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【遺跡探訪22】山の頂上の遺跡、プノンクロム Phnom Krom(9-10世紀)
バタバタしていて1ヶ月半ぶりの遺跡探訪でした。複数のカンボジア人知人友人から勧められていた、「地元の人は大好きだけど観光客はそんなに多くない遺跡」のプノンクロムに行ってみました。
(写真はFujifilm X10にて撮影しています。カメラに関する記事→「Fujifilm X10 フォトウォーク@プサールー」)
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1. 6:30 am シェムリアップ市街地からシェムリアップ川沿いに南下しました。道沿いに行くと途中シェムリアップ川を離れ、トンレサップ湖方面へ曲がっていきます。
2.プノンクロムは山なので、行きすぎたり間違えることはありませんでした。
3.帰りは新しい真っ直ぐな道路をひたすら北上しました。市街地まで20分程度?行きに50分かかったので、意外と近くて驚きました。
シェムリアップ川をトンレサップ湖方面に南下
シェムリアップ川は護岸工事しています
2018年にトンレサップ湖へ行った時のシェムリアップ川沿いの穏やかな風景が忘れられず、その道でプノンクロムまで行こうと思いました。
しかし!市街地を抜けたあたり(リングロード以南)から大規模な護岸工事が始まっていて、川はフェンスで見えず、木は切り倒されていました…
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奥にシンハ(ライオン)像がいますね。
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向こうでは結婚式の準備をしています。
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山が見えてきた
プノンクロム、簡単に見つけられました
プノンペンが「ペン夫人の山(丘)」の意味のように、プノンクロムも山(丘)です。
入り口を見つけられなかったらどうしようという不安は完全に消えました。あの山しかありません。
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山に入る入り口は徒歩と車で違い、徒歩だと急な階段を登ります。
車が通れる坂道も結構傾斜がきつく、トゥクトゥクだと拒否されるかもしれません。
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アンコール遺跡群を離れたここまで外国人観光客が戻ってきていないからか、係員はいませんでした。
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本堂はさらに左にありましたが、この建物のすごいところは、手前の屋根のギザギザではないかと思っています。これ、プノンペンによくあるフランスの影響を受けたクメールモダン建築のデザインです。まさかお寺にも取り入れるなんて。
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シェムリアップのお寺の建物は、メインの建物以外の小さな建物では、意外にもフランス風のヴィラのような建物もあります。特に宗教的な意味で訪れることがなくても、ぶらぶら散歩をしているだけでも楽しいです。
アンコールワットなどに比べて相当古いプノンクロム
プノン・クロム
年代:10世紀初頭
国王:ヤショヴァルマン1世
宗教:ヒンドゥー教 (トリムルティ、三神一体)。ここで発見されたシヴァ神像は、現在プノンペンの国立博物館で展示中
おすすめの時間帯:午後遅い時間の日没前
PHNOM KROM
Date: Early 10th century.
King: Yashovarman I.
Cult: Hindu. (Trimurti). A statue of Shiva found here is now displayed in the National Museum in Phnom Penh.
Best seen: Late afternoon, before sunset.
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ガイドブックには10世紀初頭とありましたが、ユネスコの石碑には9世紀後半とあります。日本の歴史建造物などと違い、まだ研究が進んでいなくて分かっていないことも多いのかと思うと、わくわくします。
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奥にはプノンクロム遺跡が見えます
思ったより風化している
ロケーションは非常に良く、木の間から見える山の麓は絶景です。しかし、遺跡自体は古すぎて風化し、彫刻は溶けたようになってしまい、ほとんど見えません。
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手前に祠が4基(レンガ造、石造、石造、レンガ造の順)、奥に石造の祠が3基ありました。
独立記念塔のモデル?
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ロリュオスのバコン遺跡も同じような雰囲気がありました。石材が同じなのでしょうか。
細部を見ると何がなんだか分からないのですが、遠目に見ると、プノンペンにある独立記念塔そのものじゃないか!と思いちょっと感動しました。
独立記念塔自体はクメール建築の巨匠・ヴァンモリヴァン氏の設計で、フランスからの独立を祝うために1950年代に建設されたものですが、そのオリジナルを発見したような嬉しい気持ちになりました。
頂上からの絶景
プノンクロム遺跡の塀の外を右から裏に回ると絶景が見え、カンボジア人家族のピクニックスポットとなっています。この景色を見るための遺跡です。
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雨季にはトンレサップ湖の水位が上がり、プノンクロムの周囲一帯が湖となり、島の上にいるような眺めになるとか。もう一度雨季に来ないといけないなぁ。
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風化しすぎていて分かりませんが、他の遺跡から考えると位置的にはナーガのようです。
夕日で有名なプノンクロムですが、朝もなかなか良かったです。
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現代のお寺も共存しているため、お坊さんが多いです。
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さて帰ります
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ゴミの収集システムが存在しないのかもしれません。
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写真はワットアトヴィアの西からの入り口。シェムリアップ川側からではなく、こちらが正式な入り口のようです。