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操業のリスクマネージメントと機会創出

南国の石油操業会社では株主からの要請で、定期的な技術会議の際に毎回プロジェクトのリスクマネージメントという項目で、認識されているリスクの評価・順位づけ、対応策案、対応策の実施状況、対応策の評価・改善などについて報告を求められています。

リスクマネージメントのプロセスにはいくつかのステップがあります。

  1. リスクの洗い出し

  2. リスクの評価・順位付け

  3. 対応策の立案

ここまではいわゆる「Plan」の段階です。そしてここからが重要なのですが、その後の「Do」「Check」「Action」、つまりPDCAを回して対応策を実施し、その結果を評価して改善していくことが重要です。

石油操業もシステムが複雑化し、関係者も多くなってきています。そのためリスクの複雑さも増してきています。あっちを立てればこっちが立たずというトレードオフも頻繁に発生します。リスクを洗い出すことや対応策の立案だけでもかなりの労力を要します。

なんとなく対応策が固まったところで一息ついてしまうのか、みんな頭ではわかっているのですが、日々のオペレーションに追われているとなかなかこのPDCAを積極的に回していくモチベーションがわかないのが本音だったりもします。

ですので、リスクマネージメントはトップマネージメント、あるいは株主などからの強いイニシアチブと組織文化の醸成が重要だと強く感じます。

実は南国のリスクマネージメントシステムには、上記のようにリスクを登録し、対策を記し、対策の実施状況や対策後の評価を記載するだけではなく、「Opportunity」を同時に記載します。つまり、「機会」とか「チャンス」ということですね。

リスクというと何となく「負」のイメージがありますが、一方でよく言われることですが、リスクを正しく認識して課題の解決に取り組むことは、新しいチャンスにもつながるということです。

実はこの「Opportunity」の項目を真剣に考えることは、このなんとなくモチベーションの上がらない (などと言うと怒られますが)、リスクマネージメントのプロセスにおいて、実はモチベーションにつながるプロセスだなと感じています。リスクを洗い出し、対応策を考えるだけでなく、機会創出までセットで考えることが、私たちのやる気につながっているなと感じます。

操業はどこの世界でもそうかもしれませんが、「安定操業」が当たり前、リスクマネージメントは加点というよりも、減点を防ぐためのものと思われがちなところがありますが、「Opportunity」まで考えることによって、加点につなげる (それにはトップマネージメントや株主の積極的な評価、インセンティブも必要ですが) アイディアが 社員一人一人のリスクに対する正しい理解と対応につながるのではないかと感じています。

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