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【遺跡探訪91】バコンはやっぱり王者の風格(Bakong 881年)

この日はアンコールワットの日の出を見にいく予定でしたが、雨の予報が出ていたため、街灯無しで明け方は真っ暗なアンコールワットは、念の為やめておきました。

出発時点ではギリギリ雨は降っていなかったので、もしも雨が降っても雨宿りしやすい国道沿いのバコンに急遽変更しました。

大手ラリタバスのバス停。

バコンには朝ちょっと早すぎたかなと思い(家を5:00過ぎに出ました)そういえばラリタバスのバス停にカフェができた、という話を思い出して行ってみました。さすが夜行もあるラリタバス、朝5時台でもコーヒー淹れていました。クロワッサンやカップ麺などもあり、重宝しそうです。

ここから30分おきにプノンペンまでのバスが出ています。

本日のマップ

前回バコンを訪れた1年半前は、「こんな素敵な遺跡、もっと知られてもいいのに地味だな」と思っていましたが、その後色々書籍を読んだり地元の人と話すと、アンコール遺跡より前の時代のロリュオス遺跡(広義ではアンコール遺跡らしいですが)の中では実はバコンは非常に有名でした

先日見たMITの「世界の建築の歴史」の中でもカンボジア遺跡で解説していたのはアンコールワットとバコンでした。このプラットフォームEdx、無料で海外大学の講義を見ることができるのでおすすめです。

このバコンの南のプレイ・モンティなんてジャングルをかき分けて行く感じですが、こうやってMITで解説されていると思うと感動します。ジャングルは千年前、街だったのですね…

バコン到着

国道6号線からは右折するところに看板があるので、わかりやすいです。

バコンの看板はないですが、プリヤ・コーの案内板があります。
ここのチケットコントロール、今回初めて係員がいました笑
寺院入り口でもう一度チケットを見せます。
見えた!

6:00オープンになりました

一週間くらい前に首相のアナウンスでアンコール寺院の入場時間を緩和して、朝7:30オープンだったのを朝6:00にするというニュースがあったのですが、念の為開いていなかったことを考えて(バコン周辺には何もないので)7時ちょっと前という微妙な時間に到着しました。

そして入り口の警備の人に聞いてみると、「6:00からになったよ」とのこと!うわ、こういうトップダウンはさすが早いです。

当時の入り口と今も変わらず、東側が入り口です。

参道の奥に中央祠堂が見えます。かっこいい!!

バコンはアンコールワットより250年ほど古く、後の時代のピラミッド状寺院のプロトタイプになったそうです。実験的要素が強いらしいです。

中央祠堂の塔部分が門から見えました。
時代が古いため、彫刻が残っているところと風化しているところがあります。

ピラミッドを登ってみる

とりあえず高いところへ登ってみたいです笑。
他のピラミッド型遺跡(プレ・ループ、東メボン、ピミアナカス、バクセイ・チャムクロン等)と比べると、傾斜はそれほどきつくなく、登りやすいです。

中央祠堂の彫刻。デヴァターも非常に美しいです。頭の上の宮殿(?)が特徴的で、確か同時代のプリヤ・コー遺跡にもあった気がします。
唐草模様の古いパターンのようです。
すごい…!

上から見たところです。写真左奥が今通ってきた国道につながっている道なのですが、環濠に阻まれています。一旦東か西から入らないと辿り着けません。

猿のペディメント。
偽扉は、ところどころ残っていたりいなかったりしました。
西門方向へ
修復中の祠堂もありました。

5万リエル札のバコン

この遺跡、カンボジアの貨幣のデザインになっています。バコンは5万リエル札の裏に印刷されています。


この遺跡がバコン

自動的に、この5万リエルの象の彫像もバコンのものかと思っていましたが、先日コーケー遺跡に行った時にこの象はコーケー(プラサット・ドムライ)のものだったと知りました。

言われてみればちょっと違う気もします。
コーケー遺跡の象は、よく今まで鼻が残っていたなと思いました。
門衛神(ドゥバラパーラ)でしょうか。
彫像として立っている方が好きですが、その場合略奪されたり博物館にあったりして遺跡にはないケースが多いです。
ごろっとしたシンハ。
こんなに可愛いのは初めて見ました。
いや、バコンには一昨年来ているはずですが、気が付かなかったです。
亀っぽいですが、牛のナンディン。ナンディンが形を残しているのは、東西南北で一カ所だけでした。
一枚岩を切り出したというドア枠。後の時代には上下2枚、左右2枚になったそうです。
偽扉の彫刻
こちら、唯一残ったナンディンです。
めちゃくちゃかっこいい…ロリュオス遺跡好きだなあ
おお!扉の上部の三角の開口部はサンボープレイクックみたいです。
たぶんリンガの台座です。
こんなところにまで精巧な彫刻が施されていて、宝物を見つけた気持ちになります。
プノンペンの独立記念塔は、複数モデルがあると思うのですが、これが一番近い!と思いました。
ブーゲンビリアが美しいバコン
立派なナーガ。アンコールワットのものほど洗練されていませんが、ボリューム感や迫力がすごいです。
プリヤ・コーは修復中でした。

(おまけ)コーヒープラス

帰りに新しくできていたコーヒープラスに立ち寄りました。
本当にこの週末にオープンだったようで、内装も什器もカップ等もほぼ新品だったのと、店員さんが慣れていなくてめちゃくちゃ緊張しているようでした。(頑張ってね!)

帰る頃には空は明るくなっていました。そろそろ雨季も後半戦ですね。気温も少しずつ下がっています。

国道6号線

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