世界遺産に登録決定~市民歌劇 より楽しみに~
第86回
難聴ソルのゆんたくTime
2018(平成30)年 月 日 島原新聞掲載
6月30日、中東のバーレーンで「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」登録審査が行われ、世界文化遺産に正式登録となりました。おめでとうございます。
このよい知らせを受けて7月21日の市民ミュージカル「赤い花の記憶 天主堂物語」がますます楽しみになりました。
前回の記事で、聴覚障害者に対して文字支援を行うことをお伝えしました。
今回は、会場の都合によりスクリーンに投影するのは難しいので、タブレットを活用しての文字支援になります。一般の方は自由席ですが、聴覚障害者の字幕対応の席は昼・夜の部公演それぞれ5席ずつで、1席ごとにタブレット1台を設置し、その画面に字幕を表示します。指定席で1階の最後列になります。
当初は聴覚障害者仲間に文字情報を提供して楽しんでいただければと思っていたので、すが、5人までしか対応できない状況です。
ですので、今回は障害者手帳をお持ちの聴覚障害者の方を優先させていただきます。
申し込みのときに以下の三つをお伝えください。
①名前、連絡用メールアドレス
②昼・夜の部どちらを希望するか
③障害者手帳の有無
お問い合わせ、申し込みは下記アドレスまでお願い致します。申し込み締め切りは18日までです。公演時間や料金、そのほか詳細については、数日以内に返信致します。アドレスはakaihana.jimaku@gmail.comです。
この公演は「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の登録を支援したということもあり、政界、行政、経済界などからたくさんの来賓がいらっしゃるということです。また、一般市民の方も多数いらっしゃいます。こういう場で、聴覚障害者への字幕や音声ガイドでの支援がどういうものかというのを直接見てもらう機会をつくりたいと思っていたのですが、スクリーンに投影するところまではできなかったのが残念です。しかし、小さな規模でも、これまで参加できなかった世界へ一歩踏み出すチャンスになると思います。
私は今回の取り組みが、障害を持つ方も文化芸術を鑑賞する機会の拡大の種を蒔いているとことだと思っています。いつかは綺麗な花が咲くようにコツコツと種をまき続けたいものです。いつも協力してくださっているUDサポーターの坂本朋恵さんはそんな私を見て、最初に水を与えて常に見守ってくださっている方です。順調に成長して花を咲かせるためには、沢山の方の理解と協力が必要です。
文字情報を提供するに至るまでには、多くの壁があり、悩みもありました。しかし、一つ一つ粘り強く話し合ったり、情報収集をしたりしてここまでたどり着きました。
結果的には、こぢんまりとした字幕提供の場に見えますが、これを行うことができたことはとても大きな成果です。今後、この経験を生かして、聴覚障害があってもどんどん社会参加ができる世界を広げていきたいものです。
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