見出し画像

大晦日に改めて信頼できるデータを見極めることの大切さを考える

石油開発では井戸を通して地下から様々なデータが取られます。

また、これらのデータの信頼性を理解すること、これらのデータが何を代表し何を表すものなのか理解すること、そして様々なデータを統合して科学的・合理的に解釈をすることが大切です。

データがどのように取られたものなのか、そのデータ自体の持つ特質を理解しないまま解釈したり、データの一部だけを見て解釈したりすると、油層を正しく理解できず、開発・生産の効率化がはかれない可能性があります。

データの信頼性を判断すること、データの特質を理解すること、そのうえでデータを合理的に解釈するためには、専門的な知識と経験、そして科学的な訓練が必要です。今年は南国石油会社の業務の中で、改めてこのことについて考える機会が多かったように感じます。

石油会社の社内であれば、油層モデルなどは第三者の専門家によるコールド・アイ・レビューなどを行うこともありますし、研究成果が学会誌の論文として掲載されるためには査読などを受けて、信頼できるデータに基づいて合理的な結論が導かれているか審査を受けることが普通に行われています。専門家が自分の専門分野に関わる情報を見る際には、そのソースなどによってある程度信頼性が判断できます。

一方で、私たちの身の回りでは、科学や技術を専門としない人たちにとっても、例えばSTAP細胞の問題や、自動車排気ガス測定や建築耐震偽装などに見られるようなデータ改ざん問題、コロナの感染者数、陽性率、感染率、致死率、ワクチン接種の効果などの議論など、科学的なデータやその裏付けなどに関わるニュースを見る機会が増えたように感じます。そしてそれらが私たちの生活にも密接に関わってきています。

科学・技術に携わる者がデータ改ざんなどを行うことはもってのほかですが、データをどのように見るべきか、それによる解釈の不確実性も含めて、専門家がわかりやすく情報発信していくことも重要だと思います。

また、専門家ではない私たちが情報を受け取る際にも、ただ無批判に盲目的に情報を鵜呑みにするのではなく、情報ソースを確かめる、情報をスクリーニングする、自分自身で判断するなどの努力が必要なのだと思います。

年末に際して、改めて自分自身もそんな意識をもってニュースに触れたり、情報発信したりしてきたか、静かに振り返ってみたいと思います。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?