結婚を夢見るプリンセス

結婚したいの?

結婚しないの?
と言われることが多くなってきた。
周囲も結婚している人は多いし、そういう話題が増えてきたのも分かる。
でもそう尋ねられるといつも困ってしまう。
大体は「まだ仕事が楽しいから」とか「まだ自由でいたいし」とかを答えてごまかしている。

本音を言うと別に結婚したくない。
でもそれとは別で死ぬほど結婚に夢を見ている部分もある。
だけど私は結婚の現実を知っているから、結婚しても意味ないと思ってしまう。
だからしたくない。
どうせダメだと思っていることはしたくない。

結婚に良いイメージがないのは家庭環境に要因がある。
元々両親は仲良くなくていつもケンカしていた。一緒にどこかに出かけたこともあるはずだけど全然記憶にない。
そんな家庭だったから幼いころに両親は離婚した。
そういう状況をみていたことが1つの理由だろう。

もう1つは離婚した後のこと。
私は母親についていくことになったのだけど、仕事をやめていた母は実家に戻った。
生活費が楽になる代わりに自由がない場所だった。
もし結婚してなかったら?仕事はやめなかったはず。もし子どもがいなかったら?一人で生きていけたはず。
母親の人生を考えるとなんとも言えなくなる。もちろん状況のせいだけではなくて母親本人が動かなかったことも要因にはあるかもしれない。
でももし自分の身に起こったらすごく嫌だ。私はやりたい仕事も挑戦したいこともたくさんある。
結婚するということは母親に起こったようなことが起こるリスクも負うことになる。

あとは女性と男性の非対称性。
私が男なら迷わずに結婚しただろうな、と思う。仕事は今まで通りできるし、もし転勤になっても付いてきてくれる可能性の方が高い。家に帰れば美味しいご飯が待っていて労ってくれる。
今のところ周りで結婚している家庭はこういう家庭が多いように思う。
もちろん対等な家庭もあると思う。
でも現在の日本の労働環境では独身の頃と同じ状況で子どもを育てることは難しい。どちらかがキャリアを一時的にしろ諦めない限りは。
そしてそれは多くの場合女性になる。
合理的に考えれば男性の方が給料が高いし、出世する可能性も高い。なら男性が働いて、女性が一時的にしろ家事や育児に専念した方が効率は良いだろう。

でもそれは効率の問題。
女性側のキャリアは?夢は?やりがいは?
それに本当の効率を考えるなら、離婚した時にリスクを負うのは女性の方が高いのだからそこを補完できないのはおかしいように思う。

あとは離婚してしまうということは結局失敗だった、間違った相手だったと思ってしまう傾向もある。
おとぎ話のプリンセスみたいにずっと幸せじゃないとダメなように感じてしまう。
失敗してしまうのが怖いのだ。
ダメな相手を選んでしまったダメな私と思ってしまうから。

なら、離婚しなきゃいいじゃんって思うかもしれない。私もそうしたい。
でも結婚を存続できないような関係性になる可能性はどれだけ努力しても0じゃないし、もし少しでも結婚していることがマイナスな状況なら離婚した方が良い。
目の前で両親がケンカしていたりギスギスしていたりするよりはよっぽど良い。
それに子どもがいなかったとしてもお互いに心身が健康でいられない関係なら別れた方が良い。

そう思うと結婚するメリットであんまりないような気がする。
もちろん全くなくはないことは分かってる。
配偶者にならないとただの他人だから、色々と困ることが出てきたりもするだろう。
配偶者という立場を得ることが結婚する一番のメリットのように思う。

そう思うと、私は結婚することが嫌なんじゃない。
結婚することで付いてくるもの、当たり前だと思われていることがイヤなのだ。

家事や子育てをするのは女性の役目だったり、キャリアよりも家庭を重視しなくちゃだったり、自分のキャリアよりも夫のサポートをしなくちゃだったり、名字を女性が変えるのが当たり前だったり、そういう暗黙の了解として浸透しているものがイヤ。

だから結婚する前にここら辺を徹底的に潰さないと結婚できない。
結婚したからって自動で付随するものじゃないってことを伝えないといけない。
こういうことを一緒に考えてくれる人と一生一緒にいたい。
そしてできれば価値観が変わってしまう時まで一緒にいれたら嬉しい。

おとぎ話のプリンセスみたいに。

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