見出し画像

MacでDropboxの同期フォルダを外付けNVMe SSDに設定する方法 ~外付けストレージの選び方と、シンボリックリンク活用術~

1. Macの内蔵ディスクは高価!外付けSSDを使うメリット

有料記事にしていますが、全文無料で読めますよ!
気に入った!役に立った!って人がいたらコーヒー代チャリーンしてくれると喜びます。

新しくMacを購入するとき、内蔵ディスク容量の選択で悩むことはありませんか? 私はめっちゃ悩みます。だってMacは(基本は)後から入れ替えできないから!
市場価格をあざ笑うアップルの価格設定に毎度毎度頭を悩ませているのは私だけではないはず。大容量のディスクを選ぶと一気にコストが上がり、できればそのぶんをメモリやほかのスペックに回したいところ。

Dropboxとの同期問題

しかし、悩ましいのがDropboxとの同期です。自分は仕事で使っているのですが、2TBプランを使用。しかし、内蔵ディスクを2TBにするには……そう、予算が足りません。
一昔前は外付けディスクでも使えていたのに、Appleの仕様変更で数年前にDropboxが内蔵ディスクでしか使えないクソ仕様に一時期なっていましたね。最近まで、まだその仕様だと思っていたのですが、条件揃えば外付けディスクにDropboxフォルダを指定できるとの情報を得た私は迷いなくMacの内蔵ディスクを512GBで購入。

そこで役立つのが我らが外付けNVMe SSD。以前は「外付けは内蔵ディスクより遅い」「バックアップ専用でしか使えない」と思っていたのですが、今ってすごいですね! NVMe対応の高速SSDをThunderbolt 3/4などで接続すれば、内蔵ディスクとほぼ同等のスピードを得ることができます。

せっかくDropboxの容量が2TBあっても、内蔵ディスクの空きが足りずにファイルが「オンラインのみ」になってしまい、開くたびに都度ダウンロードが必要になるのは、Dropboxの便利さの90%を損なっていると思うのよ。

ということで、以下の内容について書いていきますよ!

  • Dropboxの同期フォルダを外付けSSDに設定して内蔵ディスク容量を節約する方法

  • 外付けストレージを選ぶ際の注意点(「外部ストレージ」と認識されるSSD/HDDの見分け方)

  • シンボリックリンクを使うメリットと活用術

あと、おまけで私が最終的に購入したSSD構成を紹介してます。

2. Dropbox同期フォルダを外付けSSDに設定する方法の概要

かつては「Dropboxのフォルダは外付けドライブに置けない」という情報もありましたが(実際私の頭の中では外付けドライブにDropboxフォイルだは指定できないと思ってました)、現在(2025年2月時点)では正式にサポートされています。ただし、以下のような条件接続方法を満たす必要があります。

2-1. 必要条件

  1. 外付けSSDの接続方式
    1-2. Thunderbolt 3/4 または USB 3.2(UASP対応など)で直接Macに接続されていること
    1-2. ネットワークドライブ(NASサーバーなど)やSDカードなど「リムーバブルメディア」は不可
    1-3. ドライブがMacから「外部ストレージ(External)」として認識される必要がある(後述)

  2. フォーマット形式
    2-1. APFS(暗号化 or 非暗号化)でフォーマット
    2-2. macOSの「ディスクユーティリティ」でフォーマット可能

  3. Dropboxアプリのバージョン
    3-1. 最新版を使用

  4. macOSのバージョン
    4-1. macOS Monterey 以降

  5. Dropbox フォルダに保存されているファイルが 50万件未満である


2-2. 外付けSSDを使うメリット

  • 大容量を安価に確保できる

  • 内蔵SSDを節約できるため、システムやアプリを高速かつコンパクトに維持

  • NVMe SSDなら内蔵ディスクに近い速度でやり取りできる

3. 外付けSSDをDropbox同期フォルダに指定する具体的な手順

3-1. 外付けSSDを接続・フォーマット確認

  1. 外付けSSDをMacに接続し、Finderで認識されているか確認する

  2. 必要に応じて「ディスクユーティリティ」を開き、対象ディスクをAPFSでフォーマットする(「消去」→「フォーマット:APFS」)

3-2. Dropboxの設定画面でフォルダを移動

  1. Dropboxアプリを起動

  2. 右上のDropboxアイコンをクリック → プロフィール写真(またはアカウント名)をクリック

  3. 「設定(Preferences)」を選択

  4. 「同期(Sync)」タブを開く

  5. 「Dropboxフォルダの場所(Dropbox Folder Location)」をクリックし、「移動(Move)」を選択

  6. 外付けSSD上の任意のフォルダを指定

  7. 移動が完了すると、Dropboxアプリが自動的に再同期を行う

3-3. 同期状況を確認

  1. Finderで外付けSSDに作成されたDropboxフォルダをチェック

  2. フォルダやファイルのアイコンに緑色のチェックマークが表示されれば、同期は正常に行われている

なお、Dropbox公式でフォルダの移動方法というサポートページがありましたので、追記でリンクを置いておきます。


4. シンボリックリンクの活用方法とメリット

Dropboxフォルダを丸ごと外付けSSDに移動する方法は公式にサポートされており簡単ですが、一部のフォルダや特定データだけ外付けに置きたいという場合もあるでしょう。そんなときに便利なのがシンボリックリンク(Symbolic Link)です。

4-1. シンボリックリンクとは?

  • リンクを張ることで、実態のあるフォルダを別ディスクに置きつつ、あたかも元の場所にあるかのように見せかける技術

  • Macのターミナルで `ln -s` コマンドを使うと作成できる

ln -s /Volumes/外付けSSDのパス/移動先フォルダ /Users/ユーザー名/Dropbox/リンク元フォルダ

4-2. シンボリックリンクを使った実例

  • メールデータの移動

    • POP受信で長年溜まったメールデータが数十GBに及ぶことも

    • それを外付けSSDへ移し, 元のメールデータフォルダにはシンボリックリンクを作成

  • Adobe After EffectsやPremiereのキャッシュファイル

    • 映像編集ソフトのキャッシュは数百GB単位で膨らむことも

    • キャッシュフォルダを外付けSSDに逃がして内蔵ディスクを節約(キャッシュファイルは内蔵ディスクから逃がすだけで、Dropboxの共有に売れる必要はないと思います)

4-3. シンボリックリンクを使うときの注意点

  • リンク切れ

    • 外付けSSDのパスや名称を変更したり、接続を外したりするとリンクが壊れる可能性あり

  • Dropbox上の扱い

    • Dropboxアプリ自体が管理するフォルダを無理に動かすと不具合の原因になるため、用途やフォルダを厳選する

  • 多少の複雑さ

    • 公式の設定に比べて手順が増える(ターミナル操作が必須)

5. 「リムーバブル扱い」と「外部ストレージ扱い」の見分け方

Dropboxで外付けドライブを同期フォルダに指定するには、Mac上でそのドライブが「外部ストレージ(External)」=固定ディスク(Fixed Disk)として認識される必要があります。「リムーバブルメディア」として扱われると、Dropboxが同期先に指定できずエラーになります。


5-1. 接続方式別の目安

  • Thunderbolt 3/4

    • リムーバブル扱い:ほぼなし

    • 同期フォルダ指定の適性:◎(高確率で外部ディスク認識)

  • USB 3.2 / USB-C(UASP対応)

    • リムーバブル扱い:低め

    • 同期フォルダ指定の適性:○(製品によっては問題なく使える)

  • USB 3.0 / USB-A

    • リムーバブル扱い:やや高い

    • 同期フォルダ指定の適性:△(機種依存あり)

  • USBメモリ(Flash Drive)

    • リムーバブル扱い:非常に高い

    • 同期フォルダ指定の適性:×(ほぼ不可)

  • SDカード(カードリーダー)

    • リムーバブル扱い:非常に高い

    • 同期フォルダ指定の適性:×(ほぼ不可)

5-2. 製品情報で「Fixed Disk」と記載されているか

  • メーカーの公式サイトや製品仕様を要確認

  • 「リムーバブルディスク(Removable)」と書かれている場合は同期フォルダに指定できない可能性大

  • Windows環境で試せる場合は、ディスク管理画面などで「Fixed Disk」と表示されるかチェックするのも手

6. Dropbox同期フォルダとして使える可能性が高いストレージ例

以下は一例です。環境や製品ロットによって認識が変わる場合もあるため、購入前にしっかり確認しましょう。

6-1. 推奨~比較的使いやすい製品

  • OWC Envoy Pro FX(推奨)

    • 接続方式:Thunderbolt 3 / USB-C

    • 特徴:プロ向けNVMe SSD、高耐久・高性能

    • 認識傾向:◎(確実に外付けディスクとして認識)

  • Samsung T7 Shield(推奨)

    • 接続方式:USB 3.2 Gen 2

    • 特徴:耐衝撃・高速

    • 認識傾向:○(外付けディスク認識が多い)

  • Western Digital My Passport SSD

    • 接続方式:USB 3.2

    • 特徴:AES暗号化対応・信頼性の高さ

    • 認識傾向:○(外付け扱いされることが多い)

  • Seagate Backup Plus HDD(2TB~4TB)

    • 接続方式:USB 3.0 / USB 3.2

    • 特徴:容量重視のHDDタイプ、コストパフォーマンスが高い

    • 認識傾向:○(外付け扱いされることが多い)


6-2. 要注意~リムーバブル扱いの可能性がある製品

  • SanDisk Extreme Portable SSD

    • 接続方式:USB 3.2

    • 特徴:小型・軽量・人気モデル

    • 認識傾向:×(環境によってリムーバブル認識が多い)

  • USBメモリ(Kingston等)

    • 接続方式:USB 3.0

    • 特徴:非常にコンパクト

    • 認識傾向:×(ほぼ確実にリムーバブル扱い)

  • SDカード(MacBook内蔵スロット)

    • 接続方式:SDカード

    • 特徴:カメラ用途が中心

    • 認識傾向:×(リムーバブル必須の仕様)

7. 運用上の注意点・ベストプラクティス

  1. 外付けSSDは常に接続しておく
    2. Dropboxは指定フォルダが見つからないとエラーが発生する
    3. 外付けSSDを外すときは一旦Dropboxを終了するほうが安全

  2. 定期的なバックアップを取る
    2. 外付けSSDにトラブルが発生した場合、Dropboxの同期データが失われるリスクがある
    3. 別ストレージやクラウド等でバックアップする習慣を

  3. 選択的同期を活用
    2. 不要なフォルダを同期対象から外すことで、ストレージ使用量を削減
    3. Dropboxの「スマートシンク」や「選択的同期」は内蔵ディスクの容量節約にも効果的

  4. シンボリックリンク利用時はリンク切れに注意
    2. 外付けSSDのパスや名前が変わるとリンクが壊れる
    3. Dropboxで管理されるフォルダは公式手順で移動するのが原則で、シンボリックリンクは「どうしても移せないシステム関連ファイルの退避」などに限定すると良い

8. まとめ

  • Macの内蔵ディスクを節約し、大容量データを運用するには、外付けNVMe SSDの活用が非常に有効。

  • Dropbox同期フォルダを外付けSSDに指定する場合は、

    • Thunderbolt 3/4などで直接接続し、APFSでフォーマットする

    • Dropboxの「フォルダ移動」機能で簡単に移動できる

    • 外部ストレージとして認識されるSSD/HDDを選ぶ(「Fixed Disk」表記などを確認)

  • 一部のデータのみ外付けに移動したいときは、シンボリックリンクを活用すれば柔軟にフォルダを分散可能。

  • ただし、外付けディスクを常時接続しないと同期エラーが発生するため、運用方法をよく考える必要あり。

  • 外付けSSD/HDDを新たに購入する際は、「リムーバブルメディア」と明記されていないかどうかをチェックし、メーカー仕様で「外付け(Fixed Disk)」として扱われるかを必ず確認しましょう。


以上が、MacでDropboxの同期フォルダを外付けNVMe SSDに設定する方法と、ポータブルSSD/HDDを選ぶ際のポイント、そしてシンボリックリンクの活用術のまとめです。作業環境や用途に合わせ、最適な運用方法をぜひ検討してみてください!

ちなみにSSDは容量を圧迫するとどんどんパフォーマンスが落ちて、読み書き速度ががた落ちします。常に3/4以下にしとくのがベスト。例えばSSDの容量が1TBだったら700〜800GB以下で常に運用する感じです。

9. 最後に

私自身、普段はアドビのイラストレーター、フォトショップをメインにデザイン業務とオフィス系のソフトウェアなどを同時起動して使っています。映像系はたまーに触る程度。そんな中、いろいろな人のレビューを読んで調べた結果、DRAM付きSSDが欲しいとか色々悶々と考えていましたが、私はコスパ重視型で十分だと判断し、購入した外付けSSDは以下になりました。

Mac mini M4の内蔵SSDは512GBでメモリ24GBモデルにサンダーボルト4接続で現在1ヶ月ほど使用していますが、自分の作業には十分速く、快適です。軽いベンチマークテストはこちらです。ストレスは5GBで測定。


↑Mac mini M4 内蔵ディスク512GB
↑外付けSSD ORICO e7400 2TB サンダーボルト4接続

内蔵ディスク
読み込み 3409MB/s
書き込み 3034MB/s
外付けディスク
読み込み 3099MB/s
書き込み 3124MB/s

読み込みは若干内蔵ディスクが速く、書き込みは外付けの方が若干速かったようです。

外付けSSD
ORICO e7400 PCIe 4.0 NVMe M.2 SSD 2TB

ケース(Thunderbolt 3/4 と USB4.0対応)
ORICO TCM2-U4 Transparent USB4 40Gbps M.2 NVMe SSD Enclosure With Cooling Fan

公式サイトのリンクだけ貼っておきますね。

実物はこんなサイズ感です。

ここから先は

0字

¥ 100

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?