国民民主党の言う103万の壁について
最近賑わせてる103万の壁について考えてみました。
103万の壁って、巷で言われるように、これ以上働けないとか言われますけど、実際には影響ないと思っています。
まず、103万の壁には二つの意味があります。
①本人に所得税が課税されるかどうかの壁
②扶養控除を適用できるかどうかの壁
一つずつ考えてみましょう。
①本人に所得税が課税されるかどうかの壁
103万まで働く場合
所得税…0円、住民税…8000円
合計…8000円
130万まで働く場合
所得税…13500円、住民税…37500円
合計…51000円
差し引き…43000円の税負担増
本人的には103万で抑えるよりは130万まで働いた方が27万円収入が増えますが、税負担は43000円増えるため、差し引き227000円の収入増という考えになりそうです。
②扶養控除を適用できるかどうかの壁
こちらは103万を境に扶養控除を適用できるかどうか、となります。従って扶養控除の効果を考えます。
年齢が19~22歳は特定扶養といって、控除額が所得税では63万、住民税では45万となり、控除額は多ければ多いほど税額は下がります。
所得税は所得税率によって下がる税額も変わるので、所得税率で考えてみます。
63万×所得税率5%=31500円
63万×所得税率10%=63000円
63万×所得税率20%=126000円
所得税率は23%以上もありますが、所得税率23%の人は給料の年収が1200万以上の人なので、計算は省きます。
住民税率は10%で固定です。
45万×住民税率10%=45000円
したがって、特定扶養を適用させないと、適用される場合と比べて
所得税率5%なら76500円
所得税率10%なら108000円
所得税率20%なら171000円
扶養する人の税金が増えることとなります。
大事なのは、扶養する人の税金に影響があるということで、本人の税金は①の通りです。
①で言ったように、仮に本人が130万まで働いた場合、本人の税金が増えるので結果的に227000円の収入が増えることとなります。
本人が130万まで働いた場合、仮に扶養者の所得税率が20%であっても、扶養者の増える税金は171000円なので、差し引き56000円の収入が増えることとなります。
なので、103万の壁なんて気にせず130万まで働いた方が、金銭的には得と言えます。
ここでは本人を特定扶養の19~22歳としていますが、それ以外の年齢の一般扶養であれば、控除額が少ないため、より働いた方が得する具合が増えます。
また、本人の税金は基礎控除以外を考えていませんので、社会保険料控除(雇用保険など)や、勤労学生控除(大学生などが使える控除)があれば、130万まで働いたとしても本人の税金は住民税5500円のみになります。
ただし、扶養してると会社から扶養手当が出る場合など、103万以内にしていることによって、税金意外にメリットがある場合も当然あります。
したがって、問題は103万の壁をよく知らない人たちが、どういった壁なのかをよく知らずに働き控えをしていることの方だと思います。