『進撃の巨人(34)』の感想
ブクログにネタバレしないように気を付けて書いてみたら、何が言いたいかよくわからなくなったので、こちらではネタバレありで感想を書いてみようと思います。
昔ながらのバトル漫画は、敵がどんどん強くなっていくというのが定石ですが、『進撃の巨人』は「巨人」→「国」→「摂理」と話が進むにつれ、昔ながらのバトル漫画とは別のベクトルで敵が強大になっていきます。
この明確な敵がいないというのが『進撃の巨人』の世界と現実世界の共通点であり、巨人が跋扈する異世界を大人でもすんなり受け入れられる理由なんじゃないかと思います。
こういった「摂理」の様な倒しようのないものに主人公が立ち向かう話は、主人公が勝ってしまうと話が陳腐に、完全に負けてしまうと読者が興醒めしてしまうので「勝つことは出来ないものの、完全には負けない」というのが程よい落し所になります。『進撃の巨人』はこの落し所が、これ以上はない非常に良いバランスでした。
昔はこういった世界の残酷さみたいなものは、もう少しオブラートに包んでお届けされていたと思うんですが、それを真ん中に描く作品がこれだけヒットするというのは、年齢層が上がったってのもあると思いますが、読者の懐がふかくなっていることを感じされられますね。
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