見出し画像

「大切」をまるっと抱きしめる。

アナログ手帳を季節のシールや可愛いマスキングテープで彩りながら使うのが好きだったけど、モノグサな私は1年かけて手帳を使い切れたことがない。

カバンの大きさの都合で持ち歩けなかったり、単純に忘れたり。いつしか書かなくなっていく。
手元にないと自分のスケジュールが分からないのも不便だ。


そんなわけで、もう3年くらい、スケジュールはスマホに入れた手帳アプリで管理している。

見た目も可愛いし、スケジュールを自分で決めた分類ごとに色設定して、カテゴリ分けできるところが気に入っている。


私は今まで、恋人ができるとその人専用のカテゴリを作っていた。イメージの色を設定して、彼の名前やニックネームで登録する。

別れるとそのカテゴリ自体が消去されてしまうものだから、過去のカレンダーを見ると、元彼との予定が未分類の灰色になってしまって、なんとも言い難い。


そんでもって、こないだ懲りずに新しく恋人用のカテゴリを作ろうとして、やめた。

「ともだち」というカテゴリの名前を変えて、「たいせつ」にしてみた。


以前から恋人と友達は、私の中でどちらも同列の取り扱いだった。でも、無意識に恋人と会うかもしれない週末を想定して、友達との約束を入れていたかもしれない。

スケジュールの見た目も、カテゴリ分けしていたのもあって、恋人との予定と友達との予定は別物だった。別にすると単純にわかりやすいってのもあったけど、なんとなく。

でも、もう分けなくてもいいかな、と思った。


そのとき私にとって大切にしたい人たちとの予定を、これからはこの「たいせつ」カテゴリを使ってスケジュールに入れ込もう。

何か事件が起こっても、カテゴリを削除する必要もない。そのときの思い出を、自分の手で色褪せさせて、塗りつぶすなんてしなくていい。

灰色になった予定を見るのは、結構萎える。

たとえ名前が登場しなくなったとしても、そのときその瞬間に、私の「たいせつ」でいてくれたことに感謝したい。


抱きしめかたは違っても、みんな私の「たいせつ」だ。
そんなふうに、思う。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?