野球少年が父親の交通事故死をきっかけにスポーツの道を諦めちゃう、みたいな物語が見えてくるような気がする。
特に作ってるときは考えてなかったですけど。
結局人間になれなかった怪物の歌は、誰も死んでないですよ。
ホントデスヨ。
しかし私、なんでこんなにグロくて悲しい曲ばっかりつくるんだろ?と疑問に思ったんですが、
たぶん小説や絵やゲームで、こういうモチーフやるのは気が引けるから、
結果として曲のほうで出力してしまうのかな、と今思いました。
それでは。