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Z世代が聴く名盤 #17 Michael Jackson「Thriller」

ここ数年で「Z世代」という単語をよく聞くようになった。「団塊世代」「氷河期世代」「ゆとり世代」等に続く新たな世代の区分である。
なんでも世間様はこの世代を「自分達とは全く違う感性を持った若者」と見ているようで、そんな歳の若者が起こした迷惑行為やトラブルを見つけては叩く報道や、そんな歳の若者を集めては「昔はこうだった」と昭和や平成の映像やらを持ち出して色々説明して反応を見てみる企画が最近増えてきており、「最近の若いのは何を考えているのやら」という空気をなんとな~く感じる事が多くなってきた。

そこまで我々の考えていることが気になるなら発信していこうじゃないか、ということでこのシリーズを始めることにした。当記事はZ世代にあたる筆者が世代よりも上のアーティストが出した名盤を聴いて、感想を書いていくただそれだけの記事である。

筆者は2003年生まれで、ニュースなどで取り沙汰される「Z世代」よりやや年上だが、WikipediaによればZ世代とは概ね1995~2010年生まれの若者を指すとのことなので、そのちょうど真ん中あたりに生まれた自分はバリバリZ世代を名乗れる。


作品情報

マイケル・ジャクソン、6枚目のオリジナル・アルバム。ギネス世界記録によって「世界で一番売れたアルバム」と認定されている。

前置き

マイケル・ジャクソンというと自分の世代にとっては完全に過去の人であり亡くなった報道とかも当時5~6歳とかその辺だったので一応物心はついてたはずだがあんまり覚えてない

一応知識としては「Thriller」「Bad」は幼少期から知っていて、MJとは認識してなかったけど「Billie Jean」「We Are The World」「Black Or White」は番組のBGM等でかかっていたので知ってた、という程度。更に自分の場合は教養を得る過程で他の曲も色々見つけたけど、それでもこのラインナップに数曲足されるくらいで一般人の知識としてはこの辺が限界だと思う。

さすが世界一売れたアルバムというだけあって知っている曲が多いが同時に知らない曲もいっぱいある。今回はその知らない曲達にフォーカスを当てて感想を書いていく所存である。

感想

「Thriller」「Billie Jean」のファンキーなイメージが強烈に残っていたため、全体的にノリの良い曲が多いと予想していたのだが、それら以外の曲は所謂AOR的な落ち着いた曲調が多く、思った以上にテンションが低かった

序盤2曲こそ「Thriller」に似た系統の曲調だが「Thriller」程の盛り上がりはないし、続く「The Girl Is Mine」はポール・マッカートニーとのコラボだが「Thriller」のようなファンキーな曲でもないし、かといって別にビートルズっぽくもないミディアムナンバー。

普通アルバムというのは聴衆の耳を引くために、そして聴き終わったあとの余韻を良くする為に序盤と終盤にリード曲を入れてくる事が多いが、今作の場合は特に知名度が高い曲が中盤に集中している。後から中盤の曲が売れただけで偶然こうなったのか、自分が出す楽曲は最初から最後まで全部名曲だという自信があったのか、よく分からないが面白い構成だと思う。

終盤3曲はバラード→ファンク→バラードのバラード挟み撃ち構成。強い曲が続いた後というのもあって、さして印象には残らなかった。

とまぁ全曲通して聴いてみたけど、前述した通り「Thriller」のようなダンス一辺倒だけでないクールな一面も度々覗いてくる作品だった。それに加えて声質が結構オンリーワンなこともあって、幅広いジャンルの曲がある中でも最終的には何を歌っても「マイケル」だなぁという感想に落ち着いた。

ちなみに今作には日本の代表的テクノポップユニット・YMOの「Behind the Mask」が入る予定だったそうで、発売40周年記念盤にはボーナストラックとしてマイケル歌唱のデモが収録されている。権利問題がこじれてしまったらしく、本格的な制作に入る前にお蔵入りになったみたいだけど(マイケルの死後に新しくアレンジを施したバージョンは発表されている)、向かうところ敵なしだったであろう当時のアレンジで是非とも聴いてみたかった!

一番好きな曲:Beat It
一番「…」な曲:The Lady In My Life

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