【遺跡探訪27】アンコールで最古の寺院、プリア・コー Preah Ko(879年)
以前バコン遺跡に行ったときに、バコンがあまりに素敵で時間がかかってしまい、すぐ近くにありながら見逃したプリア・コーを改めて訪れました。
(写真はFujifilm X10にて撮影しています。カメラに関する記事→「Fujifilm X10 フォトウォーク@プサールー」)
アンコールワット方面ではない遺跡群
プリア・コーがあるロリュオス遺跡群は、シェムリアップからプノンペンに行く国道6号線沿いにあります。
右折ポイントが分かりにくい
バコンとプリア・コーに向かって右折する道は、わかりにくいです。バコンはかなりメジャーな遺跡のはずなのですが、右折の看板はありません。
写真映えしなくとも存在感ある遺跡
カメラの設定が悪かったのか、曇りなのに光量が強すぎる影響か、今回のプリア・コーの写真写りが悪い気がしました。
実際には、バコンと同じくジャングルの中に文化遺産が突然現れて、なんとも言えない清々しい気持ちになりますが、写真ではその魅力がうまく伝わらないのがもどかしいです。
東門から入ります
東の入口から入ります。プリア・コーはシェムリアップから行ける遺跡群の中で最も古い寺院です。塀や門はかなり崩れてしまっていますが、建立時の形を想像するのは楽しいです。
現代建築にも通じる、通気口があるライブラリー
このライブラリー(経典を保管する建物)は、クメール建築の歴史において初めて通気口が設けられたスタイルだと言われています。現在のカンボジアの家でも一般的に見られる通気ブロックのスタイルは、実は1100年以上前の建物に由来していることを知って嬉しい。
寺院名の由来となったシヴァ神の乗り物ナンディ(牛)
プリア(寺院)・コー(牛)という名前はこの牛に由来しているそうです。6基の祠堂が2列に並び、手前の3基の祠堂の前には3つのナンディ像が鎮座しています。
リンテルと石碑が美しい
この系統の遺跡(プラサットクラヴァンなどの祠堂がたくさんある寺院)はリンテルの彫刻とクメール文字が刻まれた石碑が美しいのですが、プリア・コーも例に漏れず素晴らしかったです。
なるほど!上部はもしかすると煉瓦が建築当時からそのままかもしれませんが、塔の下半分は当初は漆喰で塗られ、そこに彫刻が施されていたのですね。
建造年が古いのもありますが、その素材の特質のため、あまり装飾が残っていないのだなと思いました。
何故か北西の塔だけ対称でない
下の6基の塔の中で、北西の塔(手前左)だけが中央寄りで線対称でない位置に建てられています。この理由はわかっていないそうです。
この何でも簡単にネットで調べられる時代で「わかっていないということ」に唆られます…笑
市街地から17km離れ、カンボジア伝統文化が見える
このエリアは市街地からは少し離れ、観光客向けの店もあまりないので、伝統的な暮らしを垣間見ることができて結構好きです。
スバエク・トムの影絵を作る工房もプリア・コーのすぐ近くにあるそうなのですが、今回は見つけられませんでした。いつか、また工房を尋ねたいです。
さて、帰りに寄ったカフェでは、壁にインテリアとして昔のクメール文字が描かれていました。これ、まさにさっき見た石碑じゃないか!と思いました。母音や脚文字が上下の丸っこい形になるのですね。どこかで一覧表を手に入れられないかな。