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妄想:ライター・編集者のこれから

CINRA.NETさん主催の『KOTODAMA ~音~』に参加してきました。

ゲストは音楽ジャーナリストの柴那典さん、フリーライターの三宅正一さん。

イベントレポの記事は公式で上がると思うので、内容について詳しくは書きませんが、Twitterで #KOTODAMA でメモ代わりにツイートしています。(テック系イベントのテンションでツイート多投しましたが、ダメだったら教えてください。あと、#KOTODAMA は被りが多いので是非独自タグがあると嬉しいです。)


技術的進歩と、ライター/編集者の仕事

柴さんと三宅さんが盛り上がっていたのは、文字起こしの自動化の話。
普段の仕事がテック系なので、音声認識技術の進歩はよく知っていますが、ライターさん界隈では意外と知られていないらしい...
(アプリメーカー各社さん、ビジネスチャンスですよ!!)

ライター・編集者の仕事はどうなるのか。
イベントでは、工数が削減されることで生まれるメリットがあるよね、と明るいテンションでした。

文章に関する技術としては、長文を要約する技術がすでに存在しています。(記事中の位置で判定して抽出したり、単語の出現頻度などで判定して文章を再生成したり。)
おそらく音声認識もこの先進歩して、音源の中でどこで盛り上がったか、熱が入ったかを判定して抽出することも可能になるでしょう。
すると、
・インタビューのどこをピックアップするか
・何をメインテーマとして記事を構築するか
といった「編集」の領域にいよいよ技術が侵食してくるのも時間の問題です。それを受けて、ライターや編集者の仕事って、どうなるんだろうか。
僕はライターでも編集者でもないですが、妄想しました。

ライター:文章を作る人

いくら高度なAIでも、基本的には入力がないと機能しないので、「言わなくても伝わる」はありえません。行間を読んで感想を書いたりはできません。例えばミュージシャンの新譜を聴かせて前作との音の違いを数値で表現することはできても、演奏技術の進歩や他のミュージシャンからの影響などを踏まえた文章にすることは不可能です。インタビューが人対人で行われる以上、意義のある問いを立てて対話をしたり、ミュージシャンの人となりをベースにした愛のある文章に仕立てることは、人間にしかできません。

編集者:メディアとしての統一感を持たせる人

個々の記事の生成はインプットとなる文章さえできれば機械任せになるかもしれませんが、それを「人が読んで面白い」内容に整えたり、他の記事と温度感を調整したりして、メディアとしての世界観を作っていくのは人にしかできないんじゃないかと思います。

「知らないカルチャーに触れるきっかけになる」とか「好きを加速させる」とか、それこそこのイベントのテーマになっている「言葉で、魂を伝える」のような、ベースになる思想やテーマを透徹させられるのは、人間にしかできないし、人間にやってほしいことでもあります。人間以外に吹き込まれる魂があるとしても、きっと魅力はないでしょう。


自分を編集する

このイベントでは「自分を編集する」というテーマでトークが進みました。個性の出し方、自分らしい在り方、みたいなことを考えながら聞いていましたが、一番引っかかった「テクノロジーとの付き合い方」について、この記事を書きました。

「他の人との差別化」について質問した時に、柴さんがバシッと「自分の原稿は、数字と主観だけを論拠にしている」と答えてくださったのが印象的でした。次はカルチャーに関する「数字」について、考えてみようと思います。


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