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【遺跡探訪63】ラピュタのモデル?ベン・メリア(Beng Mealea, 12世紀)

ベンメリア遺跡の話を初めて聞いたのは、ちょうど6年前でした。ベトナムの企業で働いていた時に、休憩時間にサイゴン大聖堂の美しい風景をオフィスビルから眺めながら、年下のマレーシア人上司が言ったのでした。

「カンボジアのシェムリアップから2時間くらいのところの森の中にすごい遺跡があるんですよ。ジブリのラピュタの世界そのもの。ぐっちゃぐちゃに壊れていて、その上から巨大な木が生えていて」

と写真を見せてくれて、もうすっかりその時から私はベンメリアの虜になってしまいました。


遠いけど大変ではない

6年前に聞いた話では、道無き道をトゥクトゥクでホコリを巻き上げながら走って行った、とのことで、私には無理だなと思っていたのでした。

ところが、今年の10月にできた新国際空港、シェムリアップから遠いですが「ベンメリアの近く」という言い方もされています。10月に新空港を使い、街まで戻るのに特に問題はなかったことから、「あれ?ベンメリアも行けるのでは?」と思いました。

シェムリアップから国道6号線をプノンペン方向へ走り、北東方向に曲がります。そこから国際空港までの道が新しく走りやすい道です。

今回はバンテアイスレイの教訓を生かし、流しのトゥクトゥクでなく、前日にGrab Remorque(大型トゥクトゥク)で家まで帰り、このドライバーさんで大丈夫だ、と確認して次の日の交渉に入りました。このやり方は当たりでした。

遺跡巡りにちょうど良い気温(25°C)

今日は年に2,3回ある(カンボジア基準では)寒い日で、最低気温17度、出発した朝9時でも21度でした。吹きさらしのトゥクトゥクではかなり寒く、持っている唯一の防寒具のポケッタブルダウンとキルトスカートが大活躍しました。

入り口の大木が雰囲気ある

チケットコントロールは認証する機械を持っている人はいなくて、トランシーバーで番号を誰かに確認していました。トゥクトゥクでは寒かったものの、歩いて遺跡をまわるには、ちょうど良い気温でした。

門から、派手に崩壊

南門が見えてきました。元々は東が正式な門だったようですが、今は南側からしか入れません。

近づくと、門は相当崩れていることに気づきます。右に行ってくださいという看板が立っています。順路が定められているようです。

いやーすごい!写真であまりスケール感が出ないのですが、右に内部へ通じる橋が見えるでしょうか。

もう、規模と崩れ方が半端じゃないのです。下の写真は第一回廊なのですが、全く原型を留めていません。ガイドブックなかったら、現在地が掴めなかったです。

中央祠堂の消滅

下の写真の場所が中央祠堂があった場所のようです。どのような形だったのかはわかっていないようで、ガイドブックの平面図も薄い色で(恐らく想像上の)形が書かれているだけです。

崩れすぎてて、何がどうなっているのか分かりません。

実際には、通路を上下しながら第三回廊の内部まで入り、そこを3/4周した後、入って来るとき正面だった門(南門)を内側上部の展望台から見ることになります。

通路と順路は決められているので、近くで彫刻やテクスチャーを見たい派にはちょっと物足りないかもしれません。そういうタイプの遺跡ではないのです。個人的には、他の遺跡で時代や建築様式や彫刻を知る前に来るべき(もしかしたら、最初の遺跡として)だったなと思います…

下の写真は唯一デヴァターが残っている場所ですが、近づけません。

2009年出土のナーガは、これ?

ガイドブックによると、2009年に出土したために非常に美しく残っているナーガがあると書いてあって、楽しみにしていました。

お?これで合っているのでしょうか?思ったより風化しているし、完全体だった出土時の写真と比べると欠けている部分もあります。でも美しい。バックの青空に映えています。

犬と猫が共存している南門前の食堂。犬2頭、猫3匹いました。

ベンメリア遺跡は密林のイメージでしたが、環濠の横のスペースが広いために重苦しい感じがありません。

真っ直ぐな新しい道で帰りました。乗っているのがトゥクトゥクじゃなかったら、北海道みたいです。

ずっとドライバーさんの「シンガポール」のジャケットが気になってしまいました。

12月24日の今回は、多分2023年最後の遺跡巡りだと思います。
遺跡好きの皆様、読んでくださり、いつもありがとうございます。
Merry Christmas and Happy New Year! (←仏教国&お正月は4月なので、いまいちピンと来ないですが笑)

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